カテゴリー「美術」の40件の記事

2012年9月28日 (金)

アイルワースのモナ・リザがまた話題に

2013年9月23日からこの記事のアクセスが増えたので、確認したところ、今年も日テレが「アイルワースのモナリザ」を取り上げたのが分かった。かれこれ何回目だろうか?

2013年9月23日放送 19:00 - 21:54 日本テレビ  見破れ!!トリックハンター

最新!最強!トリック 禁断のタネあかしBEST10

ダ・ヴィンチが描いた“もう1枚のモナ・リザ”最有力候補はスイスのとある地下金庫にある。この作品はアイルワース版モナ・リザと呼ばれている。2004年にモナ・リザ財団によって最新科学でアイルワース版モナ・リザの鑑定が開始された。結果、キャンバスは1455年より前のもので、絵の具は16世紀初期のものと判明した。画材の年代が史実と一致したが、弟子が描いた可能性もある。そこで、2つのモナ・リザの構図の共通点を検証した。結果、構図が一致。さらに画家のクセを最新科学で鑑定する。絵から何億の点で統計をとり画家のクセが現れるコントラストを測定する方法。博士はこの方法でレンブラントの作品で成果を出した。

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2005年5月 3日 (火) ギャラリーフェイク完結など、「もう一枚のモナ・リザ」「アイルワースのモナ・リザ」「ラファエロの円柱」などについて興味を持ち、何度か記事にしたことがあったが、今日の朝のニュースでまた話題になっていることを知った。

詳しい記事は以下の通りだが、果たしてどのような結論になるのだろうか?

Wikipedia

我々素人でもわかるポイントは、レオナルドがほとんどつかわなかったカンバスに描かれていること、ラファエロの模写に描かれている「両側の円柱」が、ルーヴルの真作には見当たらないが、「アイルワース」にはしっかりと描かれていること、だろうか?

絵に描かれている女性は、確かに謎めいた微笑は無いけれど、艶かしく美しい。

「若かりしモナリザ」の肖像、ダビンチ作品との鑑定結果  2012年09月28日 15:55 発信地:ジュネーブ/スイス
(AFP配信)

【9月28日 AFP】(写真追加)イタリア・ルネサンス期の芸術家レオナルド・ダビンチ(Leonardo da Vinci)が描いた世界で最も有名な絵画「モナリザ(Mona Lisa)」──その若かりし姿を描いたとされる肖像画「アイルワースのモナリザ(Isleworth Mona Lisa)」について、スイス・チューリッヒ(Zurich)のモナリザ財団(Mona Lisa Foundation)は27日、ダビンチの作品であるとの鑑定結果を発表した。

「アイルワースのモナリザ」は長らく個人コレクターのヘンリー・ピュリツァー(Henry Pulitzer)氏が所有していたが、同氏の死後40年以上、スイスの銀行の金庫に保管されていた。後の2008年に匿名の国際財団が、ピュリツァー氏の伴侶だった女性の遺産から購入し、モナリザ財団に鑑定を依頼していた。

「アイルワースのモナリザ」と「モナリザ」の顔は驚くほど似ているが、「アイルワース」のほうはモデルの年齢が明らかに若い。また背景の風景は下絵のままで、両脇には柱が描かれている。モナリザ財団によれば、こうした特徴は「未完のモナリザ」として歴史上登場する記述によく似ている上、ダビンチと同じイタリアの巨匠ラファエロ(Raphael)など他の画家が当時描いた「モナリザ」の模写やスケッチの特徴と一致しているという。  

モナリザ財団がジュネーブ(Geneva)で開いた記者会見は、報道陣やテレビカメラでいっぱいになった。鑑定結果を証言するために、同財団によって会場に集められた専門家たちは、「アイルワースのモナリザ」はダビンチが「モナリザ」の10年ほど前に描いた未完の作品だと述べた。

所有者の匿名財団を代表して出席した美術商のデビッド・フェルドマン(David Feldman)氏は推定価格を明かさず、個人に売却するよりも一般公開できる状態のほうがふさわしいとの見解を述べた。

■「謎めいた」表情に欠ける?との疑問も

一方、会見に出席しなかった専門家からは、「アイルワースのモナリザ」がダビンチの作品だとする鑑定結果に疑問を投げ掛ける声も出ている。


その1人、英オックスフォード大学(University of Oxford)の美術史家マーティン・ケンプ(Martin Kemp)氏は、女性の髪やベール、ドレスの透けた重なり、手の骨格など「モナリザ」が持つ細部の緻密な描写が「アイルワースのモナリザ」からは感じられないと指摘。また多くの模写作品同様、ダビンチの「モナリザ」の「謎めいた」表情を捉えていないと述べている。

こうした批判に対し、モナリザ財団側は作品を実際に間近で見てほしいと語っている。同財団は、「アイルワースのモナリザ」の鑑定結果を『Mona Lisa -- Leonardo's Earlier Version(ダビンチが描いた若きモナリザの肖像)』と題した320ページの書籍にまとめ発表している。(c)AFP/Nina Larson

“若き日のモナリザ”ダビンチ作に反論「よくできた複製品」

イタリアの画家レオナルド・ダビンチの代表作「モナリザ」とは別に「若き日のモナリザ」も存在した―。スイスのモナリザ財団は27日、ジュネーブで10歳ほど若いモデルを描いた「モナリザ」を公開、35年に及ぶ調査の結果「ダビンチの作品」と結論付けたと発表した。

