カテゴリー「教育」の100件の記事

2013年10月10日 (木)

NHK 下期のテレビ英会話 「しごとの基礎英語」

以前別のブログで、少々先駆的かと自負していた写真と俳句や短歌をコラボするもの(doblog 身近な風物を写し俳句和歌を詠む2005年閉鎖)をやっていた。

そこまでの手間はかけられないが、先日からほんの真似事で俳句を作り始めた。

三日月を友に歩ける秋の宵

さて、表題のテレビ番組、

https://cgi2.nhk.or.jp/gogaku/english/jobkiso/

は、とてもユニークな英会話講座だと思う。

去年、今年前半の「おとなの基礎英語」もドラマ仕立てで新鮮なものだったが、ドラマの設定が少々現実感を欠くようになってきたように感じてきて、録画しておいた番組も次第に見なくなってしまった。

下期の講座にあたる今回の番組では、篠山輝信(しのやま あきのぶ、写真家の篠山紀信と南沙織の息子)が「人身御供」となり、本当にそのような役割を強いられているのかかどうか分からないが、ある会社の会社員役の篠山氏だけには台本が与えられず、周囲の英語環境の中で、いきなり投げかけられる「しごと」で使える英会話をしなければならないというミッションが与えられ、いわゆるアドリブで英語での応答をする、というもの。

その動画を見ながら、篠山氏とレギュラーコメンテーターがやり取りをして、最後にあの「一億人の英文法」の大西教授が解説者になり、適切な受け答えを示す、というスタイル。

視聴者が、ロールプレイング的に登場人物になりかわり一緒に考えられるというのは、これまでになくユニークだ。

台本なしでの、英語でのアドリブ演技というと、いわゆる「いじり」のたぐいにも思えるが、篠山輝信はよくやっている。

ただ、これから彼が場を重ね経験を積んでいき、さらには番組外で英語力を磨くことで、「正解」連発になったりすると、視聴者のサンプルとしての意味合いが少しずつ薄れてしまうのではなかろうか?また、「演技」でわざと「不正解」を入れたりすると、それも目の肥えた視聴者には見抜かれてしまうのではなかろうか?

英語の学習とともに、その意味でも面白いかも知れない。

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2013年9月11日 (水)

「一億人の英文法」のTOEIC効果

2012年8月18日 (土) 「攻略 英語リスニング」の効果実感 TOEIC リスニング では、リスニングの能力が、集中リスニングトレーニングでも高まることが実感できた。

リスニング:445/495点  リーディング:425点/495点  合計 870点/990点

2月のIP試験は、廊下から聞こえてきた話し声に集中力を妨げられて、リスニング、リーディングとも散々の出来だった。

今年高校に進学した次男に英語がまともに教えられるのを確認するために、高校の英文法の参考書を何冊か購入したが、その中で一般向けの「一億人の英文法」が、面白そうなので読み始めたところ、これが英語という言葉の構造を、文法用語を駆使せずに、特に語順というものが持つ意味によって徹底的に解説したもので、ある程度英語を勉強してきたものにとっても目から鱗的な内容が多く、刺激的だった。10日程度で読了してほしいとあったが、それは無理としても半月程度で読み終えた。

昨年の8月以来、リスニングトレーニングからは離れていたのだが、今回は、それほど自信は無かったにも関わらず、

リスニング:455/495点  リーディング:440点/495点  合計 895点/990点 というスコアを取ることができた。

リスニングは、まったく自信が無かったが、聞こえた内容を、理性よりも感覚で把握したような気がする。

リーディングは、やはり上記の英文法の語順理解が効いているように思う。ただ、能力別の得点では、あまり勉強していないのがばれるのだが、語彙の理解が73%だったのが、失点の要因だったようだ。

どうやら、語学力は、知命を過ぎても向上できるもののようだ。

p.s. ぺんてるのマークシートシャープ(1.3mm)は、使いやすい。軽く一筆でマークができるので、筆記用具を気にすることなくテストに集中できるようだ。

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2012年8月18日 (土)

