« 2014年8月 | トップページ | 2014年11月 »

2014年9月の6件の記事

2014年9月28日 (日)

ピリオド演奏の先達の一人、ホグウッドが亡くなった

クリストファー・ホグウッド逝去の追悼記事が金曜日の新聞に掲載されていて、驚いた。先月亡くなったフランス・ブリュッヘンに続き、古楽演奏界の著名な指揮者・演奏家が相次いで亡くなったことになる。

二人とも生演奏で聴く機会は無かったが、CDではこのブログでも何度か記事で取り上げたことがあり、自分の音楽鑑賞にとっては親しい指揮者・演奏家だった。

特に、ホグウッドがピリオド楽器、奏法による大規模なモーツァルト交響曲全集を発表した頃は、ちょうど自分の学生時代で、まだ次々に発売される高価なLPを買うことはできず、FM放送で流される新鮮な演奏スタイルによるモーツァルトをむさぼるようにして聴いたという記憶がある。自分にとっては、ホグウッドの名前は、古楽の代名詞のようなものだった。

ベートーヴェンにしても、コレギウム・アウレウムは知られていても、グッドマンやノリントンなどの先駆的な録音は田舎町では容易に入手できず、メジャーレーベル系のホグウッドのものは小さなCD店の店頭にも並んだこともあって、英雄、第九は発売直後に購入して、よく聴いたものだった。

ブリュッヘンは、リコーダー(ブロック・フレーテ)奏者としての演奏に触れるよりも早く、バッハのロ短調ミサのCDで親しんだ。

ピリオド演奏による、ピッチの低さは、ほとんどまったく気にならないが、今聴いても少々ハイ上がり的に聞こえる弦楽器群の響きは、スタンダードなモダン演奏に比べて、刺激がやや強く、ときにはあまり愉快でなく聞こえることもある。ただ、音響としては、新鮮ではあるが、それが心を打つようなことがあまりない。テンポの速さやリズムの強調、そして音色のためか生き生きとしているようには聞こえるのだが、今を生きる現代人の感性によるよりも、頭脳的な再現になっているように感じられ、その意味で、「博物館」的な演奏なのかも知れない。

また、バッハや、ハイドン、モーツァルトがモダン楽器で演奏されることが、今やアナクロニズム的にみなされるようになってしまったのは、古楽器演奏の功罪の両面でもあろう。

その一方で、サイモン・ラトルやダニエル・ハーディング、デイヴィッド・ジンマンなどのモダン系の指揮者がピリオド演奏スタイルをモダンオーケストラ演奏にも取り入れるなどして、次第にピリオドの領域が狭められているような気もし、一種の揺り返しの現象なのかも知れない。

ただ、作曲者当時の演奏楽器、スタイルを「復元」して再現するという行為は、音楽・演劇などの再現芸術にとってある種の極限的な形態だとは思うので、そのオーセンティシーは別にして、その試みの先鞭となり、それを私たち一般聴衆にも広めてくれた彼らの冥福を祈りたい。

ホグウッド指揮(コンティヌオ演奏)によるモーツァルトの交響曲第40番を聴きながら。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年9月23日 (火)

ケルビーノの palpitar は palpitation のことだった!

モーツァルト全集190枚の取り込みは、彼岸の中日の秋分の日に130枚目まで進んだ。119枚目までは宗教曲だったが、120枚目からは、オペラになる。

モーツァルト本は、当然ながら絶賛調のものが多く、読み続けると自家中毒的になりがちだが、最近読んだものにはモーツァルトの伝記に登場する初期の劇音楽作品は、年齢にしては大したものだが、同時代の他の人気作曲家の作品に比べると、出来栄えの点でも人気の点でもそれほどのことは無かったという論調のものも登場している。このブログでも取り上げたモーツァルティアンで知られる石井宏の「反・音楽史」もその傾向があったし、比較的最近に読んだ「モーツァルトを造った男」(小宮正安)は、ケッヘルカタログのケッヘルの評伝だが、これにもその傾向があった。その前のランドン「モーツァルト」も18世紀後半を概観しながら比較的「ニュートラル」と思われる評が読める。

