レスピーギの命日に聴く スヴェトラーノフの「ローマ三部作」
1936/4/18レスピーギ(Respighi.Ottorino)没56歳(誕生:1879/07/09)イタリアの作曲家
◎オットリーノ・レスピーギ
ローマの泉
ローマの松
ローマの祭り
エフゲニー・スヴェトラーノフ指揮 ソヴィエト国立交響楽団
録音:1980年2月20日 モスクワ国立音楽院大ホールでのライヴ録音
このCDを購入したときの日記 2003年10月27日 (月) 10/26(日)に購入したCD
に、
◆超名演(迷演)と言われ、ヤフーオークションなどで数万円の値段がついたレアCDがリマスタリングされて発売されたものあり。エフゲニー・スヴェトラーノフ指揮のソ連国立交響楽団による、レスピーギのローマシリーズ三曲連続演奏のライヴ録音。もともと異様な曲なのでアッピア街道の松でも別にこういう解釈、怪演があったも不思議ではないと思いながら、フーンという感じで聞いた。こういう異形な演奏を有難がるマニアもいるのだということを実感した次第。ただ、1980年という末期のソ連(1991年崩壊)で、ソ連邦功労芸術家たる指揮者の鬱屈した破れかぶれの感情が表明されているのか。先年彼がN響を指揮した第九は、深沈とした演奏で、葬送曲を聴いているような感じを受けた。
と書いたCDを、今晩のレスピーギの命日に取り出して聴いた。「ローマの祭り」の初演者トスカニーニの規範的といわれる名演のCDも持っているが、今晩は少々解放的な、スヴェトラーノフ指揮を選んでみた。
一曲目の「ローマの泉」は、楽器の生の音が目立ち、木管のソロもあまり上手くない。またオケも指揮者もまだ集中力が欠けているように感じる。LP時代に聞いたオーマンディ指揮のフィラデルフィア管弦楽団のRCA盤では、オーケストラの音は磨き上げられ、この「泉」は繊細で華麗な響きが楽しめたものだが、スヴェトラーノフ盤にはそれを望むべくもないようだ。
二曲目の「ローマの松」が、このCDを有名にした演奏。
タイミングをトスカニーニと比較してみることで、この演奏の特異さ、ユニークさがよく分かる。
トスカニーニ(1953) 2:35/6:36/6:48/4:53
スヴェトラーノフ 2:44/6:56/7:41/7:09
四曲目、「アッピア街道の松」の極端に遅いテンポと延々と続く長大なクレッシェンドの効果はすさまじいものがある。それが作品の姿を歪めてはいても。スヴェトラーノフが表現しようとしたのは、栄光あるローマの軍隊の行進ではなく、老いたる巨象ソヴィエト連邦の葬送行進曲だったのだろうか。なお、ソ連(ロシア)とレスピーギには意外なつながりがあり、レスピーギは若い頃サンクト・ペテルブルクオペラのヴィオラ奏者としてロシアに滞在しているとき、管弦楽法の大家として知られていた「シェエラザード」のリムスキー=コルサコフに作曲を学び、オーケストレーションの極意を身に着けたといわれている。
三曲目の「ローマの祭り」は、トスカニーニに比べて極端に遅いのは2曲目の「50年祭」 (6:55と8:29)くらい。この曲の凶暴な情景描写は、トスカニーニの方に一日の長があるだろうか?
レスピーギの作品としては、この有名な「ローマ三部作」よりも、「リュートのための古風な舞曲とアリア」の慎ましやかな弦楽合奏の方が親しみ深いかも知れない。
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