「攻略 英語リスニング」の効果実感 TOEIC リスニング

「攻略 英語リスニング」を4月と5月初めまで真面目に取り組んでいたのは、このブログでも記事にしたが、その後熱意が消えてしまってパッタリとやらなくなってしまった。

2012年4月16日 (月) NHK 英語講座 ラジオ、テレビの感想

2012年4月21日 (土) 攻略!英語リスニング に挑戦中

2012年4月26日 (木)  攻略英語リスニング Lesson 3 The Works of Escher

2012年5月 3日 (木) 攻略英語リスニング Lesson 4 The Colors of the Rainbow

しかし、熱意があったころに申し込んであったのだが、7月下旬に前回の受検から1年半ぶりに受けたTOEICの団体特別受験制度(IP:Institutional Program)テストのリスニングのスピードがこれまでに比べてものすごくスローに感じ、そのことで余裕が持てたこともあり、過去受検の中では、リスニングは最高点を取ることができた。445/495点。5月以来ずっとサボっていたにしては、速いスピードのモノローグではあったがシャワー効果は大きかったようだ。やはりスピード感のあるリスニングで負荷を掛けるのは、慣れという点が大きかったのだろう。

さらに、このリスニングではディクテーションによって完全な聞き取りを目指してはいたのだが、それが達成できなくてもある程度意味は分かるのだというふうに考え方を少し変えたのも得点には効果があったかも知れない。

母国語でも会話での聞き取りは完全とは限らず、ニュアンスやコンテキストで判断することがあるので、英語での会話も、完全に聞き取れなくても何の話題かを感覚で捉え、その印象に素直に従うようにしたことが、この結果にもつながっているように感じた。ただ、一つの会話で複数回答を求められる短期記憶が必要なものがあり、若い頃と異なり短期記憶が衰えた年代では、苦しいだろう。今回は結構頭が冴えていたのでよかったが。何しろ問題用紙にメモを取ることは禁じられているので。

一方、リーディングの方は、前回の受検時に回答時間が不足した反省もあり、初めからフルスピードで飛ばしたが、終業後の2時間続けの受検ということもあり、脳のエネルギー不足や集中力不足も影響があったかも知れない。あまり良くなかった。425点/495点で、過去最高には近いが、改善の余地はあった。この試験は問題集が回収されてしまうため、テスト後の復習ができず、リーディングのどこが間違っていたのかが確認できないのが難点だが、分野別では、得点シートでは文法が少々よくなかった。これは不勉強がたたっているのは歴然としている。

まあ、それでもこの年齢になっても、多少なりとも向上が達成できたのは、それなりに嬉しいものだった。

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2012年7月17日 (火)

リーダーの決断 (滋賀県 大津市長)と『沈黙の町で』の終了

梅雨が明けた。

http://book.asahi.com/special/okudahideo.html

奥田英朗という小説家の『沈黙の町で』が2011年5月7日から朝日新聞の朝刊で連載され、2012年7月12日に終了した。時間も当事者視点もジグザグを繰り返しながら、ある町で起こった中学生に関わる事件(ある男子生徒が転落事故で死亡し、それがいじめによる自殺と推定されて容疑者と目された中学生たちが逮捕された)を巡る人々を描いていた。一つの事実を巡った「藪の中」的な内容であり、勧善懲悪的に溜飲の下がるような解決に至らない場面で、最後はあっさりと終了された。

さて、いじめ自殺事件でニュース報道の焦点となっている滋賀県の県庁所在地大津市の市長(越という若い女性の市長)が、当の中学校及び大津市の教育委員会のこの問題への対応を批判して、自殺した生徒の両親との和解と第三者による調査を決断した。この市長は、いじめ自殺事件が発生した当時は、まだ市長職についておらず、当選後つい最近まではこの決断にいたってはおらず、大津市の教育委員会側は、民事訴訟で「いじめのあった事実」の挙証責任は両親側にあるという冷酷な法理を突き付けていたことも報道されていた。全国的な報道の圧力もあったのだろうが、市長がそのように表明したことで、それまで両親からの事件としての捜査要請を蹴ってきた滋賀県警察も中学校、教育委員会の捜査に入ったという(これによって市長が指示した第三者による調査に困難をきたすようだが)。

