「のだめカンタービレ」第2巻、第3巻
第2巻
表紙カバーの楽譜、読めず。
扉は、またラヴェルのボレロ。登場人物紹介も。目次も(第1巻も同じ)
P.40 ティンパニストの真澄が張りきるベートーヴェンの第九の第2楽章スケルツォは、またの名をティンパニ協奏曲とも言うほど、ティンパニが活躍。
P.121 ドイツの巨匠 フォン・シュトレーゼマンが指揮するマーラーの交響曲第8番のCDを千秋が聞いている。通称「千人の交響曲」。交響曲という形式を大きく逸脱した曲。類例を求めれば、オラトリオだろう。第1楽章は、ラテン語の「来れ、創造主なる聖霊よ」に基づく、讃歌風。第2楽章は、ゲーテのファウスト第2部をの終結部を歌詞とする長大な音楽。「こんな美しいマーラー」という台詞があるが、私にはこの曲は美しいというよりも、その膨大さに圧倒される。むしろここでは、第9番あたりを挙げて欲しかった。ちなみにあのラトルは、少年時代に第2番「復活」を聞き、指揮者になる決意を固めたのだという。
P.149,P.150 のBEETHOVEN の楽譜読めず。
P.152 千秋が急遽 Sオケで振る事になった ベートーヴェンの第7交響曲。「ベートーヴェンの中でももっとも正統的な技法で作曲された交響曲」との解説だがどうなのだろう。何をもって正統と?ヴァーグナーが「舞踏の聖化」(聖化という言葉は、キリスト教の清めのこととのこと)と呼んだように、通常アンダンテやアダージョで書かれる第2楽章までが、Allegrettoという軽やかなテンポになっているからだ。第3楽章のスケルツォ(プレスト)主部など、楽譜をみながら聴いても早過ぎてどう音が出ているのかよくわからないほどで、非常に合わせにくいと思う。第4楽章は、あまりにノリノリの音楽だから当時の評判では、ベートーヴェンが酔っ払って書いたといわれたほど。
(ベートヴェンはハンガリー産のトカイワインが好みだったといわれている。また、彼の祖父はボンの宮廷楽長のかたわらワイン商を営みそれが彼の父のアルコール依存症を招いた。さらに彼の母方の親戚の子孫がベートーヴェンワインというワインをドイツで現在醸造しており、私も現物を酒屋で見たことがある。ニーチェではないが、形而下的にもベートーヴェンは、ディオニソス・バッカスには縁があったわけだ。)
第7番は、熱狂的な音楽だが、構成はしっかりしている。セル/クリーヴランドの録音を久しぶりに聞いた。この録音は、少々テンションが低いように聞こえた。セルほどリズムがいい指揮者はあまりいないはずなのにどうしたことだろうと思った。
第3巻
扉は、今度もラヴェルのボレロ。登場人物紹介も目次も同じ。
P.39 ベートーヴェンの第3番「英雄」。千秋がシュトレーゼマンから副指揮者としてSオケの下稽古をつけるように命じられる。P.43、P.46 第1楽章のスコア。P.73 第2楽章のスコア。P.115 第1楽章冒頭。P.118 第2楽章。P.137 第2楽章。P.152から「のだめ」が暗譜でピアノ用に編曲して全曲を弾く場面があるが、実際リストがピアノ独奏用に編曲して楽譜を残し、シプリアン・カツァリスが全9曲を録音している。あのグールドも確か第5番(通称「運命」)を録音している。ピアノ独奏でも結構面白く聞ける。この場面は「のだめ」の天才が顕在化する場面だ。ところで、Aオケは何を演奏したのだろう?ポスターにも曲名がない!P.168 峰たち第1ヴァイオリン(ストヴァイとか言うらしい)がパフォーマンスするときの楽譜第1楽章。「英雄」は、バーンスタイン/VPOをやはり久ぶりに聞いた。
P.85 佐久桜の父の「ヴァイオリンは14世紀の初めに突如と現われ」と言っているが、16世紀にその原型が現われ、16世紀末から17世紀にかけて現在の標準サイズが作成されたらしい。
P.89 ヴィーンフィルは最近女性の入団を認めたようだ(ニューイヤーコンサートを見たら弦楽器に女性がいた)。将来は女性ベーシストも誕生するか?
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第3卷では、いよいよ「Sオケ」が登場する。
「Sオケ」とは、ミルヒー(シュトレーゼマン)が選拔した學生によるオケだが、遊びたいミルヒーは千秋を副指揮者に任命して、練習を任せてしまふ。
しかも、こやつは、しばらくすると、自分で作つた「Sオケ」を放りだし、本來の成績優秀者による「Aオケ」に專念すると云つて、「Sオケ」脱退宣言をする。
... [続きを読む]
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