 この作品は日本で今年6月まで開かれていた展覧会で、世界で初めて一般公開。この際、財団は「アイルワースのモナリザ」として調査結果を伝えずに展示したが、反響は大きかったという。

 これに対し、ダビンチの専門家として知られる英オックスフォード大のマーティン・ケンプ名誉教授は28日までに米ABCテレビなどに対し「よくできた複製品」との見方を示した。

 パリ・ルーブル美術館に展示している「モナリザ」より一回り大きい「若き日のモナリザ」。未完成品で、仕上げは別人とされるが、科学的な分析や専門家の解析から、ダビンチが描いたとほぼ断定できるという。

 しかし、ケンプ氏は英BBC放送や米CNNテレビ(電子版)に「信頼できる主要な証拠によれば『若き日のモナリザ』が存在すると考える根拠はない」(CNN)などと述べた。

 財団側は「他の説を排除はしない。われわれが集めた資料を提供してもいい」と主張。担当者は「いつの日かルーブル美術館で2枚並べて展示されれば最高だ」としている。(共同) [ 2012年9月28日 23:03 ] 

今回の件では全く触れられることはないようだが、昨年から今年にかけてアイルワース版は来日していて「レオナルド・ダ・ヴィンチ 美の理想」展で各地を巡回していた。本当にどういう経緯で「アイルワース版」も含まれたのだろうか?

静岡市美術館 2011年福岡市美術館 2011年-2012年東京渋谷Bunkamura 2012年

参考になるページ: 美術史が好き!アイルワース版モナリザ

レオナルド ダ ヴィンチの小部屋

2005年03月29日 『「モナ・リザ」は誤報!?日テレに抗議文』の考察 (以前もリンクさせてもらった記事。1990年発行の書籍に掲載されていることを指摘されている。)

なお、朝日新聞9/28夕刊にも「モナリザ 10年前も微笑 ダビンチ作と確認」(前川浩之)という記事が掲載されていた。「財団は一般公開を目指すという。」と締めくくられていたが、昨年から今年にかけての日本での巡回展は、一般公開ではなかったのだろうか?

ABCNews  Sep 27, 2012 3:58pm Second Mona Lisa Unveiled for First Time in 40 Years

It’s a mystery straight out of the da Vinci code. A famous portrait, hidden away in a Swiss bank vault for 40 years, with the potential to break open a mystery more than 500 years old. A second, earlier version of the Mona Lisa was unveiled to the public today,  a version that experts say they can prove is the work of the master himself.

Known as the Isleworth Mona Lisa, the painting was discovered shortly before World War I by English art collector Hugh Blaker, who purchased it from the noble family to which it had previously belonged. Blaker then moved the painting to his studio in Isleworth, England, giving it its iconic name.

During WWI, the painting was moved to America for safekeeping. The portrait eventually made its way back to Europe, where it was analyzed in Italy before being sent to the Swiss bank vault for safekeeping. Since that time, experts from the non-profit Mona Lisa Foundation have been working to prove or disprove the portrait’s authenticity

“When we do a very elementary mathematical test, we have discovered that all of the elements of the two bodies – the two people, the two sitters – are in exactly the same place,” art historian and foundation member Stanley Feldman told The Associated Press.

“It strikes us that in order for that to be so accurate, so meticulously exact, only the person who did one did the other. … It’s an extraordinary revelation in itself, and we think it’s valid.”

Such similarities aside, the two Mona Lisa’s have many notable differences, the Isleworth version is larger and features columns on either side of the figure, believed to be Lisa del Giocondo. The version that hangs in Paris’ Louve Museum is narrower and features no such columns.

The Isleworth painting was done on canvas, while the Louvre painting, which features a far more detailed background, was done on wood. The woman in the Isleworth version also appears younger than she does in the Louvre, leading to the theory that the portrait might have been painted earlier, consequently featuring a younger del Giocondo.

The foundation’s claims aside, many in the art and scientific community remain unconvinced.

“It’s a perfectly honest, well-made early copy,” Martin Kemp, an Oxford University professor and da Vinci expert, told ABC News today. “Pictures were copied [because] you couldn’t go to the Internet and order a reproduction. So if you wanted something like that ['the Mona Lisa'] and you couldn’t get a hold of a Leonardo, you would order a copy.”

With the debate still raging, it is difficult to reach a definite conclusion about the painting’s authenticity. So, until the foundation releases more evidence, it looks as though experts will be left to speculate about whether the Isleworth Mona Lisa is the work of the Renaissance man himself, or one very gifted Impressionist.

 

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2012年7月30日 (月)

奈良美智展 横浜美術館

奈良美智と書いて、男性か女性かを即答できる人は周囲にはあまりいなかった。なら・よしとも と読み、男性の美術家(アーティスト)である。イラスト風の少女像をどこかで見たことがある人も多いと思う。見れば、ああ、あれかと思うような結構印象的なイラストだ。そんな「どこかで見たような東洋系の少女の顔」をモチーフにしている。

次男に夏休み中に美術館を訪問してその感想を書くという宿題が出たので、長男と三人で猛暑の中を出かけてきた。夏休み中に訪問するという指定がなければ、4、5月に連続で出かけた美術展があったし、マウリッツハイス展にもこれから行く予定があるのだが、まずは7月中に学校の宿題を済ませたいということで、一番行きやすい最寄の美術館を訪れた。

