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2006年7月22日 (土)

長野水害と「脱ダム宣言」の田中知事

まずは今回の水害の被災者の方々にお見舞いを申し上げます。

さて、梅雨末期の大雨は、近年各県で猛威を奮い、印象に残っているのでは、栃木県の北部での水害や、昨年の新潟地方の水害が記憶にあるが、今年は7月中旬、長野県の西部での総降水量が膨大だったようで、諏訪湖の湖岸の岡谷市での土石流災害、諏訪湖から流れ出す天竜川が増水により決壊と、近年にない水害に見舞われた。降水量としては記録的と言われる豪雨であり、いわば未曾有の災害だったとも言えるのかもしれないが、このような梅雨時の大雨は地球温暖化の影響ではないかと指摘する向きが多いようだ。

さて、現在長野県の県知事である田中康夫氏は、建設省→国土交通省の土木工事による治水事業に対して「脱ダム宣言」をぶつけて守旧派の副知事を退けて知事に当選した経歴をもっている。森林の保水力を維持、復活させて土石流、洪水を防ごうという思想で、巨大な治水ダムを建設して短期間無理やり洪水を防ごうという技術至上主義を否定しようとするもので、その考え方自体は悪くはないと私は思う。

しかし、人為による全地球規模での気象変動により、このような洪水が相次ぐことになったとみなす向きが多い今、悠長なことは言っていられないという考え方も当然出てこよう。

この8月に、自民党の長野県選出の国会議員だった村井氏と一騎打ちで3選目(途中、議会不信任のため任期途中で選挙があった)の知事選を戦うことになったが、今回の災害についての両者の総括の内容が選挙結果に大きな影響を及ぼすものと思われる。

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コメント

8月6日に選挙が行われ、前衆議院議員の村井氏が、現職の田中氏を61万対53万票の得票数で8万票の差を付けて退け当選した。田中氏の一期目では、それまでの県政への反発から田中ブームが巻き起こり圧倒的な強さで当選したが、その後田中氏の対議会運営の素人的なまずさ、露骨なパフォーマンス、反田中陣営との露骨で低レベルな揚げ足取りが続き、泡沫政党の立ち上げなど田中氏の人間としての底も見えたため、すっかり一般県民(それほど県政に既得権益がない層)は飽きてしまったところがあるように感じる。その意味で今回の結果は予想の範囲内だった。

これで県政は大規模なゆり戻しが行われるように思うが、また露骨にやりすぎると反発が生じることだろう。

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