「もう一枚のモナ・リザ」
<ルーヴル美術館ミステリー>ビートたけしの歴史的大発見 名画モナ・リザはもう一枚あった!
という番組が先日放映された。
美術の好事家ぶるための私の参考書として細野不二彦作の(参考:インタビュー)「ギャラリー・フェイク」で、元メトロポリタンのキュレーターで現在は贋作画廊を経営する主人公の藤田玲司が「もう一枚の『モナ・リザ』」をライフワーク的に追い求めている。今回のビートたけしの番組をみて、細野がよく美術史の裏面を調査しているのが分かった。むしろ、たけしのテレビ番組の方が、このコミック(だけではないと思うが)を参考にして実地調査したような印象だ。
たけしが今回世紀の大発見をした「もう一枚」は「アイルワース版モナリザ」と呼ばれ、スイスの地下金庫に秘蔵されているのだという。映像で見た限りでは、ルーヴルのモナリザよりもずっと若く,美しい。ただし、ルーヴルのような神秘の微笑は見られない。(アイルワースで検索すると数多くのサイトがヒットする。注目度が高い。)
ラファエロが当時「モナ・リザ」を見てスケッチ風に模写したものが残されており、そのスケッチには、ラファエロの円柱と呼ばれる建物の円形の柱が画面の両側に描かれているが、ルーヴルのものにはない。今回のアイルワース版にはそれが描かれている。
ルーヴルのモナ・リザの年齢は、それほど若い夫人の肖像ではないように見える。先日、フィレンツェの経済学者が、当地の図書館で古い記録を調査して、ジョコンダ夫人の実在の記録を発見したと新聞記事に出ていたが、レオナルドがジョコンダ夫人の肖像を依頼された当時の夫人は20歳台だったらしい。(モナ・リザは高血脂症 )
今回の「アイルワース版」が、この歴史的発見の後、実際にどのような鑑定を受け、どのような鑑定結果が出るのか興味があるが、番組としてもちゃんとフォローアップしてほしいものだ。(ラファエロのスケッチとルーヴルのモナリザを元に、若い婦人の肖像を描けば「贋作いっちょうあがり!」ではなかろうか?「ギャラリー・フェイク」では、ナチスドイツの総統美術館の元館長(GD)がブラジルで生きており、この「アイルワース版」に相当する作品を所蔵していたが、藤田の鑑定は、目に気品があるが、これはラファエロのものだろうというものだった。そして、その作品はGDとその屋敷ともに灰燼に帰した。いったいどのような鑑定になることだろう。)
なお、ルーヴルのものは、レオナルドがフランソワ一世の招きを入れ、フランスに晩年を過ごした際に死去まで手元に置いていたものだという。ただ、これも(ギャラリー・フェイクにあるが)ペルージャという男によりルーヴルから盗まれ、その際に複製と交換されたという可能性があるのだという。
検索したら「ギャラリー・フェイク」とこの番組を扱ったBLOGがあった。こちらです。
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トラックバックありがとうございます〜。
細野氏の「ギャラリーフェイク」は友人のマニアな弟さんに1巻から
31巻まで借りて一気読みしたのですが、件のモナ・リザの話は
印象に残ったものの一つでした。折しも世間じゃ「ダヴィンチ・
コード」が話題になる直前だったです。
タイムリーな一件でした。
こちらもトラックバックさせていただきました。よろしくです。
投稿: kaoru | 2005年3月31日 (木) 21:48
コメント,TBありがとうございます。
もう一枚のモナリザについては、ダヴィンチコードとの絡みで多くのBLOGが取り上げていましたが、ギャラリー・フェイク関係は貴ブログだけだったようです。私も「マニアック」で全巻揃えており、先日風邪で寝込んだおりに、再度読破しました。その後、ビートたけしの番組が折りよく登場したという次第で、家人と、ギャラリーフェイクがネタのようだと話していたのでした。
投稿: 望 岳人 | 2005年4月 1日 (金) 12:20
続報がありました。
「美術史が好き!」さんの
http://blog.livedoor.jp/rsketch/archives/17794351.html
ここからリンクをたどると
「突破」さんの
『「モナ・リザ」は誤報!?日テレに抗議文』の考察
http://toppa.seesaa.net/article/2678860.html
日本テレビも東北大学大学院教授もいかがなものかと・・・
投稿: 望 岳人 | 2005年4月 8日 (金) 09:10