1960年代のカラヤン
1962年録音の英雄交響曲と1964年録音の幻想交響曲が超廉価で購入できた。以前、同じ時期に録音されたハイドンの「天地創造」のことを書いたが、これらも1960年代のカラヤンの覇気溢れる上り調子の時代の演奏が聞ける。私の入門時代の「悲愴」もちょうどこの「英雄」のジャケット写真に似た写真を使ったもので、同じく1960年代のベルリン、イエス・キリスト教会での録音のものだった。
さて、どちらも多分FM放送などでは聞いたことがあるものだろうが、記憶にはなかったものだ。
幻想交響曲をカラヤンはそう何度も録音したことがなかったと思う。一聴してそう印象深い演奏ではない。ただ、舞踏会の楽章は、優美極まりないほど耽美的だ。形が崩れているわけではなく、音響的な面で。続く「野の風景」も近未来の人工的な環境のシーンが思い浮かぶほど洗練された演奏。
「英雄」の方も、フルトヴェングラー色の一掃的な意識があったのだろう、後年の演奏に見られる流麗な磨き上げの端緒が垣間見える。それほどレガート、テヌートの多用には陥っていないが、妙に違和感の残る「英雄」だ。
いずれもハイドンの「天地創造」や「悲愴」時代の演奏なので、自分にとってのカラヤン再評価につながるかと期待したのだが、ちょっと肩透かしだった。
p.s. 他のblogでも話題になっているアダルト系のトラックバックが入っていたので、アドレスによりブロックした上で削除した。おそらく「英雄」のラテン語名に自動反応したのではなかろうかと推察したので、単語を置き換えてみた。
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