ショルティ シカゴ響 ボレロ 春の祭典 牧神の午後への前奏曲
ラヴェル ボレロ <1976年5月>
ストラヴィンスキー 「春の祭典」<1974年5月>
ドビュッシー 「牧神の午後」への前奏曲<1976年5月>
サー・ゲオルク・ショルティ指揮 シカゴ交響楽団
ブックオフで最初見たときはなんと珍妙なコンピレーションか、と思ったのだが、よく考えてみると、すべてバレエ音楽で、さらに考えてみると、これはロシア・バレエ団(バレエ・リュス)の委嘱曲だと思い至った次第。ナイス!(と思ってよく調べたら、ボレロバレエ・リュスからの委嘱作ではない模様。残念!)
前にも書いたが、1970年代、ショルティ/シカゴがデッカの看板として全盛の頃は、敢えてショルティで聞きたいとも思わなかったため、ほとんどショルティの音盤は買ったことがなかった。LP時代では、ロンドンフィルとの「惑星」、マーラーの8番程度しかなかった。CDでは、「ヴァルキューレ」、ブルックナーの第九程度。そんなわけでショルティの指揮するものを聴くのは、ほとんどが初めてなので、結構新鮮だ。
微妙な中間色的ニュアンスには乏しい音楽を作り出した人で、その微妙なニュアンスにこそ非常に大切な音楽的な意味がある場合には、それこそショルティの音楽は無味乾燥になりがちだが、逆にソフトフォーカスで雰囲気的に演奏されがちな音楽が、ピントがシャープに合った極彩色の写真のようにくっきりとしたコントラストをつけてたち現れるのもある意味で面白い。このCDでは、その意味で最も面白く聞けたのは、「牧神の午後」への前奏曲だった。また、ボレロの方も、名人オーケストラの精密さが全開で、ショルティの精密なクレッシェンドの妙技を聴くことができる。ショルティは自ら音程の正確さとともに音量の大小もディジタル的な感覚で把握できたらしい。
「春の祭典」は、第二部が面白かった。
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コメント
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なるほど、それでこの選曲ですか。おもしろいですね。ジャケット写真、私にはどうも力こぶを自慢するヘラクレス、に見えるのですが、老眼のせいでしょうか、ショルティの演奏のせいでしょうか(^_^;)/
投稿: narkejp | 2006年6月21日 (水) 21:29
narkejpさん
楽しいコメントをありがとうございます。確かにそうも見えますね^^;
最近中古CDではこれまで食わず嫌いであまり聴く機会がなかった演奏家で面白そうなものがあればできるだけ聴いてみることにしているのですが、固定観念の所為か好みの問題か、感想はビミョーです。その中ではショルティは自分としては再評価気味です。今度書くつもりのチョン・キョンファとのバルトークのヴァイオリン協奏曲第2番など。
投稿: 望 岳人 | 2006年6月21日 (水) 23:38