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2005年10月18日 (火)

私の座右の書 吉田秀和「世界の指揮者」など

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文庫版「LP300選」は1981年(初出の単行本は1961年、父が当時「藝術新潮」を購読しており、蔵書で保管してあるのを高校・大学のころよく読んだ。確かこれも連載されていたように記憶する)。

同じく「世界の指揮者」は1982年(初出の単行本は1973年)。「世界のピアニスト」は1983年(同じく1976年)。最後の「私の好きな曲」は1985年(同じく1977年)。現在はどれも白水社の吉田秀和全集に納められている。

該博な知識や語学力を背景に、鋭い感性と克明な記憶力を駆使し、音楽の喜びを生き生きと伝える類まれな文章力を持つ評論家が、吉田秀和氏である。

大学の図書館には、吉田秀和全集もそろっており、本業の勉強の合間に、どれほど全集を読むのに時間を費やしたことか。つつましい学生として、アパートには小型のステレオラジカセしかなく、吉田秀和全集を読んで普段の音楽への渇望を癒していた。

その折、ちょうど新潮文庫から上記の著作が発売され、現在まで20年以上自分の座右の書となっている。読むたびに新たな発見があり(自分の記憶力の悪いせいもあるが)、まだまだ十分汲み尽くしていない感を抱く。そのため、なかなかここから先に進めないという憾みがあるのも否定しきれないが。

とにかく、自分と音楽との付き合いにおいて指針となっている本たちだ。

「私の好きな曲」で取り上げられたのは26曲だが、その26曲のエッセイの中になんと多くの曲が登場することか。この本を読みながら音楽を聴くことは無上の楽しみの一つである。

現在、残念なことにこれらの文庫はどうやら絶版のようだ。(カラー版大作曲家シリーズという文庫も同じ新潮文庫から出ていたが、それらも最近あまり見かけない。)

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コメント

私も吉田秀和氏の著書は愛読しています。講談社学術文庫に、タイトルは忘れましたが、モーツァルトの本が入っていますね。全集の中に入っていたものと同じ内容のようですが。「主題と変奏」あたりが入ってもよさそうですね。

コメントありがとうございます。本当は、全集を愛読書として紹介できれば格好いいのですが・・・

講談社文庫では「モーツァルト」が入っていたと思います。ほとんどの本や小学館のモーツァルト全集などは実家に置いてあるのですが、他に中公文庫「一枚のモーツァルト」なども愛読しておりました。

ちょうどクライバーが亡くなったころから吉田秀和氏は休筆されていますが、またお元気に復活され「音楽展望」を読ませてもらいたいものだと思っております。

吉田秀和のこの4冊、ボクも愛読しております。クラシック音楽を聴き始めた1980年頃から、文庫本で出始めたので、貪るように読んだものです。懐かしいです。
今も、吉田秀和の著作は書棚の前列に置いています。名著やなぁと思います。

mozart1889さん コメントありがとうございます。

このほかに、新潮、中公のほかに朝日文庫からも「音楽」という「音楽展望」と時評が一緒に年代順に編集された文庫もありました。最近の展望もあのような形でまとまって文庫で入手できればいいのですが。

私の高校生の頃からNHKFMの日曜日の朝「モーツァルトの生涯と音楽」でしたか、毎週一時間番組をやっていましたね。今でこそ、CDでほぼ全作品を聞くことができますが、吉田さんの独特な語り口と音楽で、よく聞きました。最近まで、シューマンやブラームスも放送されたのでしたか?何でも放送の聞き書きのような本で「ブラームス論」などが出版されたのを見た記憶があります。

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