同時代の、オペラ・セリアのハッセや、ブッファのパイジェルロソレル(「椿事」 Una Cosa Rara 1, 2, 3 )などの作品を聴くとその管弦楽の響きの薄さに驚かされることが多い。もちろん、演奏の質やレベルも関係があるのだろうが、当時の人気作品だからと言って、現代の人気作品が必ずしも質を保証しないのと同様、質がとても高いわけではない。

もちろん、ヨーゼフ・ハイドンの多くのオペラ作品(「月の世界」のような)もあるが、少年期のモーツァルトの作品の質は、現代人の耳にも(現代だからこそ)とても質が高く響くように思える。

理屈は、実際の現象(物、音、色など)の前では力を失うようだ。

さて、2014年度の上半期のNHKの朝ドラ「花子とアン」が今週で最終週を迎えている。村岡花子訳の「アン」シリーズは、高校時代の友人(男性)が好きで、その遅い影響で大学生時代に読んで嵌った。この朝ドラも初期の山梨と学院時代の頃はよく見ていた。故郷の東信の方言と山梨方言がどことなく似ているところがあり、文化的な共通性の点などが垣間見えて興味深かったり、花子の英語学習の時代が面白かったりした。その中で、「ときめき」を表す英語 palpitation という言葉を巡るストーリーなど結構面白かった。

この夏以来、すっかりモーツァルトづいているのだが、あるとき、ケルビーノの下記の有名なアリア「自分が誰だか分からない」の中でこの palpitar という言葉が耳に残った。

そこで、訳を調べてみたら、英訳でも palpitate をそのまま使っているものがあるではないか!

ある言葉を知るということは、こういことなのかも知れない。

Mozart: Le Nozze Di Figaro, K 492 - Act 1: No.6: Non so piu cosa son, cosa faccio

イタリア語 Italian:

Non so più cosa son cosa faccio,
or di foco ora sono di ghiaccio
ogni donna cangiar di colore
ogni donna mi fa palpitar
ogni donna mi fa palpitar
ogni donna mi fa palpitar!

Solo ai no mi d’amor di diletto
mi si turba mi s’altera il petto
e a palare mi sforza d’amore
un desio, un desio ch’io non posso spiegar
un desio, un desio ch’io non posso spiegar

Non so più cosa son cosa faccio
or di foco ora sono di ghiaccio
ogni donna cangiar di colore
ogni donna mi fa palpitar
ogni donna mi fa palpitar
ogni donna mi fa palpitar

Parlo d’amor vegliando,
parlo d’amor sognando,
all’acqua, all’ombra, ai monti
ai fiori, all’erbe, ai fonti
all’eco, all’aria, ai venti
che il suon de’ vani accenti portano via con se
portano via con se
parlo d’amor vegliando,
parlo d’amor sognando,
all’acqua, all’ombra, ai monti
ai fiori, all’erbe, ai fonti, all’eco, all’aria, ai venti
che il suon de’ vani accenti, portano via con se
portano via con se, e se non ho chi m’oda,
e se non ho chi m’oda, parlo d’amor con me, con me…
PARLO D’AMOR CON ME!

英訳 Translated to English:

I don’t know what I am, what I’m doing
Now I’m fire, then I’m ice,
Every woman makes me blush,
Every woman makes my heart palpitate
Every woman makes my heart palpitate
Every woman makes my heart palpitate!

When I’m alone, it stirs up my pleasure,
It excites me and stirs up my breast.
Whenever I speak, it’s all of love
a desire, a desire that I can’t explain!
a desire, a desire that I can’t explain!

I don’t know what I am, what I’m doing
Now I’m fire, then I’m ice,
Every woman makes me blush,
Every woman makes my heart palpitate
Every woman makes my heart palpitate
Every woman makes my heart palpitate!

