ヤナーチェク「シンフォニエッタ」「タラス・ブーリバ」 クーベリック/BRSO
レオシュ・ヤナーチェク(1854-1928)
シンフォニエッタ
「タラス・ブーリバ」(オーケストラのための狂詩曲)
ラファエル・クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団 1970年5月 ミュンヘン、ヘラクレス・ザール
セルのCDで愛聴している「シンフォニエッタ」だが、実に美しい弦楽合奏を作り出してくれるクーベリックの指揮によるこの曲と、未だ聴いたことのない「タラス・ブーリバ」がカップリングされているCDを見かけ迷わず購入した。
1970年といえば、セルがなくなった年だが、このクーベリックの録音は信じがたいほど鮮烈なものに仕上がっている。(その点、セルのシューベルト 大ハ長調は・・・)
おなじみの「シンフォニエッタ」は、いかにセルの指揮がカッチリしたものかを知らせてくれる演奏だった。と言っても、クーベリックによるこの曲が悪いわけではまったくない。これはこれで非常に魅力的な演奏だ。セルとクリーヴランド管の演奏が、非常に知的で洗練されているのに比べて、より融通無碍で解放的、自然の息吹が感じられる。クーベリックがスタジオ録音したDGのマーラー交響曲全曲録音はよく「草いきれのする」というようにたとえられているが、私自身はその批評がよく理解できずに来た。しかし、この「シンフォニエッタ」を聞いて、「自然の香り」がする演奏という意味が少し分かったような気がする。いわゆる、ラプソディックな演奏になっている。(とは言え、クーベリックのマーラーの5番など非常に洗練された演奏だと思うのだが)。
「タラス・ブーリバ」は、ロシアの文豪ゴーゴリによる小説「タラス・ブーリバ」によるオーケストラ狂詩曲だという。コサック民族(タタール人とロシア人の混血)の族長、タラス・ブーリバを主人公とする物語だとのこと。今回ほとんど初めて聴いてみたが、シンフォニエッタほど独創的な音楽ではないように思う。少し聞き込めば印象は変わるかも知れないが。
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