世界的な過当競争と利益の低下
プラズマディスプレー(PDP)の先行開発メーカーとして、例のNHK Xプロジェクトでもその開発秘話が紹介された富士通だが、そのPDPパネルの製造子会社で日立との合弁会社の富士通日立プラズマディスプレー(FHP)の富士通持ち株の相当部分及び有力特許を日立に売却し(富士通の持ち株比率は30%程度になる予定)、富士通はPDPからは実質的に手を引くことになったと、昨日報道され、エレクトロニクス情報のメールマガジンではこのことが大々的に取り上げられていた。
薄型大型ディスプレー(FPD Flat Panel Display) の世界は、現在開発販売競争が非常に激しく、液晶(LCD)、PDP、リアプロジェクター(投射型)、そして東芝・キャノンのSED方式と、方式別でも四つ巴であり、また製造メーカーは日本・韓国のエレクトロニクスメーカーが激しい競争を演じている。
その中で、PDPについては、NECがパイオニアにパネルを売却、最近ソニーがテレビの製造撤退を表明したばかりだが、今度は富士通がパネルから手を引くということになった。先行きは非常に不透明だ。
以前、大画面テレビについては、1インチ1万円が目標とされてきたが、すでにその水準は大幅に突破して、在庫整理などでは1インチ5000円程度まで落ちる場合もあるという。
賃金水準が日米欧よりも大幅に低い中国あたりでも、ある程度の富裕層は、このようなFPDを積極的に購入しているというが、方式間とメーカー間の競争に加えそのような世界的な値下げ圧力があるため、新製品とは言えども、先行者利益を確保できず、作れば作るほど儲からないというスパイラルに落ち込んでしまうのが、最先端製造業の現状と言えるようだ。
デジタル家電景気と言われた昨年だが、この値下げ圧力により、日本のエレクトロニクス業界は、最近の決算発表で次々と業績予想の下方修正を余儀なくされている。ひとものかねをかけて、いいもの、優れたものを作っても、競争が激しすぎるため儲からないという図式、これはパソコン、携帯電話などの世界でも同様に生じている。いわゆる経済現象となっている。
ただ、デジタル家電の売れ行きが調整局面になったという見方は間違いだという人もいるようだ。「価格が40万円や50万円では、今まで金持ちの人しか買えなかったのだから。FPDテレビの家庭への普及率は1~2%程度、DVDレコーダーでも10~20%。デジタル家電市場はようやくスタートライン。価格が下がることで市場が広がる。日本メーカーはもっと積極的に投資すべきだ。」
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