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2016年1月 3日 (日)

2015年暮れの第九(読響とN響)のテレビ放送を聴いてトスカニーニを聴き直した

ドイツのヴッパータールで指揮者を務めている日本人指揮者上岡敏之の指揮した読売日本交響楽団の第九と、パーヴォ・ヤルヴィが首席指揮者を務めているNHK交響楽団を指揮した第九がテレビ放送されたのを年末に立て続けで聴いた。

ほぼ同じ世代だと思われるこの二人の指揮者の第九は、テンポの速さという点でとても似通っていたように感じた。いわゆるピリオド演奏時代を経て当たり前になったテンポの速さをモダンオケで演奏している。

特に両者とも第3楽章の速さは、これまでピリオド演奏による第九を聴いてきた耳にとっても異例の速さに感じられた。

ジンマンやラトル、パーヴォ・ヤルヴィ、ノリントンらによってモダン楽器にピリオド的な発想、原典回帰(特にベートーヴェンのメトロノーム表記)が始まってからもう10年以上が経過するのだと思うが、特にウィーン古典派の音楽は、モダンとピリオドのハイブッリドが当たり前のようになった感がある。

そして、年も明け、モダンでテンポの速い演奏として古くから知られているトスカニーニの第九(1950年代)は、第3楽章も速かったはずだが、どんな演奏だったろうと思いつき、何気なしに聴いてみた。

すると、そこではすでに、現代の最先端の指揮者たちが取り組んでいるテンポや金管の強調、歯切れのよいダイナミクス、短いフレージングなどが高いレベルで達成されているではないか?!などという感慨を抱いてしまった。第3楽章は速めではあるが、今回の上岡やヤルヴィよりも速くはなく、フレージングが短いという印象だったのだが、トスカニーニ的なカンタービレによって、太い一本線が通ったような音楽で、とても高雅で気品高い音楽になっていた。

フルトヴェングラーなどの演奏スタイルはと対極的で、少々異端的な存在として屹立していたトスカニーニの引き締まったベートーヴェン演奏だが、それから東洋的な約60年の周期的な繰り返しなのだろうか?まさに、この演奏スタイルが改めて現代に蘇ったかのように感じられて驚いているところだ。

トスカニーニのその少々騒がしく荒々しいが、エネルギッシュで輝かしい音楽は、改めて凄いものだと思ってしまった。

時代の先取りというか、周期的現象というものなのか、現代スタイルのはるか上を行っているようにも感じてしまった。

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