I speak of love while awake,
I speak of love while asleep,
To the water, to the shade, to the hills,
to the flowers, to the grasses, to the fountains,
to the echo, to the air, to the winds
which the sounds of useless words carry them away.
Carry them away.
I speak of love while awake,
I speak of love while asleep,
To the water, to the shade, to the hills,
to the flowers, to the grasses, to the fountains,
to the echo, to the air, to the winds
which the sounds of useless words carry them away.
Carry them away.
And if no one will hear me, and if NO one will hear me,
I will speak of love with myself, with myself…
I WILL SPEAK OF LOVE WITH MYSELF!

http://ithamankz.tumblr.com/post/63007618575

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年9月20日 (土)

モーツァルト リタニア(連祷) 変ホ長調 K. 243

この曲は、第1曲のKyrie Eleisonの穏やかな開始から、第2曲のPanis Vivusのテノールのアリア、第3曲Verbum Caro Factumの迫力のある短調の曲調、第8曲Pignus Futurae Gloriaeのフーガなどなぜかとても親しい。ペーター・ノイマンのミサ曲全集にも含まれているためかも知れないが、それより以前から親しんでいたような記憶がある曲だ。

アインシュタインも、カルル・ド・ニも傑作だという評価をしているので、第2弾に挙げるのもおこがましい(そういうなら、ト短調ピアノ四重奏曲だって同じことなのだが)が、それでも、あまり聴かれたり演奏されたりする機会が無いように思われる。

今回、カルル・ド・ニ(相良憲昭訳)の「モーツァルトの宗教音楽」を改めて読み進めているのだが、この中で注目すべき記述に出会った。第7曲のViaticum In Domino Morientum(臨終者のための終油の秘跡」の定旋律がグレゴリオ聖歌の「パンジェ・リングァ」を使っているのだという。

楽譜で確認してみた。K. 243 の 38頁目から Viaticum の章が始まる。

K243_viaticum2_4


39頁目のこの部分が、以前「ドレファミ」音型を調べたときに確認した三句目の「ドレファミレドレド」に当たるのかも知れない。下記の楽譜の「三小節目」のSanguinisque pretiosi, の部分。

Example_1_pangue_lingua_2

ここでは、この「ドレファミ」が明確に聞き取れるわけではないが、K. 243の「ドレファミ」については、これまであまり指摘されてこなかったように思う。

この作品の前後には、優美な曲調で知られる三台(二台編曲もあり)のピアノのための協奏曲(第7番「ロードロン」)K.242や、ハフナーセレナードK.250(248b)(第1「ハフナー」セレナード)も作曲されており、すでに「モーツァルト」らしい練達の作品になっている。

Mozart: Litaniae De Venerabili Altaris Sacrameto, K 243
1.    Kyrie Eleison
2.    Panis Vivus
3.    Verbum Caro Factum
4.    Hostia Sancta
5.    Tremendum Ac Vivificum
6.    Dulcissimum Convivium
7.    Viaticum In Domino Morientum
8.    Pignus Futurae Gloriae
9.    Agnus Dei
10.  Miserere

◎モーツァルト全集
Herbert Kegel: Leipzig Radio Symphony Orchestra & Chorus, Renate Reinecke (s), Annelies Burmeister (a), Eberhard Büchner (t), Hermann-Christian Polster (b)

モーツァルトミサ曲全集
Peter Neumann: Collegium Cartusianum, Kölner Kammerchor, Patrizia Kwella (s),  Ulla Groenewold (a), Christoph Prégardien (t), Franz-Josef Selig (b)

Mozart con grazia K. 243

題名の解説

参考動画

Nicol Matt: Kurpfälzisches Kammerorchester Mannheim

---------- 2015/5/24追記 詳しい解説を発見した。
http://www7.plala.or.jp/machikun/mozartk243.htm

第7曲のViaticum In Domino Morientum(臨終者のための終油の秘跡」の定旋律がグレゴリオ聖歌の「パンジェ・リングァ」を使っているのだという。」というところだが、こちらのページの移調したグレゴリオ聖歌の楽譜と対照すると、ドレファミどころか、パンジェ・リングァのメロディーをそっくり使っているのだという。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年9月14日 (日)

モーツァルト ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 K. 478

モーツァルト全集のMP3での取り込みは順調に進んでいる。高価な全集だけあり、CDの盤質がよいのかも知れない。読み取りのエラーが少ないためか、時には20倍など非常に高速なリッピングが行われている。本来このような高速取り込みは、音質にはよくないのかも知れないが、まずは190枚をきちんと取り込んで楽しもうと思っている。

できれば、ケッヘル第1版と第6版、および現在判明している作曲年代(完成年代)でのソートのために、iTunesのタグのフィールドを工夫して使えないかと思っている。これで整理しておけば、エクセルへの書き出しも容易で、ディスコグラフィーが自動作成できるようなものなので、とても重宝なものだ。タグの 「グループ」 content group に ケッヘル第1版の番号を入力してはいるが、第6版と年代をどこに入れたら入力とデータとしての使い勝手が便利だろうか?

