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2006年10月 9日 (月)

バーンスタイン/VPO ブラームス 交響曲第1番

Brahms_1_bernstein ブラームス 交響曲第1番ハ短調作品68
 レナード・バーンスタイン指揮
  ヴィーンフィルハーモニー管弦楽団
   (ソロ・ヴァイオリン:ゲルハルト・ヘッツェル)

〔1981年10月1-12日 ヴィーン、ムジークフェラインザール、編集ライヴ録音〕
       17:31/10:54/5:36/17:54

1979年のバーンスタイン/NYPによるショスタコーヴィチを聞いたが、今回は、やはり先日ベームで聞いたブラームスの交響曲第1番を聞いた。

ベーム/VPO〔1975年5月〕は、14:13/10:41/5:05/17:52 というテンポだが、バーンスタインの方が第1楽章が時間が長い。序奏部を除く提示部(2:47-6:09)の繰り返しをしていることにより、繰り返しを除くと約14:09となる。また、その他の三つの楽章の所要時間は、ベームとほとんど同じだ。また、コンサートマスターもベームと同じゲルハルト・ヘッツェルが務めているものと思われる。

ベーム盤からほんの6年後の録音だが、ちょうどベームが亡くなった(1981/8/14)直後の録音になる。バーンスタインがVPOに客演したのは、1966年ということだが、それ以来彼の1990年の死まで客演指揮者としての密接な関係が続き、初期のマーラーの『大地の歌』、1970年代末のベートーヴェンの交響曲全集、このブラームスの交響曲全集、それぞれの協奏曲全集、シューマンの交響曲全集、モーツァルトの交響曲集など多くの録音を残した。そしてマーラーの交響曲全集の映像版ではマーラー演奏に抵抗を示したVPOにマーラー演奏を植え付けたりもした。またこの時期は、1982年にBPOとの関係が悪化したカラヤンが盛んにVPOに客演した時期にもあたり、1989年の死去までカラヤンはVPOを数多く指揮した。

ベーム/VPOとは、まったく同じ演奏会場であり、また各楽章の所要時間もほとんど変わらない。録音もアナログでレーベルも同じドイツ・グラモフォンである。しかし、録音から受ける印象は相当異なる。ベーム盤は、いくら柔軟でしなやかなVPOを相手にしているとは言え、基本的にはあの厳格なBPO盤と同じ解釈であり、造形的にはがっちりした音楽作りをしている。それに対して、バーンスタインは、滑らかなレガートを多用した音楽作りをしており、テンポはベームとほぼ同じはずだが、メリハリが意外にも少ないためによりゆっくりしたテンポの音楽に聞こえるのが不思議だ。また、ベームの方がザンデルリングなどに共通したモチーフの楽器群の受け渡しなど立体的な音楽を感じたのだが、バーンスタインの方はその点それほど精緻に音楽を組み立てていないように聞こえる。柔和な響きで流動的で滑らかさが特徴だ。それでも、終楽章の主部のストレッタの部分のダイナミックな迫力はさすがにバーンスタインというところだろうか。

◆セル/クリーヴランド管弦楽団〔1960年代〕   13:05/9:22/4:41/16:20
◆ジュリーニ/PO 〔1961年1月〕           14:11/9:28/4:55/18:08
◆ザンデルリング/SKD〔1971年3,6,11月〕     14:22/9:50/5:05/17:15
◆ベーム/VPO〔1975年5月〕             14:13/10:41/5:05/17:52
◆ショルティ/CSO 〔1978年5月〕           16:45/9:48/4:40/17:19
◆バーンスタイン/VPO〔1981年10月〕        17:31/10:54/5:36/17:54
◆小澤/サイトウキネンオーケストラ〔1990年8月〕 13:02/8:16/4:50/16:30

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コメント

これ、懐かしい演奏です。
バーンスタインのブラームス全集は、LP時代に発売直後に買いました。4枚組9200円だったと思います。
バーンスタインのベートーヴェン全集が出た頃からクラシック音楽を聴き始めたものですから、この頃は、もう最高の指揮者はバーンスタインでした。
情熱的で精力的で、推進力に富んでいて何より音楽が瑞々しい。バーンスタインのそんなところが大好きで、人工的なカラヤンの演奏などは大したことないなどと、いっぱしの「アンチ・カラヤン」を気取っていた時期でもありました。(今は、そんなことはありませんが)。
4曲とも懐かしいんですが、この1番と4番が特にバーンスタイン的なスケールと情熱で良かったと思います。

mozart1889さん、いつもコメントありがとうございます。

バーンスタイン/ニューヨークフィルのLP「運命・未完成」が初めて自分の意志で買ってもらったもので、私もバーンスタインには思い入れがあります。それこそ擦り切れるほど聞きました。今聞きなおしてみると相当粗の目立つものですが、それでも大切な音盤になっております。

バーンスタインも没後16年も経過するんですね。学生時代に、VPOとのベートーヴェン、ブラームス全集などが発売され、その活躍の模様もFMのライヴなどで放送されたのも懐かしく思い出します。

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