モーツァルト1790年の肖像画?
モーツァルト1790年の肖像画?が発見されたという。どうだろう?少々むくみ気味だ。腎臓を悪くしており、死の年には相当の浮腫があったというからその前兆だろうか?
1790年のモーツァルトというと、死の前年にあたるわけだが、懸命の努力にも関わらず経済的にますます苦境に陥り、健康も害していく。すでに1789年から作品数は激減していくが、1788年までの豊穣な作品群に比べるとなんと寂しい目録になってしまっていることか。
ところで、ASPARAという朝日新聞の読者サイト(AICが気軽に見れなくなって不満が大きい)では、既に来年の生誕250年の行事が始まっていることが報じられ、チケットプレゼントが行なわれている。1756年生まれだから、そうなるのか!1991年の没後200年もすごいフィーバーだったものだが。
最近、モーツァルトの曲が精神緊張を癒すという日本人の医師の触れ込みで大量のコンピレーションCDが発売されている。以前の頭の良くなるモーツァルトと同様、なぜ彼の曲なのかという根拠が乏しい。よく高周波成分が他の作曲家より多く含まれているとか、素人を煙に巻くような理由が述べられているが、高周波ならチェンバロとかの方が沢山含んでいるんではなかろうか?また同時期に活動した有名ではない多くの古典派の作曲家の作品も現在では入手できるが、そういうのと比べてどうなのか? 科学の基本である「対照実験」の結果を明らかにせず、「天才」のネームバリューに頼る人が医師を名乗っていいのか!
新聞広告で発売されていたコンピレーションは、ドイツグラモフォンの原盤の録音の有名な器楽曲のある楽章を取り出したもので、それも相当な値段で売っている。以前トマティス博士とかいう耳鼻咽喉科の医師のお奨めなどというものもあったが、こういうまやかしがまかり通るのは嘆かわしい。
(1/19に pfaelzerwein さんからTRACK BACKを張っていただきましたので、こちらからも張らせてもらいました)
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こんにちは。肖像の件でTBを張りました。レクイエムだけではありませんが、人心を知る芸術家の作品はなによりもの慰めです。
投稿: pfaelzerwein | 2005年1月19日 (水) 07:17