同じような宿題が市内の市立中学校全員に出されたのか、中学生頃の年代の少年少女の観覧者が多かったため、少々ざわざわした美術館の雰囲気だった。

正面から入って右側の特別展示室に個展として開催されていて、床は打ちっぱなしのコンクリート剥き出しでペンキ跡も目立つもの(普段はカーペットが敷かれている)になっており、展示スペースは、暗かったり(彫刻やオブジェ)、低い入口からくぐって入ったり、カーテンを開けて入ったりのキッチュな「工夫」がなされていた。

現在も活躍している最先端の美術家(アーティスト)の作品なのだろうが、このようなポップアート系というのか、「かわいい」という歓声が上がっていたりしていたが、鑑賞というのはなかなか難しい。

常設展というか、コレクションをテーマに従って展示したコーナーの方が、面白かった。この中には、奈良の作品も展示されていたが、正当的な肖像画や、シュル・レアリスムの中においてみるとその特色が浮かび上がってくるのかも知れない。

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2012年7月 1日 (日)

朽木ゆり子『フェルメール全点踏破の旅』(集英社新書ヴィジュアル版)とヴァン・スヴィーテン男爵

コミック『ギャラリー・フェイク』に影響されたような素人美術好きで、このブログでも時折美術関係の拙い記事を書いたりしており、フェフメールという画家についても何件かエントリーしている。

このブログでも書いたように
フェルメールの一番の人気作オランダ・マウリッツハイス美術館所蔵の『真珠の耳飾りの少女』(Girl with a Pearl Earring,  青いターバンの少女)
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傑作と言われているベルリン国立絵画館の『真珠の首飾り』(Woman with a Pearl Necklace 真珠の首飾りの婦人/少女)
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今東京上野に来日中だ。

今日の朝日新聞の天声人語子は、朝日新聞協賛らしく、人気作『耳飾りの少女』の来日を1974年のモナリザの来日と並べて書いているが、贔屓の引き倒しにならなければいいと思う。耳飾りの少女は、1984年、2000年に続きこれが3回目の来日なのだから。(他の作品の来日履歴

さて、耳飾りの少女の来日にちなみBSフジの『真珠の耳飾りの少女』の特集番組を録画しておいたのを土曜日に見たが、その時にワシントンのナショナルギャラリーの『天秤を持つ女』 Woman Holding a Balance の美しい女性像が気になり、以前タイトルの本を買っていたのを思い出して引っ張りだして読み直した。2006年9月発行の本で、11月の第4刷を購入しているので、ちょうどその頃購入したはずだが、あまり精読していなかったようだ。
Hoding_a_balance
今回読み直してみてこの本の69ページにそのときには気が付かなかった意外な記述があるのに気が付いた。ヴィーンの美術史美術館所蔵の『絵画芸術』(The Art of Painting)の来歴だ。
Art_of_painting
この作品は、ヒトラーが所有し、オーストリアの岩塩鉱山に隠匿していたことでも知られるのだが、「18世紀のはじめにはウィーンのゲラルト・ファン・スウィテン男爵のもとにあり、それが息子のゴットフリート・ファン・スウィテンに渡ったことも確認されている。そして、1813年、ヨハン・ルドルフ・ツェルニン伯爵がデ・ホーホの絵として購入した。」と書かれていた。

年代・地名・地位的に見てもこのゴットフリート・ファン・スウィテンが、音楽史的にはモーツァルトやベートーヴェンのパトロンであり、ヘンデルや当時ほとんど忘れ去られていた大バッハのコレクター・愛好者として知られるゴットフリート・ヴァン・スヴィーテン男爵 Gottfried van Swieten(1733-1803) と同一人物であろうと思い調べてみたら、英文Wikipediaに

Van Swieten owned a Vermeer, the famous "Art of Painting", which he inherited from his father. At the time it was not known that the painting was by Vermeer.

というまさにそのものずばりの記述があった。

音楽史と美術史は、並行的には動いてはいるのだが、愛好家や評論家という点ではあまりクロスすることが無いように感じている。この例とて、父親のスヴィーテン男爵が入手したものを子のゴットフリートが相続したのだろうから、音楽愛好家と美術愛好家の接点というにはあまり適したものではなかろうが、それでも少し珍しいように感じて記事にしてみた。

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2012年6月30日 (土)

腰痛で休んでいた間に読んだ本

月、火は何とか出勤したが、腰痛から足がしびれる感じがあり、水曜日から腰痛が悪化したため、木、金と仕事を休んだ。まだ腰の違和感はあるが、ようやく今日あたりから動けるようになった。その間、妻が図書館から借りてきた最近の小説を仰向けになって読んで過ごした。

多少ネタバレを含むため、ご注意を。

◆葉室麟『蜩ノ記』(祥伝社) 平成23年11月10日初版第1刷、平成24年2月25日第10刷

 一気に読み進められた。面白かった。欲を言えばかたき討ちのシーンは、微妙だった。また直木賞ということで、逆に期待をしていなかったが、読む価値はあった。

◆森晶麿『黒猫の遊歩あるいは美学講義』 (早川書房) 2011年10月20日印刷 同10月25日発行 (第1回アガサ・クリスティー賞)

 書名からストレートに連想できるようなペダンチックな内容。E.A.ポーの小説を下敷きにした短編推理小説。つまらなくは無いが、主人公の若き教授と助手役の女子大学院生のキャラクターが少々弱く感じた。

◆中田永一『くちびるに歌を』(小学館)

 五島列島の中学校の合唱部をテーマにした小説。主人公のASDの兄のエピソードが印象に残る。文章や構成などは少し未熟(読みにくい)だが、題材的に感動的な青春小説だった。補助のピアノ教師の人物造形が少々類型的もしくは現実感が薄いか?