(9/15追記:  グループ欄に、ケッヘル第6版を入力することにした。曲名には第1版を記載するので、これの方が利便性が高いようだ。ただし、第6版以降のプラートやタイソンによる筆跡、用紙の透かしによる年代鑑定という客観的な方法により、第6版ではK6版-300番台つまりパリ旅行中の作品とされた著名なピアノソナタが、すくなくともパリからザルツブルクに戻って以降の作品であり、「トルコ行進曲」付などは、「後宮からの誘拐」との関係で、ウィーン時代の作品だとみなされるようになってきたため、第6版の番号によるソートでは最新の作曲年代順のソートにならないのが、まだ悩みの種だ。作曲年代はどの項目欄を使えばよいだろうか?)

さて、これまで取り込んできて、久しぶりにじっくりと耳を通した曲の中で、特に印象に残って、書き付けたい意欲が出たものを少し書いてみようかと思っている。その第1弾。

Mozart: Piano Quartet #1 In G Minor, K 478
1. Allegro  2. Andante  3. Rondo: Allegro Moderato

Beaux Arts Trio [Menahem Pressler (p), Isidore Cohen (vn), Bernard Greenhouse (vc)] & Bruno Giuranna (va)

第1番、ト短調は、モーツァルトの宿命的な調性といわれるト短調を主調に冠している曲なのだが、交響曲第25番、第40番のように人口に膾炙したりしておらず、弦楽五重奏曲第4番のようにゲオンや小林秀雄が取り上げたりなどのスポットライトが当てられていない。

作曲の時期的には、前後には、ピアノ協奏曲第20番ニ短調(K.466), 第21番ハ長調(K.467), 第22番変ホ長調(K.482), 第23番イ長調(K.488)、第24番ハ短調(K.491)などの多彩な名曲群が控えている時期であり、「フィガロの結婚」(K.492)の年代でもあり、モーツァルトの創作力が頂点を迎えていた1785年から1786年の時期でもある。

ピアノ四重奏曲は、この第1番のほかは、この後作曲された第2番変ホ長調K.493の2曲しか残されなかった。当時は、音楽愛好者のレベルが高く、特に室内楽は、愛好者が自ら仲間内で楽しむために新作の楽譜を購入するという需要があったのだというが、これら2曲は、当時親しまれていたピアノ三重奏曲とは異なる編成でもあり、また、演奏技巧や内容が「難しい」と思われたためらしい。(後世の作曲家の作品では、シューマンとフォーレがこのジャンルに挑戦しているが。)

室内楽なので、ピアノ協奏曲とは違い、冒頭からピアノが登場するし、ピアノ協奏曲ならオーケストラに任されるような伴奏的な役割をピアノが担うこともあるので、いわゆる「書法」的にピアノ協奏曲とは異なるのだが、これら二曲の魅力的な楽想は、このままピアノ協奏曲としても十分、上記の名曲群と妍を競うほどのものだと思う。

実際、モーツァルト自身、いくつかのピアノ協奏曲の管楽器のパートなどなしでも室内楽的に演奏できるような指定をしているものもある(残念ながらこのバージョンは、「全集」には含まれていないのだが。)くらいなので、室内楽と協奏曲の境は意外に低かったのではないかと考えたりもする。 

第11番K.413についての解説(Mozart con garazia)

楽長モーツァルト氏は尊敬すべき聴衆の方々に新たに作曲されたクラヴィーア協奏曲三曲の出版を発表した。 この三曲の協奏曲は管楽器を含む大管弦楽団でも、単なる四重奏、即ちヴァイオリン2、ヴィオラ1、チェロ1とでも演奏可能であり、本年四月初めに出版される。 (浄書し作曲者自身で目を通した後)予約注文者にのみ分配される。 予約は今月20日から3月末まであり4ドゥカーテンであることを付記しておこう。 彼の住居はホーエン・ブリュッケ、ヘルベルシュタイニッシェ・ハウス第437の四階にある。

