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2006年7月 2日 (日)

マーラー 交響曲第1番ニ長調 若杉弘 SKD 1986年録音

Mahler1_wakasugi_skdマーラー 交響曲第1番 ニ長調 (「巨人」)
若杉弘 指揮 シュターツ・カペレ・ドレスデン (ドレスデン・シュターツ・カペレ/ドレスデン国立管弦楽団)

15:11/7:50/10:22/19:49 <1986年8月録音>

2004年11月 8日 (月)の記事で触れたCDだが、なぜか聴きなおしたくなり聴いてみた。

名門ドレスデン・シュターツ・カペレを、かつてその常任を務めたことがあった若杉弘が指揮したCD。

現在、同曲の手持ちのCDは、テンシュテット/LPOのスタジオ録音盤、小澤/BSOのフィリップス盤。LPでは、ワルター/コロンビア響盤だが、再発盤を数度聴いた程度。

マーラーブームの周縁をうろついていただけで、いわゆるメインストリームの音盤や実演にはあまり触れたことがないため、比較する基準がほとんどないのだが、この若杉/SKD盤は、オーケストラの演奏が非常に魅力的で聴いていて楽しい。SKDは素晴らしいと言われるのを読んだり聞いたりしてきたが、そのオケの録音を素晴らしいと思ったのは、ザンデルリングのブラームスの1番と並んで、この若杉盤のマーラーの1番が筆頭に挙がるかもしれない。(そうは言ってもそんなにSKDの音盤を聞いたことがあるわけではないのだが。)この演奏もマッスの響きが美しい上に、各パートが魅力的で、細部まで大切に克明に演奏されているのが聞き取れる。

同時期の小澤のフィリップス盤は、第四楽章のみに空元気をぶっつけたような妙に味が薄い演奏に聞こえるのだが、若杉盤は同じ日本出身の指揮者とはいえ、味付けも薄すぎず雄弁なオケを充分鳴らして非常に初々しい健康的なマーラーの青春交響曲を現出してくれている。

以下余談:それにしても、こうしてタイミングを並べてみると、指揮者の傾向も、オケも違うのにそれぞれの楽章のタイミングがほとんど1分以内なのには驚かされる。たとえば、第四楽章の第一主題部と第二主題部のテンポの差のつけ方など部分的なテンポの変化などそれぞれの演奏で相当違うはずなのだが。

  若杉盤       15:11/7:50/10:22/19:49<1986/8録音>

  小澤盤       15:51/7:22/10:33/19:56 <1987/10録音>

テンシュテット盤  15:52/7:45/10:48/19:18<1977/10録音>

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ディスク音楽01 オーケストラ」カテゴリの記事

コメント

若杉・SKD 盤は私も好きです。
いわば、隠れ名盤ですね。つややかなオケの音が素晴らしいですね。
標準盤としては第1に来てもおかしくないですね。

ピースうさぎさん コメント、トラックバックをいただきありがとうございます。TB元の記事を拝見しました。「豊かな残響の中で潤いのある美しいアンサンブルが聴ける。」まさにおっしゃるとおりだと思いました。

若杉盤、ボクもよく聴きます。
SKDの音が、DENONやドイツ・シャルプラッテンの録音に比べて、輝かしく、明るいですね。
もともとは独エテルナ原盤だと思うんですが、かなり華やかなSKDの音が楽しめます。
演奏も、中庸路線でボクが好むところです。

こんにちは。コメントありがとうございます。

ピースうさぎさんのトラックバックをたどってmozart1889さんの記事も読ませてもらいました。自分の記事をアップした後、テンシュテット、小澤盤を聞きなおしましたが、改めて若杉盤の細部まで克明でありながら全体も美しい演奏・録音の魅力は素晴らしいと思いました。

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