警察博物館の「君が代」
土曜日に用事で銀座に行ったついでに、子ども達が上野の動物園とどちらにするかじゃんけんで決めた万世橋の交通博物館に行こうということになった。お昼を「スエヒロ」のリーズナブルなランチセットで済ませて中央通りに出ると、歩行者天国になっていた。前回銀座に来たときに、東京駅まで歩いてみようかと言いながら歩けなかったこともあり、今回はうす曇で暑くもないのでちょうどいいと、歩いてみた。途中、松屋の現代的に改装された外観や、ルイヴィトンの店舗などを横目で見て、文房具の伊東屋に立ち寄り暑中見舞いのハガキを求め、さらに歩を進めると、銀座一丁目。なるほど丁目は皇居に近い方から採番されているのかと得心した次第。銀座の次は、京橋。なるほど京橋とはここかとさらに得心。京橋跡で記念撮影をして、道路の向かいに目をやると「警察博物館」の文字が見えるので、中央通りを横断して行ってみた。
展示白バイが玄関で出迎えており、乗車は自由。博物館は入場無料。赤バイ、黒バイなどを見て2階に上がると、警視庁を創立した初代警視総監川路利良(としよし、としなが)の資料が展示されている。確か司馬遼太郎の「翔ぶが如く」と民法学者であり法社会学者(警察制度の研究で著名)広中俊雄東北大学名誉教授の「戦後日本の警察」(岩波新書)で目にした名前だ。
3階は、事件・事故などで殉職した警視庁警官を祀る。あさま山荘事件はどんな事件だったのか、こどもに尋ねられた。
4階には、インタラクティブなディスプレーなどが設置され、防犯クイズなどで警察の活動が理解できるようになっているのだが、その一角に、警察音楽隊関係の資料として、大変興味深いスコアが並べられていた。フェントン作曲の「君が代」である。展示室の装置でその演奏がソプラノソロ(大倉由紀枝)とブラスバンドの二種類で聞くことができる。(「君が代」については、このサイトがよくまとまっているが、この中の第一の「君が代」がこの博物館で聞くことのできるもの)。オペラ的と書かれていたが、曲調的には素朴なコラール風のもの。印象に残るメロディーではないが、明治維新以来の歴史に思いを馳せさせてくれる。
京橋は、もともと日本橋を起点とする東海道が京に向う途中初めて渡る橋ということで、京橋と名づけられたらしい。警察博物館を出てから暫く歩くと、八重洲通りに出て、そこを左折すると東京駅だが、交差点に実物大のキリンの像がある。以前、ブリジストン美術館を訪れたときにここを通ったことがあるのを思い出した。
JR有楽町から東京駅まで電車ではほんの数分だが、歩いてみると30分はかかるだろうか。結構面白い。バラバラになっている地名のジグソーパズルのピースが繋がったような感覚である。
万世橋の交通博物館についたのは15時過ぎ。これまで何度も来ているが、今回も親子連れで一杯だった。おそろいのアンコールワットのTシャツを来たカンボジア人らしい若い男性の20人ほどの団体がちょうど入場するところだったが、研修旅行か何かだろうか?列車の大きなジオラマを椅子に座ってゆっくり見物し、シミュレーターで京浜東北線を運転し、お召し列車などを拝見し、2階、3階を駆け足で回ったら既に5時だった。
この由緒ある交通博物館も、2007年には、鉄道博物館としてさいたま新都心に移転とのこと。交通関係の総合博物館が失われてしまうわけだ。惜しいと思う。それもあって子ども達お気に入りのスバル360の前で記念撮影して、人気のある新幹線鉛筆セットと消しゴムをお土産に買い、外に出ると烟るような雨。
秋葉原界隈は、例の「電車男」の影響もあるのだろうか、アキバ系の若者がいつもより自信を持って闊歩していたように感じた。つくば エクスプレス筑波ラインとかいう新線がこの秋葉原駅に繋がるのだという。駅内部も相当見通しよく綺麗になっていた。
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