◆原田マハ『楽園のカンヴァス』(新潮社)2012年1月20日発行 2012年6月16日11刷

 これは題材的にも、ストーリー的にも面白かった。特に近代絵画に興味のある人(ちょうど、『ギャラリー・フェイク』ファン)にはどっぷりと嵌れる内容だと思った。設定的な不自然さは少々感じないではなかったが、ある画家への愛情あふれる作品だと思った。

◆東野圭吾『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)平成24年3月30日初版発行

 ドラマ『秘密』の人気作家の新作らしい。ほとんど読んだことがないが、さすがに読みやすい文章と凝った構成、設定だと感心した。ファンタジー(現実にはあり得ない)的設定の現実を舞台とした人情物語だが、それなりに面白かった。

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追記

◆有川浩『三匹のおっさん』(文春文庫)、『三匹のおっさん ふたたび』(文藝春秋社)

これを読んだのを忘れていた。スイスイ読めて面白かったのだが、妻がすぐに図書館に返却してしまったため。有川浩の作品は結構読んできており、多彩な小説家というイメージがあるが、これも未だ十分に若さが残っている還暦過ぎのシニア世代を主人公群にした物語で、現代世相をうまくすくいとっているものだった。横丁の寅さん、熊さん的であり、小市民的冒険活劇的であり、舞台は現代だが、昔風のテレビドラマを見たような既視感があった。

 

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2012年6月 1日 (金)

古代、中世の馬の体格

今日から6月。衣替えなのだが、数年前から6月以前にクールビズは始まることになっていて、今年は今日からはスーパークールビズとかいうものらしい。

さて、またもや半可通の思いつき記事なので、ご容赦を。

R0011601_2 (東京国立博物館 平治物語絵巻 六波羅行幸より)

『銃・病原菌・鉄』での、大型哺乳類の家畜化の考察は面白かった。アフリカ大陸のシマウマが、なぜ現在家畜となっているウマと同様に家畜化されなかったのか、など、現在家畜化されていない大型哺乳類のどこに原因があって家畜化ができなかったかについての考察が述べられている。

さて、幸運にも家畜化され、日本にも古墳時代にユーラシア大陸から移入されたウマだが、それ以来の?在来種としては長野の木曽地方に伝わる中型種のキソウマなどが知られている。このウマはチンギスハンのモンゴル軍団によるユーラシア大陸征服の原動力となったモンゴルのウマに近いとも言われている。

既に「動物考古学」ではある程度研究結果が出ているようで、新田義貞の鎌倉攻めの遺跡?から発掘された馬の骨から、木曽馬程度の中型種だったことが分かってはいるらしい。

そこで、一般的には在来種があれほど小さいのだし、当時の日本人の体格が平均的に小さかったので、現代の映画やドラマで描かれるアラブ系の脚が長い大型の馬のようなものではなかったのではないかとされる。

しかし、先月見た平治物語絵巻にしても、吉備大臣入唐絵巻(中国の馬?を写実的に描いたとは思えない)にしても、馬と人とのサイズのバランスは、脚が太く短く、背の低い木曽馬のようなものでは無く、馬は十分に大型だったように見えた。牛車も多く描かれているが、牛に比べても馬のサイズ(背の高さ)は高いようだ。また、伝足利尊氏の騎馬像とされる髻を切ったざんばら髪の武者の画像 にみられる馬も、十分に大型だ。ただ、上記のキソウマのサイトにみられる絵の馬の背の高さは、成人男子に比較してやや小さい。

古代の信濃や武蔵の官営牧などで飼育されたウマ、平安、鎌倉武士たちが好んで乗ったウマの体格は本当に小型だったのだろうか?また、武田の騎馬軍団の馬、信長の馬揃いの馬たちはどうだったのだろうか?

動物の家畜化による形態変化は、オオカミの家畜化によるイヌの例が顕著で、チワワからセントバーナードやピレネー犬までのサイズが生物史的には比較的わずかの期間で達成されている。

ウマの場合でも、家畜化による形態変化は大きいものがあったのではなかろうか、などとも思ってみる。

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2012年5月10日 (木)

辻惟雄『奇想の系譜 又兵衛―国芳』(ちくま学芸文庫)

先日の東博のボストン美術館展では、伊藤若冲の作品は数点しかなかったが、それまで名前も知らなかった(ポスターの漫画的な龍の画は誰のものだろうと思っていたほど)曾我蕭白の作品が第2室の最後の方に大作がまとめて10点ほど展示されており、先の記事でも書いたが、初めて見たときには『久米仙人図屏風』などの奇怪な面相が違和感を強く感じさせる画風で抵抗感があり、なぜこのような画家の作品が大量に飾られているのか不審に思ったほどだったが、『商山四皓図屏風』の骨太な線とユーモラスさは好感をもった。緻密な山水画などや、ポスターにもなった巨大な龍の襖絵など、とにかくスケールも緻密さも併せ持った巨大な画家であるという印象を持った。

