R.ゼルキンで聴く シューマンのピアノ協奏曲
◎シューマン ピアノ協奏曲 イ短調 作品54
序奏とアレグロ・アパッショナート ト長調 作品92
ピアノ: ルドルフ・ゼルキン <1964年3月>
グリーク ピアノ協奏曲 イ短調 作品16
ピアノ:フィリップ・アントルモン <1958年2月録音>
指揮:ユージン・オーマンディ フィラデルフィア管弦楽団
ルドルフ・ゼルキンは、ドイツ音楽を得意とした巨匠だが、シューマンの録音は比較的少ないのではないだろうか?独奏曲の録音はあまり見かけたことがない。そのゼルキンがオーマンディ指揮のフィラデルフィア管弦楽団とシューマンのピアノ協奏曲を録音している。このCDは、中古店で、意外に思い購入したもの。
1960年代の録音としては、少々音質ににごりがあるように思う。そのせいか、ピアノの音色が野太く聞こえ、それもあいまって、そして何より情熱的でがっちりしたゼルキンのピアノにより、非常にたくましく男性的なシューマンのコンチェルトになっている。第一楽章の再現部で、ピアノのソロが見栄を切るかのように第一主題を再現するところなど、襟を正したくなるほど高潔な音楽になっている。フィナーレは少々スムーズでないパッセージも聞こえるが、全体として、ファンタジックというよりも、がっちりしたドイツ音楽を聴いた実感がある。
オーマンディのシューマンも珍しいのではないかと思うが、やはりこのコンビだけあり、どのパートもしっかりと音が出されているので、あいまいさがなく、こういうシューマンも面白い。
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