リーダーには祭り上げられた調整型のリーダーと、上意下達型のリーダーがいるが、日本のリーダーはほとんどが前者であり、関係者の利害を調整しながら、ことが大きくならないように図る傾向がある。今回も当初は、中学校、教育委員会とも責任があることは明白でありながら、うやむやにして誰も責任を取らなくてもよいように動いていたのだろう。民事訴訟に見られた教育委員会の強気の姿勢には、警察が捜査しなかったことも背景にあったのかも知れない(教育委員会は家庭問題もほのめかしているが、数十万円もの金銭が使途不明で被害生徒が持ち出したのは、普通に考えれば恐喝ではないのだろうか?)。

これが、市長というリーダーの姿勢の転換によって一挙に覆った観がある。これまで、都道府県知事の国の決定に逆らえる意外なほどの権限がクロースアップされてきたが、市長の決断によっては、事態が大きく変わるということが分かった。今後、この女性市長には内部的にはさまざまな困難が待ち受けるのだろうが、自殺にまで追い込まれた生徒の無念を晴らすという正義が行われることは大きな意味がある。

特に警察署までもが加担している公務員層の裏金のような業務上横領事件の例のように刑事的にも民事的(自主的な返金、利息払いのことは聞いたことがあるが、損害賠償請求が起こされたことはあったのだろうか?)にもあまりにも正義が行われないことが、社会に大きな影響を与えてきた。明らかに悪いことがうやむやにされている。おそらく今回も、関係者の保身的な動機が事態解明の障害になったのだろう。

さて、この報道に影響されたかのように、陰湿ないじめの実態が報道され始めてきた。埼玉県では、いじめ自殺での民事訴訟に、いじめ被害者側の原告敗訴の判決が出された。今回の事件が契機になり、社会正義の実現の方向に梶が切られることを望みたい。

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2012年6月 1日 (金)

古代、中世の馬の体格

今日から6月。衣替えなのだが、数年前から6月以前にクールビズは始まることになっていて、今年は今日からはスーパークールビズとかいうものらしい。

さて、またもや半可通の思いつき記事なので、ご容赦を。

R0011601_2 (東京国立博物館 平治物語絵巻 六波羅行幸より)

『銃・病原菌・鉄』での、大型哺乳類の家畜化の考察は面白かった。アフリカ大陸のシマウマが、なぜ現在家畜となっているウマと同様に家畜化されなかったのか、など、現在家畜化されていない大型哺乳類のどこに原因があって家畜化ができなかったかについての考察が述べられている。

さて、幸運にも家畜化され、日本にも古墳時代にユーラシア大陸から移入されたウマだが、それ以来の?在来種としては長野の木曽地方に伝わる中型種のキソウマなどが知られている。このウマはチンギスハンのモンゴル軍団によるユーラシア大陸征服の原動力となったモンゴルのウマに近いとも言われている。

既に「動物考古学」ではある程度研究結果が出ているようで、新田義貞の鎌倉攻めの遺跡?から発掘された馬の骨から、木曽馬程度の中型種だったことが分かってはいるらしい。

そこで、一般的には在来種があれほど小さいのだし、当時の日本人の体格が平均的に小さかったので、現代の映画やドラマで描かれるアラブ系の脚が長い大型の馬のようなものではなかったのではないかとされる。