若冲の方は、近年展覧会も多く、テレビや一般向けの雑誌などでも取り上げられるので、それこそ我が家も含めて女子供でも知るようになった著名な画家になっているが、蕭白については今回の展覧会が初めてでみな一様に衝撃を受けたような面持だった。

そこで、東博地下のミュージアムショップで売られていた新潮社のとんぼの本シリーズで、伊藤若冲と曾我蕭白(狩野博幸著)を購入してきた。

R0011726R0011727

R0011725 その中で、辻惟雄(つじ・のぶお)『奇想の系譜』(1970年)でこの二人が取り上げられて近年の再評価につながったと書かれていたので、調べたところ、ちくま学芸文庫版が入手可能ということで、書店で購入してきて、一気に読み終えた。上記の二人以外は、先日テレビで紹介番組を見て猫のような虎の襖絵が気に入った長沢蘆雪も取り上げられていて、なるほどと思った。他には、岩佐又兵衛(信長に叛旗を翻した荒木村重の妾腹の子で、江戸初期には松平忠直にも仕えたという人物)、狩野山雪、歌川国芳。

脱線をも恐れない執拗とも言えるエネルギーは、通俗的な解釈ではあるが、縄文時代の土器、土偶を連想させるものがあるように思った。若冲も蕭白もいずれも大変なヴィルトゥオーゾであり、その強烈さは胸焼けがするほどで、特に蕭白にそれが著しいように思う。もしそれが可能だとしてもとても自宅に飾るようなことはできないだろう。

今回の東博でも平成館一階の考古学展示を見てきたのだが、特に土器では、縄文時代に比べると、弥生時代、土師器須恵器はより薄く、固く、実用的にはなっていて、プロポーションの整った落ち着いた美しさもあるのだろうが、ぐっと興味が薄れてしまい、近世の古伊万里など、中島誠之助氏など「いい仕事ですね」を連発しそうな名品でもまったく興味がわかなくなってしまうといういつもながらの鑑賞だったのだが、特に蕭白に感じる過剰さ、異形ぶりへの違和感と興味はどうも縄文への興味関心と似たところに肝があるように感じたのだった。

昨年の出光美術館の展覧会は、風流であり古雅であり過ぎてよさがわからなかったが、この春に見ることができた、雪舟、応挙(「鯉魚図」三幅、登竜門の滝登り)を初めとして、東博本館とボストン美術館展で、すっかり日本の古い絵画作品にも興味がわいてきた。本物の持つ迫力に中てられたのだろうか?

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2012年5月 6日 (日)

スクロールと絵巻物 ボストン美術館 里帰り展(東京国立博物館)

5月5日の子供の日は、梅雨時末期のような大雨一過の「皐月晴れ」(衒学的には違うけど)となった。

せっかくの好天ながら、孤独のグルメ+美術館めぐりという最近の恒例のようになった家族小旅行で、5月4日に蒲田餃子+東京国立博物館に行き、その疲れで、体を労わる日となった(要するにグダグダしていただけ)。

R0011581 5月5日の夜の月は、スーパームーンと言われるらしく、月が地球を公転している軌道の中で近地球点(というのだろうか?最も地球に近づいた時)にあたり、普通の満月よりも相当明るいのだというが、確かに明るい月だった。その分引力(潮汐力)も相当強くなるようで、昨年の大震災の前にもこのスーパームーン現象があり、その関連性が取りざたされたことがあった。


さて、パソコン等では、スクロールする (scroll)という言葉が日常用語になっている。

Bostonmuseumfineart_ticket_2 この scroll という英単語だが、5月4日(金)のみどりの日に、東京国立博物館(東博)で開催中のボストン美術館展を見に行ったついでに、東博本館で展示中ということを聞いていた国宝平治物語絵巻「六波羅行幸」の方を先に見たのだが、その際の英語の説明に Scroll と書かれていて、ユーレーカ!となったのだった。何かが分かった-知っていること同士が結合した-ときの知的興奮というものは、まことにいいものだ。

辞書によると Scroll は、 Roll と同じ語源で、巻いたものという意味があるようだ。それでコンピュータのスクロールも、ちょうど巻物を見るように上下、左右に「巻きながら」見るという動作から来ているらしい。

今月は、これまで見たことのないようなScroll の傑作、名品を連続してみる機会に恵まれた。

一つは、つい先日の4月29日に鑑賞したサントリー美術館の毛利家の至宝に含まれていた雪舟の「四季山水図」

次に、今回見ることができた東京国立博物館の本館で展示されていた「平治物語絵巻 六波羅行幸巻」。

そして、今回ボストン美術館から里帰りした「吉備大臣入唐絵巻全巻」と「平治物語絵巻 三条殿夜討巻」。

久々に訪れた東博でもあり(前回は国宝阿修羅展)、平成館の特別展は相当混雑しているとのことだったので、まずは本館をじっくりみることにした。(東洋館は残念ながら工事中とかで閉鎖中。耐震工事などだろうか?)。なお、現在、世田谷の静嘉堂文庫美術館(三菱の岩崎家の宝物館)でも所蔵の平治物語絵巻が公開されているとのこと。

