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2006年8月27日 (日)

バリリ四重奏団によるベートーヴェン Op.18-4,5,6

Barylli_beethoven_sq46

ベートーヴェン 弦楽四重奏曲 第4番 ハ短調 Op.18-4  〔1952年〕
                   第5番 イ長調 Op.18-5  〔1952年〕
                   第6番 変ロ長調 Op.18-6 〔1953年〕
バリリ四重奏団 

先日、アルバン・ベルク四重奏団の新しい方のライヴ録音盤のベートーヴェンの初期弦楽四重奏曲Op18-1~6を入手したが、まだ感想がまとまらないので、記事をアップできないでいるが、たまたま入手できたバリリ四重奏団による古いウェストミンスター盤の復刻(モノーラル)を聴いてみて、まずはこちらから感想をアップしてみようという気になった。

1952年と1953年にヴィーンのコンツェルトハウスのモーツァルトザールで録音されたもので、モノーラルなのだが、MVCW-19055という最近の復刻盤の復刻がうまくいっているらしく、室内楽的に大変聴きやすい音質になっている。

50年代のヴィーンというと、少々ダルな連想をしてしまいがちだが、このバリリ四重奏団の演奏は、清新ではつらつとした魅了が満ち溢れているように聞こえる。

ハ短調 作品18の4は、6曲セットの中で唯一の短調であり、またベートーヴェンとしては特に意味のあるハ短調を用いた作品だが、そうだからと言ってむやみに悲愴がることなく、若いベートーヴェンのはつらつとした魅力をよく奏でてくれる。四本の楽器の分離という点では、モノーラルであるので、もちろん細かい聞き取りは難しいのだが、それが却って、音楽としてストレートに伝わる原因になっているのかも知れないなどとも思う。

作品18の5イ長調のナイーブな活発さ、作品18の6変ロ長調の第四楽章Adagioの悲哀に満ちた表現など、古い録音も見直されているベートーヴェンの弦楽四重奏曲だが、このバリリの魅力は全曲を聞きたいと思わせるものがある。

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