しかし、先月見た平治物語絵巻にしても、吉備大臣入唐絵巻(中国の馬?を写実的に描いたとは思えない)にしても、馬と人とのサイズのバランスは、脚が太く短く、背の低い木曽馬のようなものでは無く、馬は十分に大型だったように見えた。牛車も多く描かれているが、牛に比べても馬のサイズ(背の高さ)は高いようだ。また、伝足利尊氏の騎馬像とされる髻を切ったざんばら髪の武者の画像 にみられる馬も、十分に大型だ。ただ、上記のキソウマのサイトにみられる絵の馬の背の高さは、成人男子に比較してやや小さい。

古代の信濃や武蔵の官営牧などで飼育されたウマ、平安、鎌倉武士たちが好んで乗ったウマの体格は本当に小型だったのだろうか?また、武田の騎馬軍団の馬、信長の馬揃いの馬たちはどうだったのだろうか?

動物の家畜化による形態変化は、オオカミの家畜化によるイヌの例が顕著で、チワワからセントバーナードやピレネー犬までのサイズが生物史的には比較的わずかの期間で達成されている。

ウマの場合でも、家畜化による形態変化は大きいものがあったのではなかろうか、などとも思ってみる。

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2012年5月24日 (木)

池田清彦『新しい生物学の教科書』(新潮文庫)と福岡伸一『生物と無生物の間』(講談社現代新書)

R0011798_2

池田清彦『新しい生物学の教科書』(新潮文庫)は、2010年7月に苦労して読了した。こちらは、読者に対して高校卒業程度の生物科目の知識を求めるもので、盛りだくさんの上、記述も堅苦しく、ところどころ挟まるエッセイ的な検定教科書批判はわかったような分からなかったようなものでありつつある程度の面白さはあったが、肝心の記述は教科書的に読みにくいものだった。この本を読んで理解するためには、参考書・解説書の類が必要なくらいだと思った。

これに比べたら、ブルーバックスで出されているアメリカの生物学の教科書(カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書 第1巻 細胞生物学 )のようなものの方が、一般読者にとって有益だろう。

福岡伸一『生物と無生物の間』(講談社現代新書)は、最近購入して一日もかからずに読了した。こちらは大ベストセラーでロングセラーになるだけあり、私のような一般読者にとって読みやすい。野口英世のエピソードと現代の公平な評価については、この本が種本だったのか、どこかで読んだり聞いたりしたことがあったが、もの悲しささえ覚える偉人伝となっていた。

この福岡伸一氏は、最近銀座のフェルメールセンターを立ち上げたり、その関連テレビ番組に出演したりしているが、ボストンのハーバード大学でポスドクとして研究に従事していたときに、いつか見ようと思っていたボストンのイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館所蔵のフェルメールの『合奏』が強盗にあって見れなくなったことも書かれており、現在のフェルメール熱もポーズではないようだとも思ったりした。ニューヨークの通奏低音のエピソードなど、非常にエッセイとしても気が利いており、なるほどこれほど堅苦しそうな題名なのにベストセラーになったのも無理からぬとも思った。

以前利根川進と立花隆の「精神と物質―分子生物学はどこまで生命の謎を解けるか」をハードカバーで購入して読んだときに、インタビューながらさすがに難解だったので、その先入観があって、この『生物と無生物の間』は手に取らなかったのだが、それはあまりにも杞憂だった。

ワトソン・クリックの先駆者や、縁の下の力持ちとして知られずにいる女性科学者の話など、第一線の遺伝生物学研究にいる学者による現代生物学史として、とてもためになる本でもある。

この本によるとハーバードでの最後の研究は、福岡氏の生物への認識を深めたものの、「研究としては」成果が上がらなかった(ように思える)のだが、その代わりに、生命というものへの認識を素人にもわかりやすく教えてくれるこのような好著が生まれたのは僥倖であろう。エピローグの少年時代のとかげの卵のエピソードには感動させられた。

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2012年5月 6日 (日)

スクロールと絵巻物 ボストン美術館 里帰り展(東京国立博物館)

5月5日の子供の日は、梅雨時末期のような大雨一過の「皐月晴れ」(衒学的には違うけど)となった。

せっかくの好天ながら、孤独のグルメ+美術館めぐりという最近の恒例のようになった家族小旅行で、5月4日に蒲田餃子+東京国立博物館に行き、その疲れで、体を労わる日となった(要するにグダグダしていただけ)。

