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2004年12月 7日 (火)

最近のDVD オーケストラの少女、ガンジー

毎月1日が近所の貸しビデオ屋の特売日、旧作なら1週間100円にちょうど仕事帰りに出くわしたが、子ども向けのドラエモンやその他最近の話題作は貸しだし中で、いろいろ迷ったあげく、タイトルの2作を借りた次第。

「オーケストラの少女」は、戦前のアメリカ映画で、戦後日本で公開され、青年の心を捉えたものとして、父親から聞いていた。30年以上前、テレビ放送されたのを食い入るように見たのを思い出す。さて、この作品、指揮者の岩城宏之氏が、どこかで、音楽少年時代にあこがれた作品だったがプロの目や耳で見なおしたら余りの拙劣さに幻滅したと嘆いていたのを読んだ記憶がある。そんなひどい出来だったかと今回見てみたが、ディアナ・ダービンの歌は吹き替えらしいが素人としてはまあまあだった。それより、ストコフスキーとフィラデルフィア管弦楽団の演奏が、ストコフスキーの演奏指示や編曲により、あのファンタジアよりひどく歪曲された演奏に聞こえた。何というぶちきれたフレージング。モーツァルトのアレルヤのエンディングのひどい編曲。失業者楽団のリストのハンガリー狂詩曲は面白かった。
それでも映画としては、単純明快なストーリーで結構楽しい見物だった。

ガンジーはアッテンボローの監督、ベン・キングズレーの主演の伝記映画。音楽はラビ・シャンカールだった。偉大なるマハトマ・ガンジーとはいえ、その伝記にも著作にも満足に触れたことのない体たらくだが、昨今の文明の衝突の時代を克服するには、ガンジーの思想と行動が一つの解だろうと思う。その究極は、イスラム教徒に我が子を殺されたヒンズー教徒の父親に対して、両親を殺されたイスラム教徒の孤児をイスラム教徒のまま育てよと説く、寛容な人道主義だ。これは相当の人格者以外にはなし得ないおしえだろう。左の頬を殴られたら右の頬を差し出せ、汝の隣人を愛せよよりもより困難だ。しかし、そうでもしなければ、この世界はマルチカルチャリズムの混沌の中で崩壊するのみかもしれない。

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コメント

望さま こんばんは
TBを頂き、ありがとうございました。私の拙い日記に、お付き合い頂き、心から感謝しております。
 望さまの記事を拝見し、益々この「オーケストラの少女」を拝見したくなりました。昨晩のCDのカップリングの中に、リスト氏の「ハンガリー狂詩曲 第2番」も収録されています。これもエネスコ氏の「ルーマニア狂詩曲 第1番」と共に聴き応えのある良い演奏だと思っております。
 週末にでもレンタル店に、行ってみますね。ありがとうございました。

みー太さん、こちらこそコメントありがとうございます。

いつも自分の記事では少々手厳しいことを書いておりますが、どれも基本的には楽しんではおります。「オーケストラの少女」は、あまり音楽に深入りしないほうが映画としては楽しめるようです。中学生の頃だと記憶しているのですが、今でもあのときのトキメキはかすかに覚えています。

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