信西(高階通憲)・平清盛と藤原信頼・源義朝が争った平治の乱を描いた合戦絵巻の傑作、「平治物語絵巻」の現存する3巻が、この春、東京で揃って展示されます。またとない貴重な機会ですので、ぜひ3巻あわせてご覧ください。
・当館所蔵の「信西巻」(上図はその部分)は、本展前期にて展示(4/14~5/20。但し巻き替え  を行ないます)
・ボストン美術館所蔵の「三条殿夜討巻」は、東京国立博物館での特別展「ボストン美術館  日本美術の至宝」にて展示(3/20~6/10)
・東京国立博物館所蔵の「六波羅行幸巻」は、同館の本館2室・国宝室にて展示(4/17~5/27)

R0011597_3 本館2階は、日本美術史の流れをテーマに、長岡市出土の火焔型の縄文土器が出迎えてくれ、その後に、この5月27日まで展示されている平治物語絵巻 六波羅行幸を見ることができる。

先日見る機会を得た雪舟の大作の巻物に比べて、こちらは絵巻物であり、また著名な歴史的事件を題材にしていることもあって、分かりやすい。現代、爛熟を極めている日本の漫画、アニメーションのはるかな源流として、鳥獣戯画がよく挙げられるが、劇画としての源流には、これら戦記物の絵巻が源流になるのではなかろうかと思われるほど、緻密、精細であり、牛馬の躍動感、人物たちの多彩な容貌と表情、ポーズ、武者たちの鎧兜の縅の色の鮮やかさ、細やかさなど、まったくもって素晴らしいものだった。芸術的な感激とは異なるだろうが、絵巻物(Scroll)がこれほどのものとは、やはり実物を見ることで体感できる類のものだろうと思う。

H24_national_treasures その他さまざまな展示のある二階をぐるっと見て回った後には、平成24年に国宝・重文に指定された日本各地の重要な美術品が集められて展示されている特別室があり、その中にはなんと先日「電脳郊外散歩道」ブログの記事にコメントさせてもらった山形県の縄文時代の土偶の女神像の実物も展示されていた。写真でもその造形と欠損がほとんどない保存の素晴らしさは感じられていたのだが、実物の迫力は圧倒的だった。

ただ、この舟形町西ノ前遺跡出土の土偶も「縄文のビーナス」と称されることが多いようだが、長野県の茅野市棚畑遺跡出土で先に国宝に指定されていて「縄文のビーナス」と呼ばれていた土偶(これも現地の尖石遺跡での展示を見に行ったことがある)との混同が生じそうなので、呼び分けが必要ではあるまいか? 

この部屋は全面的に撮影禁止(基本的に東博所有のものは撮影禁止ではないが、個人所有、他館からの貸し出しなどで、所有者の了解の取れていないものは原則禁止のようだ)となっていた。新しく指定されたとは言え、他にも一階の特別室にも素晴らしい仏教彫刻等が多く、どうしてこれがこれまで指定されていなかったのだろうと思うようなものもあった。特に地元神奈川県のものが今回数点新たに重文指定されていたのは新聞記事で読んではいたが、実物が見られるとは思っていなかったので、不意打ち的で興味深かった。中でも、鎌倉の建長寺の開祖である蘭渓道隆の肖像彫刻は非常に見事なものだった。

本館でじっくり見学していたらあっという間に16時半になっており、17時で特別展の終了時間ということでうっかり見逃すことになりかねないと慌てて平成館の方に移動したところ、この日は金曜日で、なんと夜の20時まで観覧できるというアナウンスが流れていてほっとした(どうもスマートな鑑賞にはならない)。
Bostonmuseumfineart_face_3

通常の順路は第一展示室の方からで、こちらに絵巻物が展示されているのだが、まだ相当混雑しているようで、係の女性も大変込んでおりますとアナウンスしていたので、先に第二展示室から見ることにした。
Bostonmuseumfineart_back

このパンフレットにあるように、垂涎の名品が里帰りしており、目玉の絵巻物以外にも見ものは多く、この展覧会前には知らなかった曽我蕭白の作品が数多く展示されており、とても奇異な日本画だと最初は違和感を覚えたが、再度見直してみると非常に面白く感じた。

18時ごろに第一展示室に戻ると、混雑も相当緩和されていて、結構悠々と鑑賞できたが、さすがに絵巻物の展示では数珠つなぎ状態での見物を余儀なくされた。しかしむしろ牛歩のようなそのスピードが鑑賞には適しており、伴大納言絵巻と並び称される吉備真備の遣唐使行を題材とした奇想天外な超人伝奇譚的な絵巻には、劇画というよりもユーモラスな余裕が感じられ、大変面白かった。周囲の鑑賞者の人たちも楽しんでいるのが分かる感じだった。

平治物語絵巻は、藤原信頼と源義朝による後白河院の御殿の襲撃と拉致の様子を描いた部分であり、ちょうど放送中の大河ドラマ「平清盛」では、清盛が絶対的な権力を掌握する要となる事件でもありこれからの放送が待たれる場面なのだが、よく教科書にも載せられる地獄の業火のような火焔のすさまじさの場面や、戦の凄絶、残酷な場面なども、人物に動きは感じられないものの、やはり精緻、詳細に描かれており、その技術や構成力のすごさを思い知らされるものだった。保存状態も驚くほどよかった。

なお、地味ながら非常に貴重な仏教画としては、東大寺の法華堂(あの有名な日光月光菩薩像の安置されている三月堂)の曼荼羅図という8世紀制作のものも展示されていたのには驚いた。東大寺のような大寺院にも廃仏毀釈が及んでいたのだろうか。