R0011581 5月5日の夜の月は、スーパームーンと言われるらしく、月が地球を公転している軌道の中で近地球点(というのだろうか?最も地球に近づいた時)にあたり、普通の満月よりも相当明るいのだというが、確かに明るい月だった。その分引力(潮汐力)も相当強くなるようで、昨年の大震災の前にもこのスーパームーン現象があり、その関連性が取りざたされたことがあった。


さて、パソコン等では、スクロールする (scroll)という言葉が日常用語になっている。

Bostonmuseumfineart_ticket_2 この scroll という英単語だが、5月4日(金)のみどりの日に、東京国立博物館(東博)で開催中のボストン美術館展を見に行ったついでに、東博本館で展示中ということを聞いていた国宝平治物語絵巻「六波羅行幸」の方を先に見たのだが、その際の英語の説明に Scroll と書かれていて、ユーレーカ!となったのだった。何かが分かった-知っていること同士が結合した-ときの知的興奮というものは、まことにいいものだ。

辞書によると Scroll は、 Roll と同じ語源で、巻いたものという意味があるようだ。それでコンピュータのスクロールも、ちょうど巻物を見るように上下、左右に「巻きながら」見るという動作から来ているらしい。

今月は、これまで見たことのないようなScroll の傑作、名品を連続してみる機会に恵まれた。

一つは、つい先日の4月29日に鑑賞したサントリー美術館の毛利家の至宝に含まれていた雪舟の「四季山水図」

次に、今回見ることができた東京国立博物館の本館で展示されていた「平治物語絵巻 六波羅行幸巻」。

そして、今回ボストン美術館から里帰りした「吉備大臣入唐絵巻全巻」と「平治物語絵巻 三条殿夜討巻」。

久々に訪れた東博でもあり(前回は国宝阿修羅展)、平成館の特別展は相当混雑しているとのことだったので、まずは本館をじっくりみることにした。(東洋館は残念ながら工事中とかで閉鎖中。耐震工事などだろうか?)。なお、現在、世田谷の静嘉堂文庫美術館(三菱の岩崎家の宝物館)でも所蔵の平治物語絵巻が公開されているとのこと。

信西(高階通憲)・平清盛と藤原信頼・源義朝が争った平治の乱を描いた合戦絵巻の傑作、「平治物語絵巻」の現存する3巻が、この春、東京で揃って展示されます。またとない貴重な機会ですので、ぜひ3巻あわせてご覧ください。
・当館所蔵の「信西巻」(上図はその部分)は、本展前期にて展示(4/14~5/20。但し巻き替え  を行ないます)
・ボストン美術館所蔵の「三条殿夜討巻」は、東京国立博物館での特別展「ボストン美術館  日本美術の至宝」にて展示(3/20~6/10)
・東京国立博物館所蔵の「六波羅行幸巻」は、同館の本館2室・国宝室にて展示(4/17~5/27)

R0011597_3 本館2階は、日本美術史の流れをテーマに、長岡市出土の火焔型の縄文土器が出迎えてくれ、その後に、この5月27日まで展示されている平治物語絵巻 六波羅行幸を見ることができる。

先日見る機会を得た雪舟の大作の巻物に比べて、こちらは絵巻物であり、また著名な歴史的事件を題材にしていることもあって、分かりやすい。現代、爛熟を極めている日本の漫画、アニメーションのはるかな源流として、鳥獣戯画がよく挙げられるが、劇画としての源流には、これら戦記物の絵巻が源流になるのではなかろうかと思われるほど、緻密、精細であり、牛馬の躍動感、人物たちの多彩な容貌と表情、ポーズ、武者たちの鎧兜の縅の色の鮮やかさ、細やかさなど、まったくもって素晴らしいものだった。芸術的な感激とは異なるだろうが、絵巻物(Scroll)がこれほどのものとは、やはり実物を見ることで体感できる類のものだろうと思う。

