のだめカンタービレ第12巻
妻が購入。
パリ編ということだが、カバー裏の作者の言葉では「第2楽章」?がそろそろ終わりというような意味不明のコメントがあった。まだ、パリのコンセルヴァトワールでの修業が始まったばかりでは?
さて、登場した曲では、
ラヴェルの「マ・メール・ロワ」(オーケストラ版)
武満徹「遠い呼び声の彼方へ!」
シベリウス 交響曲第2番
以上、千秋関係。
バッハの平均律クラヴィーア曲集第2巻から第5番と第14番、ベートーヴェンの「悲愴」ソナタ、リストの「超絶技巧練習曲」。これは のだめ関係。
私のシベリウス鑑賞は、第1番と、この第2番、ヴァイオリン協奏曲、フィンランディアどまりで、ベルグルンド/ヘルシンキフィルの全集を所有していながら、クレルボ交響曲と第3番以降はまだまったく馴染めないままでいる。第2番をジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団の1970年来日公演ライヴ盤で久しぶりに聴いた。ライヴとは言え、細部まで緻密、明晰で、隅々までライトアップされたような印象の音楽になっている。フィナーレは、音楽そのものが少々仰々しい作りになっているため、さらに粘着質な演奏の方が効果的ではないかと感じた。
ところで、気圧の低い飛行機内で音楽鑑賞をするとどういうわけか、音楽への感激度が高くなるとかいうことをあの野口教授がどこかで書いていたが、以前この交響曲をヨーロッパ出張から日本へ戻ってくるバージンの機内でエンジンの騒音交じりのヘッドフォンのひどい音で聞いたときに、その非常にラプソディックな演奏に感激したことを思い出した。その感激が飛行機内の要因によるものかも知れないという保留があるのだが、いわゆるドイツ的、構築的な演奏ではなく、テンポやデュナミークの変化の幅が大きいものだという印象を持った。誰の指揮だったのか思い出せないのだが。そのときには、シベリウスを、LPで親しんだザンデルリンクやこのセルのように演奏してはいけないのではないかと思ったのだが・・・
WIKIPEDIA にラヴェルの「マ・メール・ロワ」の解説があった。フランソワのラヴェル&ドビュッシーのピアノ曲集のCDにも収録されているが、このピアノ版はやはり連弾用だけらしい。のだめがこの曲をアナリーゼしているらしいのは、連弾の課題用なのだろうか?オケ版ではクリュイタンスとパリ・コンセルヴァトワール(音楽院)管の定評のある名盤を所有しているが、印象が薄い。むしろ、フランソワによる連弾版の方が、逆説的だが、色彩的に感じられて面白かった。
のだめが、リュカ少年(音楽院の同級生、ベロフのような天才少年!)の祖父に対位法の極意を質問する場面で、その人物(音楽学者)が、バッハのフーガは、「教会旋法、長音階、短音階のどれを使っているのか分からなくなったり、声部のつながりを途中で見失ったのを適当にまとめたりしている場合もあり、結構適当な部分もある。そんな面を含めてバッハが好きだ」とのたまうところがある。私のようなディレッタントには、バッハのフーガ(平均律曲集だけではないだろうが)のそのような面は全く分からないのだが、そのような指摘をしている文献などはあるのだろうか?お堅いバッハ学者のものではなく、グールドやその他演奏家サイドのコメントとか?
ところで、のだめの主任教授のオクレール教授、「遅れる」教授という冗談のような名前(スケヴェニンゲンというオランダの地名のようだ)だが、ミシェル・オークレールという女流ヴァイオリニストが実在する。
Conservatoire について調べてみたいと思い、ネットで探していたら、パリのコンセルヴァトワールを卒業してコンサートピアニストとして活動している島田彩乃さんという女性のサイトを偶然見つけた。コンセルヴァトワールへの入学試験についても触れてあり参考になる。また、この関連で、ベルギー在住のピアノ学生のこのBLOGが面白い。エリザベート王妃コンクールのことが詳しい。最新のレビュー、成績も出ており、ハチャトリアンという若手ヴァイオリニストが優勝とのこと。このヴァイオリニスト以前テレビ放送で見た記憶あり。
ところで、wikipedia では このように書かれている。
コンセルバトワール を デジタル辞書で調べたら、次のような少々混乱気味の説明があった。
(フランスconservatoireもともとは保護施設の意、そこで音楽を教えていたところから)音楽学校。特に、フランスのパリ音楽院の通称。一七九五年設立。近代的な音楽学校の最初といわれる。
Kokugo Dai Jiten Dictionary. Shinsou-ban (Revised edition) ゥ Shogakukan 1988/国語大辞典(新装版)ゥ小学館 1988
これによれば「保護施設」という一般名詞的な施設がパリにあり、そこで音楽を教えたから音楽学校がコンセルバトワールと呼ばれるようになったとも読み取れる。そうなると 伝統的な技芸を保存するという目的で作られた教育施設だからコンセルバトワールと名づけられたという説はどうなるのだろうか?
補足:トラックバックをいただいたので、そのサイトへトラックバックを返した。
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お薦め度:☆☆☆☆☆
待ちかねた12卷。
4ヶ月は長かつた。
いよいよ千秋とのだめの關係も新たな展開へ。(ぼへぇ〜っ)
同じパリに留學してゐたオーボエの黒木くんが登場。
さて千秋のパリデビューは、
ラヴェル「ラ・メール・ロワ」、武光徹「遠い呼び聲の彼方へ」、
そして、シベリウスの交響曲第2番。
このうち、私がご紹介できるのはシベリウス。
この交響曲第2番は大好... [続きを読む]
望 岳人さま こんにちは。
コメント並びにTBを頂きまして、ありがとうございました。一度、望 岳人さまの記事に書き込みをさせて頂いた以来、ご無沙汰しておりました。望 岳人さまは音楽に詳しく、日頃楽しい記事を覗きみをさせて頂いておりました。
私は初心者で、好奇心だけで音楽を聴いておりますので、貴重なお話を教えて頂けることに感謝しております。そう言えば、今日は作曲家ハチャトリアン氏の誕生日でしたね。(確かCDが無い。涙)今後とも、宜しくお願いします。
投稿: みー太 | 2005年6月 6日 (月) 16:51
みー太さん、丁寧なコメントをいただき恐縮しております。
私こそまったくの好事家で、それも下手の横好きという奴でして、みー太さんの着実で丁寧なBLOG記事をいつも楽しみにさせていただいております。みー太さんのように1日1曲のペースで音楽関係の記事が書ければと思うのですが、雑事に紛れてなかなか実現できません。
これからもよろしくお願いします。
投稿: 望 岳人 | 2005年6月 6日 (月) 19:02
昨日帰宅時の電車の中で、席に座って「のだめ」を読み耽る30代くらいの男性を見かけた!
投稿: 望 岳人 | 2005年6月23日 (木) 09:47