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2006年10月27日 (金)

吉田秀和氏(93)に文化勲章

今日の夕刊に出ていた。吉田氏もレコード芸術の連載再開などすっかり元気を取り戻され、今度は朝日新聞の夕刊にも四季に一度ずつ『音楽展望』を掲載する予定だという。

その他の受賞者で名前を知っている人は、瀬戸内寂聴氏のみ。文化功労者では、丸谷才一氏、山崎正和氏、高倉健氏、黒川紀章氏くらい。オペラ演出家の栗山氏、舞台美術の朝倉氏は名前は聞いたことがある程度。

夕刊には、吉田氏の談話も掲載されていた。自らパイオニアとして切り開いてきたが「国から等閑視されてきたきらいのあるクラシック音楽とその音楽批評」がようやく認められたという安堵感があるようだ。

P.S. 2006/11/2

11/1の朝日新聞夕刊に秋の『音楽展望』が早速掲載された。懐かしい文章が読めてうれしかった。モーツァルトについてはワルターとアーノンクールの演奏を対比。ショスタコーヴィチの諸作品についても書かれていたが、シューマンへの言及がないのは、シューマニスト?吉田秀和氏の文章としては少々寂しかった。

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コメント

九十三歳とは思いませんでした。お元気そうですね。音楽会場で良くお見掛けしたのが懐かしいです。

褒章などはそんなものかなとも思うのですが、正直文化勲章かなと云う気持ちはあります。音楽愛好家への啓蒙は大きいとしても、ご自身の言われる芸術文化評論としての価値は疑問です。

また音楽界への貢献は非常に大きいと思うのですが、影響と云えば殆ど無いのではないでしょうか。評論家は何時の時代も保守的な人が多いのは当然としても、思潮としてはかなり昔に固定されてしまっていてある意味若年寄りであったような気がします。

ドイツのシュトュケンシュミットなどが活躍していたのは既に半世紀前の話しですから、吉田秀和氏と現代では隔世の感があります。

年齢で驚いたのも、こうした時差があって時代の錯覚があるからでしょう。それでも現役でご健在と云うことで、こうして批判出来るだけでも嬉しく思います。今後もお元気で活躍されることを願っています。

pfaelzerweinさん、コメントありがとうございました。

吉田秀和氏の著作や放送には大いに楽しませてもらいまた刺激も勉強もさせてもらった者としては、今回の受賞は大変喜ばしく感じております。

評論や批評が創造的な芸術活動に及ぼす影響という点で、その価値というものは常に議論のあるところだとは思いますが、極東の島国日本で、世界的な視野に立って日本語で西洋音楽の評論を実践されてきた業績は言うまでもありません。

吉田秀和氏の非常にくだけた調子ではありながら品格を失わず、高度な内容を備えた文章の面白さは、エッセイとしてもなかなかめぐり合えないものだとも思っております。今回も作家や劇作家が文化勲章、功労賞を受賞されることになっていますが、評論文・エッセイの価値が顕彰されたのは、素晴らしいことです。

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