H24_national_treasures その他さまざまな展示のある二階をぐるっと見て回った後には、平成24年に国宝・重文に指定された日本各地の重要な美術品が集められて展示されている特別室があり、その中にはなんと先日「電脳郊外散歩道」ブログの記事にコメントさせてもらった山形県の縄文時代の土偶の女神像の実物も展示されていた。写真でもその造形と欠損がほとんどない保存の素晴らしさは感じられていたのだが、実物の迫力は圧倒的だった。

ただ、この舟形町西ノ前遺跡出土の土偶も「縄文のビーナス」と称されることが多いようだが、長野県の茅野市棚畑遺跡出土で先に国宝に指定されていて「縄文のビーナス」と呼ばれていた土偶(これも現地の尖石遺跡での展示を見に行ったことがある)との混同が生じそうなので、呼び分けが必要ではあるまいか? 

この部屋は全面的に撮影禁止(基本的に東博所有のものは撮影禁止ではないが、個人所有、他館からの貸し出しなどで、所有者の了解の取れていないものは原則禁止のようだ)となっていた。新しく指定されたとは言え、他にも一階の特別室にも素晴らしい仏教彫刻等が多く、どうしてこれがこれまで指定されていなかったのだろうと思うようなものもあった。特に地元神奈川県のものが今回数点新たに重文指定されていたのは新聞記事で読んではいたが、実物が見られるとは思っていなかったので、不意打ち的で興味深かった。中でも、鎌倉の建長寺の開祖である蘭渓道隆の肖像彫刻は非常に見事なものだった。

本館でじっくり見学していたらあっという間に16時半になっており、17時で特別展の終了時間ということでうっかり見逃すことになりかねないと慌てて平成館の方に移動したところ、この日は金曜日で、なんと夜の20時まで観覧できるというアナウンスが流れていてほっとした(どうもスマートな鑑賞にはならない)。
Bostonmuseumfineart_face_3

通常の順路は第一展示室の方からで、こちらに絵巻物が展示されているのだが、まだ相当混雑しているようで、係の女性も大変込んでおりますとアナウンスしていたので、先に第二展示室から見ることにした。
Bostonmuseumfineart_back

このパンフレットにあるように、垂涎の名品が里帰りしており、目玉の絵巻物以外にも見ものは多く、この展覧会前には知らなかった曽我蕭白の作品が数多く展示されており、とても奇異な日本画だと最初は違和感を覚えたが、再度見直してみると非常に面白く感じた。

18時ごろに第一展示室に戻ると、混雑も相当緩和されていて、結構悠々と鑑賞できたが、さすがに絵巻物の展示では数珠つなぎ状態での見物を余儀なくされた。しかしむしろ牛歩のようなそのスピードが鑑賞には適しており、伴大納言絵巻と並び称される吉備真備の遣唐使行を題材とした奇想天外な超人伝奇譚的な絵巻には、劇画というよりもユーモラスな余裕が感じられ、大変面白かった。周囲の鑑賞者の人たちも楽しんでいるのが分かる感じだった。

平治物語絵巻は、藤原信頼と源義朝による後白河院の御殿の襲撃と拉致の様子を描いた部分であり、ちょうど放送中の大河ドラマ「平清盛」では、清盛が絶対的な権力を掌握する要となる事件でもありこれからの放送が待たれる場面なのだが、よく教科書にも載せられる地獄の業火のような火焔のすさまじさの場面や、戦の凄絶、残酷な場面なども、人物に動きは感じられないものの、やはり精緻、詳細に描かれており、その技術や構成力のすごさを思い知らされるものだった。保存状態も驚くほどよかった。

なお、地味ながら非常に貴重な仏教画としては、東大寺の法華堂(あの有名な日光月光菩薩像の安置されている三月堂)の曼荼羅図という8世紀制作のものも展示されていたのには驚いた。東大寺のような大寺院にも廃仏毀釈が及んでいたのだろうか。

