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2006年6月22日 (木)

セル/CLO ドヴォルザーク 交響曲第8番 EMI盤

Dvorak8_szellドヴォルザーク 交響曲第8番 ト長調 作品88

スラヴ舞曲ホ短調 作品72-2
スラヴ舞曲変イ長調 作品46-3

ジョージ・セル指揮 クリーヴランド管弦楽団 <1970年4月 クリーヴランド>


ジョージ・セルを愛好しているなどと言っておきながら、彼の最も人気のある彼の音盤のひとつ ドヴォルザークの交響曲第8番 1970年録音のEMI盤をこれまでLPでもCDでも所有していなかった。FM放送などでは聴いたことがあるとは思うのだが、これまで店頭で見かけても持ち前の天邪鬼さが頭をもたげて購入することはなかった。理由のひとつには、以前購入したCDで、すでにホームページにもこのBLOGにも書いたが、セルが逝去の年1970年に同じEMIに録音したシューベルトの大ハ長調の録音が部分的にビリツキなどが聞こえるもので、その悪夢を再現させたくないというのもあったかも知れない。

今回、セルに対して礼を失してしまうようだが、中古店のいわゆるセットものの分売に収録されていたCDを見つけて、はずれでもいいと少々気軽に構えて購入してみた。

これまで聴かなかった不幸を嘆くべきか、それとも今日聴くことができた幸運を言祝ぐべきか。

このEMI盤の録音は、CBS録音の比較的残響の少ない音響に比べて段違いにふくよかな演奏になっている。

吉田秀和が、「私の好きな曲」で「ドヴォルジャーク 交響曲第八番」を取り上げた際に、クーベリック/BPOによるドヴォルザーク交響曲全集盤の第8とともに、このセル/CLOのEMI盤を推薦している。

「セルの整然と一糸乱れぬ中にやさしさを込めた演奏」

「クーベリックのは、もっとダイナミックな動きにアクセントがおかれた、たくましい、そうして人間くさい演奏」

交響曲もスラヴ舞曲もそれまで聞かれなかったゆとりのある音響であり、表情の付け方、テンポの揺らし方も禁欲的ではなくなっている。セルの演奏というCREDITを知らずに漫然と聞けば、CBS盤の1958年録音とは別人の録音のようだ。楽曲を俯瞰的にそして細密にヴィヴィッドに描き出すスタイルをもっているというイメージの強いセルの指揮だが、このディスクでは、融通無碍の境地にいるかのように柔らかな表情が印象に残る。

この演奏を取り上げたBLOGは数多いようだが、相互に訪問させていただいているBLOGでも賞賛が多い。

先年、セル/VPOのザルツブルクライヴを購入したとき、それこそ続けて何度聴いても飽きなかったのと同じ轍を踏みそうだ。

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コメント

おはようございます。TB有り難うございました。
セルのドヴォルザーク、良かったですね。CBS盤は音が硬くて乾いて我が家では聴きにくいんですが、EMI盤の8番はイイ音で鳴ってくれます。クリーヴランド管のアンサンブルも超絶的です。ホンマに素晴らしい、名盤ですね。

mozart1889さん コメントありがとうございます。

素晴らしい演奏でした(^^♪
天邪鬼ぶりを反省しております。今度は正規盤を買おうと思っているところです。

これに味を占めてEMI録音のギレリスとのベートーヴェンのピアノ協奏曲全集(高校のときの音楽の先生が好きで、学校の高級オーディオで聞かせてくれました)も今度入手してみようと思います。

記事をご紹介いただき、ありがとうございます。セルの演奏は、基本的に直截なモダンなものが多いですけれど、晩年のドヴォルザークなどは、ほんとに人懐こい表情を見せてくれますね。「スラブ舞曲集」なども、ほんとに名演だと思います。

こんばんは。セルの最後の録音、セル自身が快心の出来栄えであったと言われるものですね。
この交響曲の、私には最初の盤(LP)であり、
今も大事にしています。

narkejpさん コメントありがとうございます。まさに「人懐こい表情」ですね。スタジオ録音にしてこのおおらかさには驚きました。主にCBSに残した多くのスタジオ録音にも自由闊達な即興性を感じるところはないわけではないのですが、この一枚はセル観の転換を迫るものだと、いまさらながら思った次第です。

丘さん コメントありがとうございます。LPで聴くとまた格別なことでしょうね。LPをどうぞ大切になさってください。私はこれから、CBS盤との聞き比べを楽しもうと思っております。

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