先に読み終えた『夜明け前』第二部は、廃仏毀釈を行った側について多く触れられていたのだが、その裏面では、フェノロサ、ビゲロー、岡倉天心らの努力により、このような貴重な傑作が残されたということも忘れてはならないだろうと思った。これは大英博物館的な文化財略奪とは異なるものではあるだろう。

考古館の展示も久々に見て、本館に戻り外に出ると雨は上がっており、5月5日のスーパームーン前夜の月が皓皓と白く光っていた。

(20時閉館前の東博正面)

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追記:5月6日  NHKのEテレの日曜美術館が、今回のボストン美術館展を特集したのを見た。実際に見たり、見逃してしまったものを放送で見るというのも面白いものだった。なお、岡倉天心について触れないのは不思議だった。

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2012年5月 1日 (火)

毛利家の至宝 国宝 雪舟の「四季山水図」 サントリー美術館

黄金週間。今年は、カレンダー通りだと5月1日(月)、5月2日(火)の平日で区切られた前半3連休、後半4連休となるが、この平日2日を年次休暇とする人の場合、なんと9連休という長期休みとなるのでうらやましい。

今年になって子ども達が幼かった頃の博物館(ミュージアム)詣りの習慣が久々に復活したかのように、昨日昭和の日4月29日(日)には、また美術館に出かけてきた。「春過ぎて夏来たるらし」のごとく、一挙に初夏の陽気となり、上着を脱ぎ、腕まくりをしながら井之頭五郎の沖縄料理の店が実在するのだろうかと東口側の路地を歩き、結局は見つからず、昼食は熱いものより冷たいものをということで入った中目黒のつけ麺の店(三ツ矢堂製麺)は、満員の盛況だった。

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この4月の初めの国立新美術館でのセザンヌ展に続いての六本木行きで、今度の行き先はこの前美術館に行くときに通って、帰り立ち寄った富士フィルムのミュージアムのあるミッドタウン内のサントリー美術館。そこで開催中の「毛利家の至宝」展を見てきた。(今回も大人は無料招待券だったが、高校生はクーポン割引で900円。中学生はここも無料)

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この防衛庁跡地の再開発地区の「ミッドタウン」は、江戸時代には長州藩の毛利家の下屋敷(といっても上屋敷が手狭になったため、実質的にはこちらが藩主とその家族の江戸での住居であり、実質的には普通いわれる「上屋敷」として使われたらしい)があった場所ということで、そういえば明治の海軍は薩摩であり、陸軍は長州と呼ばれたように、旧長州藩閥主導の陸軍創設(村田蔵六=大村益次郎、山県有朋、桂太郎の流れ。児玉源太郎、乃木希典などを輩出)だったがために、廃藩置県にあたり旧長州藩の屋敷を接収して、陸軍の歩兵第一連隊の駐屯地としたものではなかろうか?

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今回の展示は、そのミッドタウン竣工の5周年を記念して、旧毛利屋敷の縁により山口県防府市の毛利博物館が所蔵する主要な宝物を借り受けて展示したものだという。国宝、重要文化財が数多く、歴史や古美術に興味のある向きにはとても魅力的な展示だと思った。

白眉は、雪舟等揚作の大作国宝「四季山水図」(山水長巻)で、16メートルもある長大な巻物の隅から隅までが展示され、じっくりと鑑賞できたのは、まことに貴重な体験だった。

水墨画の良しあしはよく分からないが、一緒に見ていた次男が、建物などは平面的な描き方ではない一種の遠近法が使われていることに関心していたように、立体感があり、また遠景と近景は(これこそが水墨画の真骨頂なのかも知れないが)、遠景を「空気遠近法」的に描き、近景はくっきりと克明に描いているのが感じられもした。また、人工的な建築物などの描線はフリーハンドではなく、定規のようなものを使用しているのではないかとも見てとれたりもした。雪舟のどこがどのように優れているのかは、日本画の鑑賞眼が無いためよく分からないのだが、優れた眼を技術を持った画家ということは何となくわかった。中国の山水や人々の四季を描い、長い絵巻物ではあるが、その画面の移り変わりは実に自然で、その風景の中に溶け込むような幻想をも見る心地がした。

    山水長巻を紹介しているホームページ

その他、毛利家の家宝毛利元就の三矢の教えのもととなったような教訓状徳川家康の防長安堵状(起請文)などの貴重な古文書や、毛利家の祖とされる鎌倉時代の頼朝政府の官房長官的な役職(政所の別当)を務めた大江広元の大江家に関係のあるというような注釈がつけられた平安時代の史記の写本など、さまざまな書画骨董や武具、衣装、茶道具、什器などが展示されていたが、興味深い展示としては、足利義満が明の皇帝から日本国王に封じられたという、「義満さん、いくらビジネスのためのお墨付きがほしいとはいえそれはへりくだり過ぎでしょう」とか、「天皇になろうとした将軍」とか言われる元になった、「日本国王」の木の印鑑が、大内氏を経て毛利氏が受け継いで、家宝としていたとのことで、それが展示されていたのが面白かった。

昨年の出光美術館の雰囲気のことを先日辛口に書いたが、同じ古美術系でもサントリー美術館は、本業が扱っている商品がコンシューマー向けで企業イメージを重視し、また大阪商人系ということもあるのだろうか、係員の応対も品よくスマートで、気持ちよく鑑賞することができた。