先に読み終えた『夜明け前』第二部は、廃仏毀釈を行った側について多く触れられていたのだが、その裏面では、フェノロサ、ビゲロー、岡倉天心らの努力により、このような貴重な傑作が残されたということも忘れてはならないだろうと思った。これは大英博物館的な文化財略奪とは異なるものではあるだろう。

考古館の展示も久々に見て、本館に戻り外に出ると雨は上がっており、5月5日のスーパームーン前夜の月が皓皓と白く光っていた。

(20時閉館前の東博正面)

R0011652

追記:5月6日  NHKのEテレの日曜美術館が、今回のボストン美術館展を特集したのを見た。実際に見たり、見逃してしまったものを放送で見るというのも面白いものだった。なお、岡倉天心について触れないのは不思議だった。

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2012年5月 3日 (木)

攻略英語リスニング Lesson 4 The Colors of the Rainbow

この講座も第4課。

今回のナレーションは、elementary schoolの高学年くらいの少女が母親へ語りかけをしたもの。第2課の The Age of Discovery の教師役を演じた女性 (Textには 英文吹き込みとして、Carolyn Miller という女性名が挙がっているがこの人だろうか)だろうか?

速さには慣れてきたが、何回聞いても聞き取れない部分は残る。dictation を4回修正しながら完成させて、その答え合わせ結果。

正; 誤の順で。

  1. guess what; this was    Guess what 「何だかわかる?」というくだけた言い方。日常的な表現なのだろうが、やはり普段使っていないと見当がつかない。
  2. Bet you don't know;  We don't know   I bet の I が略された言い方で、「きっと と思うよ」というくだけた言い方。これも見当がつかず We don't は苦し紛れの書き取り。
  3. Pritchard; Prichard      そいういえば、John Pritchard という指揮者がいたが綴りが思い浮かばなかった。
  4. We're supposed; We supposed   軽い命令形の be supposed to(することになっている、しなければならない、しなさいって言われた)。これが聞き取れなかったのは、ちょっとまずい?
  5. refracts; reflex    refract は屈折させる という動詞 (名詞は refraction)
  6. it's raining; it's rainy 話し言葉では語尾が弱い
  7. turn sprinkler on; turn sprinkler   弱く発音される on が聞き取れなかった
  8. It says here in; It is here     says と in が聞き取れなかった
  9. And there are more than; And their more than  there are  (there're) と their が混同
  10. a pot of gold; a part of the gold   pot が聞き取れず。part とは聞こえなかったが、苦し紛れ。
  11. It's where a leprechaun; It's there a Replacorne  ハリ・ポタでレプラコーンは知っていたが綴りが分からなかった。

そういえば、放送大学をたまたま見ていたら、発音をめぐる冒険('12) という講義があり、「標準的な」英語のみならず、世界各国のなまりのある英語も紹介する、ということで、私の見た回ではカリフォルニア州出身の50代から60代くらいに見える男性が発音の特徴について語っていたのが面白かった。

カリフォルニア州訛( accent と言っていた)は、単語を続けることで、しばらく日本で暮らしていて帰国すると、すぐに聞き取れないほどだという。本人の父母はイングランド出身で、父親は educated な明瞭なクイーンズイングリシュを話し、その発音で明瞭でゆっくりとした話し方を日本の語学学校では使っているので、カリフォルニア州に帰国したときに兄弟にその話し方をしたら、「俺は耳が不自由じゃないぞ」と反発されたと語っていた。

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2012年4月26日 (木)

攻略英語リスニング Lesson 3 The Works of Escher

本放送 4/21(土), 4/22(日)は、以前展覧会で実際に見たこともあるエッシャーが題材になっていた。

母国語でも聞き取れはしても、その内容が理解できているかどうかは、聞き取った方の年代、バックグラウンドなどにより千差万別だろうと思う。哲学や法学の講義はもとより、最新の専門用語が連発されるネットワーク系の話題などは、一般人にとっては非常に敷居が高いもので、言葉は聞き取れても、詳細な意味の理解となると別の問題になる。

