五嶋みどり パガニーニ カプリース全曲
昨日はニコロ・パガニーニの誕生日だった(1782年10月27日 イタリアの作曲家パガニーニ(Paganini.Nicolo)誕生 とされる)。
(その前の日は、チェンバロのドメニコ・スカルラッティの誕生日だったが、例のホロヴィッツのソナタを聞きそびれてしまった)。
このCDは、MIDORI(五嶋みどり)が17歳のとき、1988年に録音されたもの。1989年発売のレギュラープライス盤。
パガニーニの誕生日を記念して、久しぶりにラックから取り出して聞いてみた。弟の五嶋龍も先日DGからデビューアルバムを出した期待の新鋭だが、ミドリの場合、デビュー盤ではないが、17歳にしてヴァイオリンの中でも最難関とされるカプリスの全曲というのだから恐れ入る。よほどの技巧派かアッカルドのようなパガニーニの権威でなければ、この曲を録音しようなどとは思わないのだそうだ。それもそのはず、ヴァイオリニストがどれほどの技巧の冴えと安定性を持っているのかが一目瞭然にわかってしまう恐ろしい曲集なのだから。
手元の名曲名盤300には、1.ミドリ、2.リッチ、3.ツェートマイヤー、3.レビン、5.アッカルド、5.ミンツ、7.パールマンの名前が挙がっている。
解説によると、楽器は、グァルネリ・デル・ジュス「X・デイヴィッド」(1735年)とのこと。この曲集はこれしかもっていないので比較の対象はほとんどないのだが、ヴァイオリンの緻密な冴えた音と楽器の振動までを捉えた録音もよい。第9番の「狩」のフラジオレットや、有名な第24番(パガニーニの主題)など聞き応えがある。
それにしても、ヴァイオリンの超絶技巧の教科書のようなこの曲集の模範的な演奏をもって世界デビューするとは・・・
最相葉月の「絶対音感」は、絶対音感を扱った部分には首をかしげるような不十分な記述が多いと感じたが、ミドリのこの録音後の苦闘を扱ったルポの部分は非常によくかけていた。いうなれば、脱皮したミドリが現在のミドリなのだろう。
« ブラームス Op.120-1, 2 | トップページ | グールドのアンサンブル »
「ディスク音楽04 独奏」カテゴリの記事
- 小学館 モーツァルト全集のCDを夏の帰省時に持ち帰った(2014.09.02)
- マリア・ティーポのバッハ「ゴルトベルク変奏曲」(2014.06.24)
- ヴォイジャー(ボイジャー)のゴールデンレコード(2013.09.16)
- グレン・グールドの1981年ゴルトベルク変奏曲の録音と映像の微妙な違い?(2013.06.24)
- 年末に届いた "LIVING STEREO 60 CD COLLECTION"(2013.01.04)
コメント