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2005年9月 2日 (金)

最近買ったCD

haitink_s◆ハイティンク指揮コンセルトヘボウ管のライブ録音によるベートーヴェンの第九。(後で調べたら中野雄氏が、文春新書のハイティンクの項でハイティンクの代表盤として挙げているもの)。 ブックオフの1,000円の棚に、ここ半年以上陳列されていて気になっていたが、この録音の後のスタジオ録音盤を相当以前に購入しており、その端正な音楽と美しい音響に感心していたのでついこのライブ録音盤には食指が動かなかったのだが、最近BLOGでの絶賛記事を読んで購入してみた。ヘッドフォンで聞いたのだが、第1楽章から非常に静かに推移し、隈取が少し不足する感じで、同じハイティンクの指揮でもどうもスタジオ録音盤の方が私には合っているようだ。

haitink_s

これはそのスタジオ録音盤。

richter_kleiber_dvorak◆リヒテルのピアノ、C.クライバー/バイエルンシュターツカペレによる、ドヴォルザークのピアノ協奏曲。東芝EMIによるデジタルリマスターの1300円シリーズが中古で750円。この録音の存在は、めったに演奏されない曲を二人の巨匠が取り上げたということで夙に知っていたが、FM放送によってさえ一度も聞いたことがなかった。クライバー逝去の際に、CDショップの店頭には大量に並んでいたが、その際にも購入しなかった。

ドヴォルザークのピアノ曲と言えば、ユーモレスク(原曲)は親しいが、ピアノトリオの「ドゥムキー」をかろうじてラジオで聞いたことがある程度の記憶しかなく、オーケストラと弦楽の作曲家というイメージが強かった。しかし、ピアノパートも非常に効果的に書かれている。解説を読むと、これでも演奏効果を上げるために改稿した版ではなく、よりシンプルな初稿をもとにしたものだという。また、もともとドヴォルザークは、オルガン奏者として世に出たほどで、鍵盤楽器の扱いには熟達してもいたらしい。

一度聞いた程度では曲や演奏の特徴を云々する資格はないが、リヒテルのピアノは伸びのある音色で闊達な様子、当時売り出し中のC.クライバーと手兵のバイエルン国立管のバックはやはり自由闊達な協奏だった。ドヴォルザークの協奏曲と言えば、チェロ協奏曲だけが人気が高いのだが、ヴァイオリン協奏曲とこのピアノ協奏曲があまり演奏されないのはどうしてだろうか。

何と250円のバッハを二種。

bach_france_gould
◆ひとつは、グールドの「フランス組曲」全曲(2枚組)。1984年頃の発売の最初期のCDで、解説書も同梱されていなかったが、以前から愛好していたフランス組曲第5番以外にも全曲がCDで手軽に聞けるのはうれしい。ただし、楽章ごとにトラックナンバーが入っておらず、曲単位で、楽章はindex(CDプレーヤーに頭だし機能がない)で区切られているため、つまみ聞きができないのはつらい。音色は最初期のCDということもあるのだろうか、冴えが不足している。

bach_partita_ross

◆もうひとつは、美品のスコット・ロスによる「パルティータ」全曲(2枚組)エラートレーベル。ロスのチェンバロは初めて聞くが、ぎこちなさが皆無。リパッティやグールドで楽しんでいる第1番も新鮮に響く。

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コメント

望さま こんばんは。
私は、昨年?再販されたハイティンク氏の第九を、買い逃してしまい時折、近所のブックオフを覗いておりました。地方の町だと、なかなか中古市場が狭くて無いのです。(涙)
 それにしてもグールド氏が250円で買えるなんて、羨ましいお話ですね。先ずそのようなお値段など、ケース破損か不具合がないとありません。首都圏のブックオフを一度で良いから、覗いてみたいものです。

首都圏といっても我が家の近所のブックオフはそれほど品揃えがよいわけではありませんが、それでも時折珍品や今回のような激安CDが入手できることがあります。レコ芸を立ち読みしても購入意欲をそそられる新譜はあまりないですし、最近はもっぱら中古店をめぐって「落穂拾い」を楽しんでいます。ハイティンクの第九ライブは、ヘッドフォンで音量を上げ気味にして聞いたら相当よい方に印象が変わりました。

「非常に静かに推移し、隈取が少し不足する感じ」は、ライヴの特徴を良く表しているかも知れませんね。

最高級のオーケストラといえども、出端から毎回上手く行くとは限らずアイドリングが必要でしょうから。更に隈取は、重要で難しいところであればスタジオで必ずテイクを重ねなければ上手く行かないでしょう。何回かのライヴを繋げ合わせても、究極の隈取は安全運転のライヴからは出来ないと言うのが一般的ですね。

pfaelzerweinさん、いつもどうもありがとうございます。

第1楽章の演奏も最近はトスカニーニ張りのテンポのものが増えていることもあり、その比較から少々安全運転的で微温的に感じたということもあると思いますし、隈取りという点では、安全運転のことなど念頭にないフルトヴェングラーのバイロイトライヴと比べてしまっているのかも知れません。設定ヴォリュームの問題もあったようです。

暫く聞いていないハイティンクのスタジオ録音盤と聞き比べ、「隈取り」の強さ、濃さなど感想をアップしたいと思っております。

早速昨晩1980年のこのライヴ盤と、1987年のステレオ録音盤の第1楽章を聞き比べてみました。演奏時間はほとんど変わりありません。いわゆる私の言う「隈取り」(陰影だとかメリハリなど、アーティキュレーション的なもの)を焦点に聞いたのですが、スタジオ録音の方に一日の長があるように思いました。

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