コリオリの力というもの
現在は、東京上野の国立科学博物館の本館が改修中のため、あのフーコーの振り子を見ることはできないが、幼い頃初めてあの巨大な振り子を見たときのことはまだ記憶の片隅にある。エーコの「フーコーの振り子」をてこずりながらも読んでいる最中、時折あの光景が頭をよぎったものだった。
さて、昨日の天動説、地動説がらみで言えば、地球が太陽の周囲を回転する公転現象ももちろん重要だが、地球そのものが自分で回転しているという自転現象がまずは着目されなければならない。
地球が自転していることを目に見える形で初めて表したのが、フランスの物理学者Jean Bernard Leon Foucault
フーコー(1819-1868)による巨大な振り子の動きだった。幼少のみぎりに私がその振り子の巨大さに驚いていたときに、多分父が解説を読んでくれたのだろうと思うが、この振り子の動きが地球の自転の証拠だと言われてさらに驚いた。もちろん何のことか分からなかったけれど。ちなみにこのこのフーコーは、ジャイロスコープを発明している。
ところで、球体である地球が自転しているがゆえに現れる不可思議な力に「コリオリの力」というものがある。 フランスの物理学者、土木工学者コリオリ Gustave Gaspard Coriolis (1792-1843)1828年に「コリオリの力」を唱えた。この「見掛け上の力」によって、 北半球ではどちらに向って動くものも常に右に曲がる。これが渦が上から見てどちら側に回転するかの原因らしい。高校で地学1を勉強したが、解説があったのかどうか。高校生に説明するのには難関な概念だという。当然私も定量的(数式的)には理解困難だが、この定性的な説明はわかりやすい。
しかし、この力は非常に弱いものだという。この力により、北半球では北(から吹く)風は西に、南風は東に、西風は南に、東風は北に曲がる。これが貿易風などが常に一定方向に吹くメカニズムの説明になるらしい。なお、風呂の栓を抜いたときにできる渦巻の方向がコリオリの力によって決まっているというのは俗説だという。台風の風向きについては、この説明が詳しいが、理解力が届かない。
ところで、大幅に話は飛躍してしまうが、銀河、星雲も渦を巻いている。宇宙にはコリオリの力はないはずだが、まるで全体にコリオリの力が働いているかのようだ。宇宙が球体であり、ある一定方向に回転しているというモデルは考えられないだろうか?全くの戯れごとだが。
« 左巻、右巻 | トップページ | カルロ・マリア・ジュリーニ逝去 »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- ブログデザインを変更(2024.01.09)
- 年末にインフルエンザA型に罹患し、タミフルの副作用で大腸炎となったが快復(2024.01.12)
- 2021年初めての投稿(2021.04.16)
- 謹賀新年 2020(令和2)年 庚子 かのえね(2020.01.16)
- クルマでの帰省(2014.08.16)
「教育」カテゴリの記事
- NHK 下期のテレビ英会話 「しごとの基礎英語」(2013.10.10)
- 「一億人の英文法」のTOEIC効果(2013.09.11)
- 「攻略 英語リスニング」の効果実感 TOEIC リスニング(2012.08.18)
- リーダーの決断 (滋賀県 大津市長)と『沈黙の町で』の終了(2012.07.17)
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: コリオリの力というもの:
» コリオリの力と排水口 [物理学科の現実]
ある物理の本で、例えば風呂場の排水口から、水を抜くとき、左回りに水が流れて吸い込まれていくのは、コリオリの力の影響によるものだと書いてありました。
コリオリの力とは、大学1年のとき力学で習う、回転座標系に対して運動する物体に働く見かけの力です。微小時間.... [続きを読む]
コメント