ピアノ協奏曲集(室内楽版) コラール(ピアノ)ミュイール弦楽四重奏団(2CD)

・ピアノ協奏曲第6番変ロ長調 K.238
・ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414(385p)
・ピアノ協奏曲第13番ハ長調 K.415(387b)
・ピアノ協奏曲第11番ヘ長調 K.413(387a)
・ピアノ協奏曲第8番ハ長調 K.246
・ピアノ協奏曲第14番変ホ長調 K.449

 
ジャン=フィリップ・コラール(ピアノ)
 ミュイール弦楽四重奏団
 録音:1988,89年(デジタル)

さて、この充実した音楽が、あまり声高にこれらが褒めそやされることは無いようなのがこれまで意外におもってきた。

ト短調という「名前」で、確かに第1楽章が「ベートーヴェン」を予言するような力感のある短調で開始され(ベートーヴェン的だから素晴らしいというわけではもちろんないが)、それはそれで素晴らしいのだが、第2、3楽章は長調が主調で、特に第3楽章のロンドは、何とも言えずに巧まず気取らない第1主題から始まり、いかにも「モーツァルト」的な音楽を味わうことができる。

むしろ、第2楽章、第3楽章が悲哀に満ちた第1楽章の曲調と比較して物足りないという意見もあるのかも知れないが、この長調の2つの楽章は、聴いている分でもても密度の濃い書法で書かれているようであり、そうは言ってもも力みや淀みもなく、その流れに浸ることができる。

少なくとも、ピアノ協奏曲が愛好されるのと同じくらいは愛好されてもしかるべきだと思うのだが。

ボーザル・トリオとヴィオラのジュランナの演奏と録音が素晴らしい。1983年の録音らしい(録音の詳細データは、「全集」の書籍部の最後に楽曲解説と一緒に掲載されてるので、確実なデータがネットでは見つからない)が、プレスラーのピアノは、明瞭で輝かしいが、決して華美ではなく、これほど「いい音」のピアノ録音はなかなか聞けないのではないかと思う。

参考動画:

Vn: Frank Peter Zimmermann
Va: Tabea Zimmermann
Vc: Tilmann Wick
Pf: Christian Zacharias

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年9月 3日 (水)

肉、油(揚げ物)を好きなだけという、糖質制限食の「モットー」は

9/1のテレビ朝日「お試しか」 
#173『もしもの1週間~カルビとハラミを食べ続けたらどうなるのか?』

カルビとハラミを毎日1キロずつ1週間食べたらどうなるのか!?
双子芸人ザ・たっちが体を張ってシミュレーション!
★ルール★
カルビを食べる人とハラミを食べる人に分かれ、専門家の指導のもとで1日3食、1日1キロのカルビとハラミをそれぞれ完食してもらう。

男性人気が高いカルビと女性人気が高いハラミ、それぞれを毎日1キロずつ1週間食べ続けるとどうなる!?
同じ体型を維持するために衣食住を共にしているという双子芸人ザ・たっちがカルビとハラミに分かれて シミュレーションして比較!
1週間肉を食べ続けた2人の体には どんな変化が起きるのか!?
同じ肉でもカルビとハラミ、どちらの方が太りにくい!?

挑戦者:
ザ・たっち

★シミュレーション結果

カルビ(身長152.8cm)
シミュレーション前…体重73.90kg

2日目…73.15kg

3日目…71.90kg

4日目…72.00kg

7日目…71.70kg

ハラミ(身長153.4cm)
シミュレーション前…体重73.00kg

2日目…72.05kg

3日目…71.65kg

4日目…71.15kg

7日目…72.20kg

-----------
上記には書かれていないがテレビで放送された情報
中性脂肪
カルビ 事前118→最終結果212(+94)
ハラミ 事前156→最終結果77(-79)
(10~149  が正常範囲)

