« ベートーヴェンの命日に聞く C.クライバー/バイエルン国立管弦楽団による ベートーヴェン交響曲第4番 | トップページ | 有料cocolog ようやくバージョンアップ »

2006年3月27日 (月)

横浜「丘の手」!?  ドビュッシーのソナタ集

昨日投票が行なわれた横浜市市長選挙は、今日開票が行なわれ(人件費抑制のための翌日開票は中田市長のアイデアらしい)、当然のごとく現職の中田宏氏が再選された。次点は、共産党が推薦(?)した海洋学者。4年前には当時の現職と前衆議院議員で新人の中田氏の一騎打ちで、まさか中田氏が当選するとは思っていなかったが、横浜市北部の数地区で多くの得票を獲得した中田氏が、他の多くの区で中田氏を上回った現職を破り、まさかの当選をして今にいたっている。激戦と言われてマスコミの注目度も高かった前回選挙でも30%台という低投票率だったが、無風選挙の今回はさらにそれを下回ったという。ひどいものだ。

人口300万人を越す日本でも有数の政令指定都市の市長と言えば、横浜市が属している神奈川県の県知事よりもある面では行政的な権力が大きいほどで、この中田市政によって4年間にこれまでにない大規模な行政改革が行なわれているにも関わらず、市民の関心は低いままだった。

この低投票率では、信任投票にもならないのではないかと危ぶまれるのだが、今回も前回も棄権した有権者はそれについてどうも思わないのだろうか?特に20歳台の若者の投票率が極端に低いと言われているが、サイレント・マジョリティーとなった彼等は一体身近な政治について何を考えているのだろうか?単なる掛け声では変わらない問題で、ここに現代日本の特徴が見て取れるように思う。若者が将来に希望をもてない社会。

ところで、この盛り上がらない選挙の選挙前特集の朝日新聞の神奈川版にこのような記事があるのを見つけた。

横浜市西北部の青葉、緑、都筑、港北の4区を「横浜 丘の手」と呼ぶ人々がいるらしい。4年前は、この地区の有権者の得票数の多さによって、中田市政の誕生の原因となった地区で、旧来の岡と平地が入り組んだ「谷戸」地形が、東京、横浜のベッドタウンとして造成されて出来上がった地区で、横浜の新興住宅地である。

さて、上記の記事で驚いたのは、「全国消費実態調査(サンプル調査)によると、青葉区の1世帯の平均年間収入は1千万円を超す。」というところだ。他の3区も軒並み高額所得世帯が多いという。

この記事の元になったのは、平成16年全国消費実態調査家計収支結果表 というものらしい。URLはこれ
ほとんどの資料がエクセルで作成されており、その多いため、記事に該当する市町村レベルのデータは発見できなかった。

中田氏を4年前横浜市長に押し上げたのが、これらの地区の有権者であり、それらは、ヤング・リッチで東京志向が強いという。これらの地区でも今回は投票率は低かったようだ。今回の記事のような不満を西北部地区の住民が感じているのなら、いっそ、伝統的な「港・横浜」から戦後合併してくっついた「丘の手」市は独立した方がいいのではないかと、咲き始めた桜を見ながら考えてしまった。

閑話休題。

春になるとなぜかフランス音楽が聴きたくなるが、その中でも極め付きはこれ。

暑さ寒さも彼岸までというが、寒暖の差はまだ大きい。冬の寒さに耐えてきた体は急激な温かさには弱い。それで体調も崩れてしまい、物憂げな気分になる。特に、ヴィオラとフルートとハープのためのソナタは、「牧神の午後」への前奏曲より、気だるく聞こえる。

debussy_3sonates◎ドビュッシー
神聖な舞曲と世俗的な舞曲(ハープと弦楽合奏のための)
フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ
チェロとピアノのためのソナタ
ヴァイオリンとピアノのためのソナタ

ハープ:リリー・ラスキーヌ、フルート:ジャン=ピエール・ランパル、ヴィオラ:ピエール・パスキエ、チェロ:ポール・トルトゥリエ、ヴァイオリン:シャルル・シルーニック、ピアノ:ジャン・ユボー

« ベートーヴェンの命日に聞く C.クライバー/バイエルン国立管弦楽団による ベートーヴェン交響曲第4番 | トップページ | 有料cocolog ようやくバージョンアップ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

ディスク音楽03 アンサンブル」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。中田市長は無風当選でしたね。投票率があんなに低いのは意外でしたので、貴記事を大変興味深く拝見しました。横浜市民ではありませんが、最近仕事で北方面によく出向きますので、緑豊かな雰囲気もまた横浜かな、と思っておりました。なるほど「みなと」以上に横浜の今の姿だと合点がいきました。ドビュッシーのCDは私も愛聴してます。休日の午前に聴いたりすると、とてもリラックスできます。

yokochanさん コメントありがとうございます。

無風選挙で低投票率でしたが、当選した中田市長の得票数は過去最高の飛鳥田さんの得票を上回ったそうです。しかし、30%の投票率では常識的には信任投票にもならないのではないでしょうか。現在、ヨーロッパ諸国では投票率は高いそうですから、日本もどうにかすべきだとう思います。

東京周辺のベッドタウンは川崎市でも、埼玉県でも千葉県でも東京志向の強い勤労者世帯の多い地区と地元志向の強い地区の分裂があるのではないかと思います。

ただ、これも関東平野でも地デジが始まり、各都県別のニュースの配信などが始まれば、少しは東京集中志向が弱まるのではないかと期待しているのですが。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 横浜「丘の手」!?  ドビュッシーのソナタ集:

« ベートーヴェンの命日に聞く C.クライバー/バイエルン国立管弦楽団による ベートーヴェン交響曲第4番 | トップページ | 有料cocolog ようやくバージョンアップ »

2025年1月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31