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2006年4月 1日 (土)

モンテヴェルディ「聖母マリアの夕べの祈り」 ガーディナー

Monteverdi◎Claudio Monteverdi Vespro della Beata Vergine(1610)
(Vespers of the Blessed Virgin / Marien Vesper / Vepres de la Vierge)

& Magnificat a sei voci

1. Deus in adiutorium 主よ逆境にある私に目を向けたまえ
2. Psalmus:Dixit Dominus    主が我が主人に言った
3. Concerto: Nigra sum      私は黒い
4. Psalmus:Laudate pueri    しもべよ誉めよ
5. Concerto:Pulchra es     そなたは美しい
6. Psalmus:Laetatus sum 私は喜ぶ
7. Concerto:Duo Seraphim 二人の熾(し)天使が
8. Psalmus:Nisi Dominus もし主が
9. Concerto:Audi coelum 天よ、聞け
10.Psalmus:Lauda Jersalem エルサレムよ誉めよ
--
11.Sonata sopra Sancta Maria 聖なるマリアよ
12.Hymnus:Ave maris stella めでたし、海の星よ
13a.Magnificat(7声の)(私の魂が主を)誉める

13b.Magnificat(6声の)<<現在では通常13aが演奏される>>

The Monteverdi Choir, The English Baroque Soloists,etc.
John Eliot Gardiner

1989年5月 ヴェネチアのサン・マルコ大聖堂でのライヴ録音(6声のマニフィカトは1989年7月ロンドンでの録音)

クラウディオ・モンテヴェルディ(1567-1643)は、ヴェネチアの作曲家。1613年からはサン・マルコ教会の楽長。オペラ「オルフェオ」「ポッペアの戴冠」、多数のマドリガーレを作曲し、ルネサンスからバロックへの扉を開いた巨匠。(ちょうどその頃イングランドでは、シェークスピア(1564-1616)が活躍していた。)

このCDに収録された「聖母マリアの夕べの祈り」(「聖母マリアの晩課」)は、「祝福された処女(=聖母マリア)の晩祷」の名前から分かるように、ローマン・カトリックの晩課のための音楽。器楽の伴奏が用いられ、メリスマが多用される歌唱は、調和の取れたパレストリーナ的なルネサンスの音楽に比べて少々時代が下るだけだが、まさに「歪んだ真珠」的な、いびつながら多彩な「バロック音楽」の先駆といえるのだろう。

音楽辞典によると、「第一作法」古い対位法的なポリフォニー パレストリーナ様式 と「第二作法」ひとつまたは複数の(独唱)声部と通奏低音による協奏様式とを対置させているというが、その実例がこの「夕べの祈り」とのことだ。(「図解音楽辞典」p.303)
典礼的な演奏では、上記の曲目中のコンチェルトや楽器を伴わず、また終曲のマニフィカトもオルガン伴奏のみの13b.を演奏するようにモンテヴェルディが構成したのだという。

いまやピリオドアプローチのみならず最も注目されている指揮者の一人がこのガーディナーだが、彼の原点は、The Monteverdi Choir の名前が示すように、モンテヴェルディのこの作品の演奏だという。

この録音は、その彼の二回目の録音で、モンテヴェルディが楽長を務めた、ヴェネチア(ヴェニス)のサンマルコ大聖堂内でライブ録音されたもの。同時に映像も収録された。

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