この英語教材は、今年からNHKの語学番組が尺度として用い始めたCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)のレベル分けでは、B2にあたるものだという。難易度から言えば、上から三つ目で、「社会生活上の幅広い話題を理解して、自然な会話ができる」というもの。ちなみにその上のC1は、「複雑な話題を理解して、明確で論理的な会話ができる」、最上レベルのC2は「あらゆる話題を理解して、細かい意味の違いも表現できる」となっている。

さて、今回の題材自体もある程度の予備知識はあるものだったが、ディクテーションの修正箇所は結構多かった。

今回は、書き取り原稿はテキストエディターで入力し、修正はワードで修正履歴管理ができるようにしてみた。

  1. informative という形容詞が聞き取れなかった
  2. plants は prints だった
  3. woodcuts and lithographs が聞き取れなかった
  4. surreal が聞き取れなかった
  5. playing tricks with が聞き取れなかった
  6. more of a が Moreover に聞こえた
  7. I guess this が against に聞こえた!
  8. and he was が any に聞こえた
  9. infinity が聞き取れなかった
  10. tessellations が聞き取れなかった
  11. by Moorish が more に聞こえた
  12. unexpected influence が聞き取れなかった
  13. All in all が All we know に聞こえた
  14. worth checking  が we'd check in に聞こえた
  15. your head spinが your head ben のように聞こえた

予備知識と含めて、7,8割の情報は聞き取れてはいるのだが、それでも上記ほどのエラーがあると、まだまだだめだろう。

3は版画の技法で、日本語としては当然知っているが、聞く英語だとすぐにはぴんとこない。
4も読む英語では知っているが、聞く方ではだめだった。5はフレーズ。9も読む方では当然の単語だが、聞き取れず。10は専門用語の一つで、身近な英和辞典では市松模様、碁盤の目状の配列となっている。エッシャーが研究し得意とした平面の正則分割のことだ。11はアルハンブラで思い出すべき言葉だが、やはり聞く方ではだめだった。15も spin という言葉が思い浮かばなかった。

それでも、できるところまで自分の力で聞き取り、正誤をきちんと把握してあいまいさを無くすことで、それ以降の同じ文の聞き取りはすっかり楽になる。これは効果があるようなので、このまま続けていきたい。

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2012年4月23日 (月)

韓国の最新IT事情(企業ホームページ内の情報から)

富士通のトップページには、以前から 日本のコンピュータ情報というバナーがあり時折見ている。

その中では富士通以外のコンピュータ関係の多くの情報も紹介されているのだが、最近見た中で読んで感心し驚いた記事があった。その記事の前後にあった立花隆のスーパーコンピューターに関するエッセイも面白かったのだが、

特別寄稿 日本は、韓国のIT化に追いつけるのだろうか (2012年4月17日公開)

というものだ。

韓国のIT化の現状を紹介したものだが、その進展具合は凄まじいようだ。いつの間にかグローバルでは半導体部品や家電分野で、日本は韓国のサムスン、LGの後塵を拝するようになってしまっているが、国民生活のIT化といった分野での韓国の進み方は、この報告を見る限りすごいようだ。

さて、スーパーコンピューターのように、性能競争で一位を目指さない競争というものは無いと思っているので、素人仕分け人のあのような底の浅い仕分けには反対だったので、理化学研究所と富士通のHPC 京(ケイ)のペタ超えの世界一位の快挙にはうれしかったものだが、IT化については、いわゆるインフラストラクチャーとして許認可、教育制度、医療制度、税制、介護制度などなど幅広く深く関係する社会のIT化については、進んでいるのか、遅れているのか等、判断が難しいのではなかろうかと思う。

ただ、それでもこの記事を読むと、隣国韓国のそのような先進的な取り組みを見習う必要もあるのだろう、との思いもわいてくる。

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