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2005年2月19日 (土)

「のだめ」第4巻から第6巻

第4巻。

カバー折り返し、扉、人物紹介、目次は、第1巻からに同様で、ラヴェルのボレロ。

P.9からのSオケの新練習曲はブラームスの交響曲らしい。 P.39 の楽譜からはどの曲か同定できない(^^;)

P.46 千秋がシュトレーゼマンからもらった曲 ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。

P.51 のだめが弾く「かわったショパン」

P.65 真澄が歌っているのは、ガーシュインの「サマータイム」(歌劇 「ポギーとベス」より)

LESSON 21からの 長野のニナ・ルッツ音楽祭は、多分長野アスペン音楽祭がモデル。アメリカ、コロラド州の有名なアスペン音楽祭と提携し、世界的に著名な演奏家がセミナーを開いた。今も行われている?以前、その音楽祭の最終日、東京カルテットの初代第1ヴァイオリンの原田幸一郎が指揮する音楽祭オケとイエフム・ブロンフマン、チョー・リャン・リンの共演を聞いたことがある。 

P.98 「のだめ」がレッスンを受けるバルトークの SUITE (組曲)。1916年作品の 「ピアノ組曲」Op.14 だと思われるが、私は未聴。なお、1923年作品の 管弦楽の「舞踊組曲」 (ピアノ版もあり)という可能性もあり?著作権の関係か譜面はぼかしているらしい。

P.109 音楽祭の学生オケの練習曲 ドヴォルザークの交響曲第5番。未聴。ドヴォルザークの交響曲全集でも買わないとなかなか聞けない曲ゆえ、千秋も「なんつーマニアックな」と驚いている。
 
P.153 モーツァルトの「キラキラ星」は、モーツァルトの通称「キラキラ星」変奏曲 K.265(K6 300e)のこと。マザー・グースでも著名な童謡を主題にしたものだが、その童謡自体フランス歌謡の「ああ、ママに言うわ」(シルヴァンドルの恋)という題名の歌に基づく。モーツァルトの曲は、このフランス歌謡に基づくもの。なお、この曲、例のモーツァルトの高弟で、「ピアノは巧いが、悪魔のような面相と書かれた」ことで哀れにも有名になったヨゼフィーネ・アウエルンハンマー嬢に献呈されているというのも面白い(NHK 「モーツァルトを弾く」 テキストでの海老澤敏氏による解説より)。譜面づらは優しいが、非常に華やかな曲にしあがっている。

P.168 超有名なショパン「幻想即興曲」。のだめは小学校低学年のときにすでに耳コピでこの曲を弾けたということになる。ただ、本編での彼女の出身地は福岡らしいので、この東京のエピソードは彼女が子ども時代東京で暮していたということを意味するのだろうか?

第5巻。

カバー折り返し、人物紹介は、新曲。2台のピアノのための曲か、ピアノ協奏曲の練習用(オーケストラパートを第2ピアノの編曲したリダクション版)。フラット3つ(変ホ長かハ短調)。 扉は別の曲?フラット4つ(変ロ長調か、ヘ短調)。

目次は第1巻からに同様で、ラヴェルのボレロ。

P.30 雑誌「クラシック・ライフ」のニナ・ルッツ音楽祭の記事の写真キャプションに J.S.バッハ ピアノ協奏曲第3番ニ長調とある。BWV1054( BWV 1042のホ長調のヴァイオリン協奏曲第2番からのバッハ自身による編曲版。ケーテン時代の作品をライプツィヒでの演奏会用に編曲したらしい。バッハはヴィヴァルディの曲などもよく編曲している。)

P.46 彩子たちオペラ研究会の公演は、モーツァルトの歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」。フィガロ、ドン・ジョヴァンニ、魔笛に比べると、人口に膾炙した有名なアリアなどがないためか、私はあまり聴く機会がない。序曲でさえ単独ではあまり演奏されない。

P.51 のだめたちピアノ科学生がピアニカで加わったSオケの演奏は、ガーシュインの「ラプソディー・イン・ブルー」。あの「グランド・キャニオン(大峡谷)」のグローフェによりバンド部分にオーケストレーションが施され、ピアノとシンフォーニーオーケストラのための一楽章のピアノ協奏曲的に演奏されるようになった。