混雑度は山水長巻のところが渋滞気味だったが、混雑というほどではなかった。3階からエレベーターで4階に昇り、そこから順路となっているのだが、一緒にエレベーターで昇ったグループとタイミングをずらせば、ゆったりと鑑賞できるように思う。

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地下鉄日比谷線の六本木駅への帰路に立ち寄った六本木ヒルズも、数年前に話題になった再開発地区だが、漫画の「ワンピース展」も行われていることもあるのか、まだ人々を引き付ける引力があるのか、ミッドタウンの落着きに比べて、少々雑然とした雰囲気だった。円形の巨大ビルで、丘(Hill)の地形を使っているせいもあるのだろう、初めての者には位置関係が把握しにくく、周囲をぶらぶらと歩き、テレビ朝日社屋のエントランスを見物して早々に退散した。

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2012年4月27日 (金)

出光美術館と桜田門、法務省旧館(米沢藩上杉家藩邸跡)

4月26日に東京地方裁判所で当否は別として政治的に注目すべき判決が出され、よかれあしかれ今後の政局に大きい影響を与えそうだ。

その東京地裁の建物の映像を見ていたら、昨年の10月に出光美術館に行ったおりに、皇居の桜田門を通過して、霞が関の官庁街から日比谷公園経由で新橋駅まで歩いたことを思い出した。そういえば記事にしていなかったと思い、何枚か写真をアップ。

出光美術館は、この前の国立新美術館と同じくやはり新聞店から抽選でもらったチケットがあったので、初めて行ってみたのだった。帝劇と同じビル内にあり、その最上階に狭いエレベーターで昇るのだが、ビルが非常に古く、また天井も低いため狭苦しさを感じる美術館だった。公立の美術館に比べて、係員もあまり感じがよくなかったのは、気のせいだろうか?

展覧会は、「大雅・蕪村・玉堂と仙厓」というもので、日本人ながら西洋美術に比べて馴染みが無いこともあり、池大雅、与謝蕪村、浦上玉堂、仙厓義梵というビッグネームの書画だったが、あまり面白味を感じられなかった。蕪村の俳画の実物を見ることができたのはそれなりに感慨深いものがあったけれど。ルオーやムンクの作品が常設展示されていた。

美術館から出て、二重橋方面に向かった。

(お堀から日比谷方面を望む:左端の低いビルが帝劇と出光美術館だったと思う)

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(皇居桜田門から見た警視庁庁舎=通称桜田門)

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(同じあたりから遠望した国会議事堂)

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(法務省旧本館の案内看板)

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(米沢藩上杉家江戸藩邸跡の案内札)

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(法務省旧本館、その右に見えるビルが東京地裁・高裁)

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2012年4月26日 (木)

攻略英語リスニング Lesson 3 The Works of Escher

本放送 4/21(土), 4/22(日)は、以前展覧会で実際に見たこともあるエッシャーが題材になっていた。

母国語でも聞き取れはしても、その内容が理解できているかどうかは、聞き取った方の年代、バックグラウンドなどにより千差万別だろうと思う。哲学や法学の講義はもとより、最新の専門用語が連発されるネットワーク系の話題などは、一般人にとっては非常に敷居が高いもので、言葉は聞き取れても、詳細な意味の理解となると別の問題になる。

この英語教材は、今年からNHKの語学番組が尺度として用い始めたCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)のレベル分けでは、B2にあたるものだという。難易度から言えば、上から三つ目で、「社会生活上の幅広い話題を理解して、自然な会話ができる」というもの。ちなみにその上のC1は、「複雑な話題を理解して、明確で論理的な会話ができる」、最上レベルのC2は「あらゆる話題を理解して、細かい意味の違いも表現できる」となっている。

さて、今回の題材自体もある程度の予備知識はあるものだったが、ディクテーションの修正箇所は結構多かった。

今回は、書き取り原稿はテキストエディターで入力し、修正はワードで修正履歴管理ができるようにしてみた。

  1. informative という形容詞が聞き取れなかった
  2. plants は prints だった
  3. woodcuts and lithographs が聞き取れなかった
  4. surreal が聞き取れなかった
  5. playing tricks with が聞き取れなかった
  6. more of a が Moreover に聞こえた
  7. I guess this が against に聞こえた!
  8. and he was が any に聞こえた
  9. infinity が聞き取れなかった
  10. tessellations が聞き取れなかった
  11. by Moorish が more に聞こえた
  12. unexpected influence が聞き取れなかった
  13. All in all が All we know に聞こえた
  14. worth checking  が we'd check in に聞こえた
  15. your head spinが your head ben のように聞こえた

予備知識と含めて、7,8割の情報は聞き取れてはいるのだが、それでも上記ほどのエラーがあると、まだまだだめだろう。

3は版画の技法で、日本語としては当然知っているが、聞く英語だとすぐにはぴんとこない。
4も読む英語では知っているが、聞く方ではだめだった。5はフレーズ。9も読む方では当然の単語だが、聞き取れず。10は専門用語の一つで、身近な英和辞典では市松模様、碁盤の目状の配列となっている。エッシャーが研究し得意とした平面の正則分割のことだ。11はアルハンブラで思い出すべき言葉だが、やはり聞く方ではだめだった。15も spin という言葉が思い浮かばなかった。

それでも、できるところまで自分の力で聞き取り、正誤をきちんと把握してあいまいさを無くすことで、それ以降の同じ文の聞き取りはすっかり楽になる。これは効果があるようなので、このまま続けていきたい。

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