糖質制限食の非常に非常に極端な実験で、いかにもバラエティショー的な無理のあるものだったが、体重の変化はある程度予想がついた。

しかし、中性脂肪は、「肉、油(揚げ物)を好きなだけ」という、糖質制限食の謳い文句に反する結果が歴然と出たことに注目したい。

過剰な動物性脂肪は、やはり中性脂肪の増加を招くのだ。至極あたりまえだが、自戒したい。

また、その後調べたら、糖質制限についてはNHKもすでに2年ほど前に取り上げていて、賛否両論併記の「バランス」のよいものになっていたが、参考にはなる。

http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3239_all.html
NHKクローズアップ現代の糖質制限
クローズアップ現代 No.3239 2012年8月30日(木)放送



| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年9月 2日 (火)

小学館 モーツァルト全集のCDを夏の帰省時に持ち帰った

初秋を知らせてはくれるが、少々煩いアオマツムシが樹上で鳴き始めた。熱帯性のデング熱の感染が日本でも確認されたことがニュースになっているが、同じく熱帯性のアオマツムシはすっかり亜熱帯の南関東の風物詩になってしまっている。

1991年のモーツァルト没後200周年を記念して発刊された小学館のモーツァルト全集15巻+別巻(CD190枚組)。オランダのPhilips社のCDによる Complete Mozart Edition (こちらは180枚組。おそらく小学館の10枚はモーツァルと以外の作曲家の作品10枚分が多いのだろう)をベースにして、モーツァルト学者の海老澤敏氏を中心とした著者陣が生涯、作品論、18世紀の文化・世相などを記述・論述した浩瀚な書籍が全16巻にも上るもので、各冊が美麗なハード函の中に納められている。CDは最大4枚入りの通常のCDケース2個が薄目のカートンに入り、そのカートンが縦置きで2個ずつ(1函にケース4個で、CD最大16枚収納)が書籍に並んで収納できるようになっていて、その書籍とCDを同梱した函の厚みが各巻10cmほどある。すべて横に並べると横幅が160cmにもならんとする。

就職してからある程度経験を積んだ年齢にもなり、全巻予約すれば、分売よりも数万円も安く買えるというので、数年の刊行期間の間に転勤になったときのことも書店で相談に載ってもらい(ただ、今思えば覚書などは交わさなかった)、一括払いで購入したものだった。当時はまだ独身寮生活だったので、それなりに自由になる金銭があったので、このようなまさに言葉通り、趣味のための贅沢な買い物ができたのだが、結婚後や育児期間中では無理だっただろう。ただ、別巻(モーツァルトとその周辺)は、全巻完結後の分売だったはずで、無理して買ったような記憶がある。(結婚後に同じく発売された小学館のバッハ全集は、管弦楽・協奏曲の巻を妻がプレゼントしてくれたのだが、さすがに他の巻は買えなかったし、講談社のベートーヴェン全集はカタログを見ただけだった。)

それ以来、2000年に現在の住居に引っ越す際に、学生時代から独身時代にかけての多くの書籍類と一緒に実家に置かせてもらったまま、時折帰省したときにつまみ聞きをしただけで、「モーツァルト」本を読んだ際に、手持ちのCDコレクションにその曲が無いと、全集があれば聴けるのになどと思うことがままあった。

既にiTunesでHDDに取り込んでの音楽鑑賞に慣れてから10年近く経過していたこともあり、以前にはPCとHDDを持ち帰り、時間のあるときに実家に行ってPCリッピングをしようかというアイデアがあった。今回はクルマで帰省するので、書籍ごと15冊全て持ち帰ることも考えたが、ただでさえ物が溢れていて片付かない集合住宅では置く場所も無い。せっせとテレビ番組をBDにダビングしているが、その時に使っているBDを入れる書籍型のケースのことを思い浮かび、96枚入りを2冊購入し、すべてCDケースから移し替えて持ち帰ってきた。

R0015182

現在、48枚をiTunesでリッピングしたところ。

併せて、実家に置いてあったオカールの「モーツァルト」、同「比類なきモーツァルト」、井上太郎の「モーツァルトのいる部屋」、「わが友モーツァルト」を持ち帰った。A.アイシュタインと海老澤敏の似た装丁の大冊2冊は置いてきた。

