ニールセン 交響曲第4番『不滅』 バーンスタイン/NYP
交響曲第4番作品29(『不滅』) 13:18/5:18/11:41/9:54
レナード・バーンスタイン指揮ニュヨーク・フィルハーモニック
カップリング:交響曲第2番作品16(『四つの気質』)
10:18/5:25/12:16/6:31
〔第2番:1973年2月12日、第4番:1970年2月9日〕
ニールセンのこの『不滅』と呼ばれる交響曲は、これまでインターネットの音楽情報ではよく目にしたのだが、これまでついぞ聴く機会がなかった。吉田秀和『LP300選』や柴田南雄『おしゃべり交響曲』やレコ芸の『300選』ものなどにも登場せず、店頭でもほとんど目にしなかった。
デンマークと言えば、ハムレットとアンデルセン程度しか知らず、このニールセンにしてもこれまで名のみ知り、作品には触れる機会がなかった。デンマークの中心民族のデーン人は、北方ゲルマン人ということで、ノルウェー、スウェーデンやドイツ北部と共通性を持ち、その言語もドイツ語やオランダ語などと相当共通性を持つのだという。ニールセンという名前だが、英語ではニルソンとなり、アンデルセンがアンダーソンとなるのと同じで、ニルスの息子という意味の姓だという。これは、古代ゲルマン人の母系社会(多夫一婦制)の遺産とも言われている。閑話休題。
ニールセンの交響曲も上記のように以前から脳内"WISH LIST"に入れてあったのだが、ようやく巡りあえたという感じだ。バーンスタイン没後の追悼盤ということで、彼がCBSに残した主にニューヨーク・フィルハーモニックによる録音のうちの一枚。
ニールセンについては、ライナーノートを読むと、非常に貧しい生まれだったがオーケストラのヴァイオリン奏者として就職し、その後、メンデルスゾーンの弟子として知られるデンマーク人のガーデ Gade(ビルスマの70歳記念盤で、師のメンデルスゾーンと同じ編成の八重奏曲を聴くことができる。そういえば、コンスタンツェ・モーツァルトが再婚した相手はデンマーク人のニッセンだった)に師事して作曲を学んだのだという。
早速『不滅』という題名のついた交響曲を聴いてみた。この曲は、これまでまったく聴いた記憶がなかった。親しめるまでには時間がかかりそうだ。
全体切れ目なく演奏される単一楽章だというが、はっきり四つの部分に分かれる。
第1の部分など結構よく鳴るオーケストレーションのようだが、どうにもとっかかりにくい。印象的なのは、第3の部分。弦楽合奏の響きに第一次大戦後に生まれた曲という雰囲気が感じられる。後年のショスタコーヴィチを連想させるようなところがある。第4の部分は、標題音楽的な捉え方をすれば、第3部分の悲劇を克服する勝利の音楽のような見方も可能かも知れない。ティンパニの乱れ打ちのような演奏が印象に残る。
なお、フィンランドの交響曲作家シベリウスもニールセンと同じ1865年生まれだという。
P.S. 先のラフマニノフのピアノ協奏曲の第2番もそうだったが、この曲も「のだめカンタービレ」に関係があるということが判明した。「のだめ」最新刊第16巻の最後の次巻予告に、交響曲「不滅」が取り上げられることが掲載されていたのだ。第16巻中のリハーサルにもニールセンの名前が出てくる。エルガーのヴァイオリン・ソナタなどは「のだめ」がきっかけで愛好者が増えているが、この「不滅」もそのうち人口に膾炙するかも知れない。
P.S. 2006.10.29 丘さんの同じ曲の同じ演奏のCDの記事からトラックバックをいただき、この記事からもトラックバックさせてもらった。
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» ニルセン 交響曲 第4番 「不滅」 [音に巡る想い]
ニルセンの交響曲第4番には「不滅」というタイトルが付けられている。
本来は、「(火などを)消すことが出来ない」 とか 「(感情などを)抑え
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その語に「不滅」の訳語を当てたということ。
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おはようございます。ニールセンは同じ演奏のCD一枚だけです。
最初聴いた時はアメリカの音楽かと思いました。フィンランドと
デンマーク、しかも同じ時代のシベリウスの音楽とこうも違うもの
かと、驚きですね。
ものすごく個人的な感想ですが、以前書いたのをTBさせてもらい
ました。
投稿: 丘 | 2006年10月29日 (日) 07:48
丘さん、コメント、トラックバックありがとうございます。
今朝は、朝から小雨が降っており、音楽とネットで過ごそうかと思っております。
数度聴いただけではニールセンの言いたいことがつかめない感じで、ちょうどシベリウスの馴染めない交響曲と同じ印象を受けていますが、ニールセンの『不滅』の丘さんの記事を拝見し、各楽章の特徴が詳しく書かれていて参考になりました。
触れられていましたが、日本でも馴染み深いブロムシュテットのニールセンは評判がいいようですね。とっつきにくい曲も、演奏者によってはがらっとその面貌を改めることがあるので、いずれそちらも聴いてみたいと思っています。
投稿: 望 岳人 | 2006年10月29日 (日) 09:13