シュトレーゼマン指揮のAオケと千秋のピアノソロによるラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。現在の主流は、第1楽章を重々しくゆったりと演奏するのが普通だが、ラフマニノフの自作自演版のテンポは非常に速い。のだめが、千秋の伴奏で弾いたテンポも速かったようだ。

P.161 ヴィエラの指揮する多分ヴィーンフィル(ヴィーンのムジークフェラインザールゆえ)によるベートーヴェンの交響曲第5番(通称「運命」)。

P.176 ヴィエラの指揮するチャイコフスキー「悲愴」交響曲。ただ、千秋真一がピアニストである父にこの曲のレッスンを受けるのは、少々不自然では?ヴァイオリンのパート譜を練習したということ?

第6巻。

カバーおり返し。クラリネットとピアノとバンジョー?扉も同じ曲のスコアか?人物紹介も?目次はボレロ。

P.11 リスト メフィスト・ワルツ第1番「村の居酒屋での踊り」。難曲として知られる。オーケストラ編曲版もあり。

P.36 千秋の読んでいるドイツ語の本は?と確認したら、「音楽精神からの悲劇の誕生」 ニーチェ著 千秋は勉強家だ。

P.69 アンドレ・ジョリヴェ 打楽器のための協奏曲。このコミックで初めて知った作曲家と作品。

P.138 千秋真一の祖父の「サン=サーンスは弾けるかい」は、ヴァイオリン曲として有名な「序奏とロンド・カプリチオーソ」イ短調だろうか?

P.156 J.S.バッハ 「マタイ受難曲」。バッハのみならず全西洋音楽史を通じての最高傑作と評する人もいる。

P.158 千秋の祖父のコレクション。
「ハイフェッツの60枚組CD」は、『ハイフェッツ大全集 65枚組 RCA』のこと。
ハイフェッツのバッハ「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」。
ハイフェッツのラヴェル「ツィガーヌ」が見られる、と書いたが、ツィガーヌのつづりはTziganeなので、これは、ハイフェッツの有名なサラサーテのツィゴイネルヴァイゼンが正しいようだ。なお、このCDで、上記サンサーンスや下記のショーソンも聞ける。

また演奏者不明のモーツァルトの後期のピアノ・ソナタ第14から17番。

「ミルヒーの若き日のレコード」は多分ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」(Es dur Op.55と読める)ものだろう。

ベートーヴェンの in F MAJOR Op.2* と読めるのは、へ長調の作品20番台なので、ヴァイオリン・ソナタ「春」しかない。

フランクのヴァイオリン・ソナタは、セザール・フランクの残した最高傑作。

「ショーソンの楽譜」。ヴァイオリンで有名な曲といえば、詩曲(Vnと管弦楽)なので、ピアノ伴奏版の楽譜のことだろう。

P.167 エルガーのヴァイオリン・ソナタ ホ短調 作品82 未聴。五嶋みどり(MIDORI)が上記のフランクのソナタと一緒に録音しているCDの存在は知っているが、今度是非聞いてみたい。

P.171 千秋真一の叔父(真一の母 征子を呼び捨てにしているので、伯父か?)は、実はエルガー通?威風堂々、愛の挨拶、チェロ協奏曲は私もCD所有。ただ、エルガー通とするとこの叔父のセリフに有名な「エニグマ(謎)変奏曲」がないのは不思議。以下のオラトリオ「ゲロンティアスの夢」、交響曲第1~3番、弦楽四重奏と弦楽合奏のための序奏とアレグロ は未聴。交響曲第1番は、ロジャー・ノリントン指揮の演奏を放送で聴いたことがあるような気がする。ただ、千秋真一の従弟の台詞、エルガーの伝記には詳しくないが、「威風堂々」がジンゴイストの曲として不人気になったことがあったのだろうか?あのプロムスで演奏され、歌われるように「威風堂々」第1番の中間部など第2のイギリス国歌とされていて大衆的な人気の源泉では?

さて、今後の展開はどうなるのか。楽しみである(^^) 

登場人物紹介を読みなおしたら、奥山真澄が男子となっており、驚いた。ミスリードしていたらしい。そう言えば、長野の音楽祭の時に峰と同室だったのでおかしいと思ったのだ。恥ずかしい(^_^;)

なお、現在「のだめ」でググると、数多くのサイト、ブログが曲目について、コメントしている。みんな面白がっている!

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