オカールの2冊もちょうど1991年頃に買ったもので、当時は少々小難しく、ざっと読んだだけだったが、今回改めて読み直してみると、さすがに読み応えがある。とはいえ、「比類なき・・・」は独特の用語(フランス語の原書で使われている重要な概念を表す術語に、日本語として対応するこなれた言葉が無かったのかも知れない)が多く用いられ、まだ隔靴掻痒的な感じは残った。

さて、「全集」の詳細は以下の通り。

「全集」でもなければ聴く機会のほとんどない、第2巻、第3巻は今のところ、ことに興味をそそられ面白いが、古くはブレンデルとマリナーのピアノ協奏曲全集を購入(これはこの「全集」を購入後、友人にプレゼントした)して楽しんだことのあるウィーン時代初期(1782-1784年)の11番から19番の協奏曲(K.413-K.459) が懐かしい。特に11番から16番は久しぶりに聴いた。モーツァルトが、「音楽の玄人にも素人にもその人なりに楽しめる」ように書いたと手紙で父に知らせ、自作自演でウィーンで大人気を博した曲だが、20年ほど経過した後で、久しぶりに聴いてもとても楽しい。

(CD1~12) /モーツァルト全集1 交響曲
著者名:海老沢敏 監修:エリック・スミス
出版社:小学館  ISBN:4096110019

R0015184_2

(CD13~24) /モーツァルト全集2 セレナード、ディヴェルティメント
著者名:海老沢敏 監修:エリック・スミス
出版社:小学館  ISBN:4096110027

(CD25~36) /モーツァルト全集3 管楽セレナード、管楽ディヴェルティメント、舞曲
著者名:海老沢敏 監修:エリック・スミス
出版社:小学館  ISBN:4096110035

(CD37~48) /モーツァルト全集4 ピアノ協奏曲
著者名:海老沢敏 監修:エリック・スミス
出版社:小学館  ISBN:4096110043

(CD49~60) /モーツァルト全集5 ヴァイオリン協奏曲、管楽のための協奏曲、管楽のための室内楽曲
著者名:海老沢敏 監修:エリック・スミス
出版社:小学館  ISBN:4096110051

(CD61~73) /モーツァルト全集6 弦楽のための室内楽曲
著者名:海老沢敏 監修:エリック・スミス
出版社:小学館  ISBN:409611006X

(CD74~85) /モーツァルト全集7 ピアノをともなう室内楽曲、ヴァイオリン・ソナタ
著者名:海老沢敏 監修:エリック・スミス
出版社:小学館  ISBN:4096110078

(CD86~97) /モーツァルト全集8 ピアノ曲
著者名:海老沢敏 監修:エリック・スミス
出版社:小学館  ISBN:4096110086

(CD98~108) /モーツァルト全集9 宗教音楽〈1〉
著者名:海老沢敏 監修:エリック・スミス
出版社:小学館  ISBN:4096110094

(CD109~119) /モーツァルト全集10 宗教音楽〈2〉
著者名:海老沢敏 監修:エリック・スミス
出版社:小学館  ISBN:4096110108

(CD120~130) /モーツァルト全集11 オペラ〈1〉
著者名:海老沢敏 監修:エリック・スミス
出版社:小学館  ISBN:4096110116

(CD131~141) /モーツァルト全集12 オペラ〈2〉
著者名:海老沢敏 監修:エリック・スミス
出版社:小学館  ISBN:4096110124

(CD142~153) /モーツァルト全集13 オペラ〈3〉
著者名:海老沢敏 監修:エリック・スミス
出版社:小学館  ISBN:4096110132

(CD154~165) /モーツァルト全集14 オペラ〈4〉
著者名:海老沢敏 監修:エリック・スミス
出版社:小学館  ISBN:4096110140

(CD166~178) /モーツァルト全集15 コンサート・アリア、歌曲他
著者名:海老沢敏 監修:エリック・スミス
出版社:小学館  ISBN:4096110159

(CD179~190) /モーツァルト全集 別巻 モーツァルトとその周辺
著者名:海老沢敏 監修:エリック・スミス
出版社:小学館  ISBN:4096110167

R0015183_2

--------
2014/9/22追記
The Compact Complete Mozart Edition (デッカのサイト)を発見した。

各トラックデータに録音データ、演奏者等が詳しく掲載されている、優れもの。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2014年8月 | トップページ | 2014年11月 »