「ハリー・ポッターと謎のプリンス」を読了
すでに梅雨入りしたような天気で湿度が高く蒸し暑いのと肌寒いのが混じった少々不快指数の高い一日。
「ゲド戦記」の記事との関連で、「ハリポタ」のメディアコンプレックス戦略に批判的なことを書いてはいるが、ambivalentな「ミーハー根性」でついつい購入し、最新翻訳版を読み終えたところ。
これで第6巻だが、第1巻からの筋立てはそのままでマンネリ的。時間はこれで6年が経過したわけだが、学園ものとして同じように時間は流れるがスパイラル的にグルグル同じ場所を巡っていき、次第に最終巻に収束していくかのようだ。残念ながら深さや幻想性が増しているわけでもなく、次第に謎が解明はされていくが、すでに予定調和的な終末は見えるような気がする。その謎がどのように解かれて、どのような大団円を迎えるのかには興味があるので、おそらく最終巻も買って読むことになるだろうとは思う。
なお、帯には、世界3億冊、日本2100万部のベストセラーとなっている。私が購入したものは、近所の個人経営の書店に平積みになっていたもの。一応初版で、上下セットがビニールで包装されている。セット販売しか許されないとのこと。また、「特典」として専用袋に入れてくれる。オリジナル発売から約1年たってからの翻訳発売ゆえにか、少々メディアで話題にはなったが、ネットでの盛り上がりはどうなのだろうか?
書き忘れたが、原題は "Harry Potter and the half-blood pirnce" で、邦題が 「ハリー・ポッターと謎の王子」となっている。 half-blood は、通常は「父親だけ(または母親だけ)共通の兄弟姉妹のこと」を言うようなのだが、蔑称として「混血の」つまり、「半分だけ"まともな"血」(白人とアメリカ先住民との混血を白人側から呼ぶ蔑称)という意味もあるようだ。
当初の仮題としては「混血の王子」で流布しており、誰と誰の混血かという予測論議が巻き起こったようだ。要するに純血 pure-blooded (thoroughbred)に対する 混血ということで、生物的に見ればまことに愚かしい思想を有するこの物語のある側寄りの言葉を作者は敢えて使ったようなのだ。日本での訳者は、直訳では差しさわりがあるものと考えたのか、原作者の許可をとりつけ、the mysterious prince (謎の王子)をタイトルにしたもののようだ。
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