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2007年4月29日 (日)

上野 科博 花展と 本館(日本館)の再開館

20070429040_1
写真:ヒマラヤの青いケシの花(生育状態)。

上野の科学博物館では、特別展として、サントリーが栽培に成功した世界初の青いバラを初めとした「花展」を開催中で、大型連休前半の2日目の今日、家族とでかけてきた。上野駅は、公園口の改札がすでに「出場者」で列をなしているほどで(結局はその多くが上野動物園への来園者だったようだ)、ゴールデンウィークは盆正月と異なり、都心も人が多い。さて、花展は、水中植物が陸上にあがり、次第に裸子植物に進化したことは現在化石などから確認されているが、肝心の花展の目玉である「被子植物」の進化については、その祖先が何からいつ枝分かれしたのかが分かっていないという信じられないような現状を知ることができて、それが収穫だった。

これまでの人気のある恐竜博や南極展などとは異なり、それほど鮨詰めの入場者というほどではなく、比較的のんびりと見物できたが、それもそのはずで、我が家の二人の男の子は結構飽きてしまったように、子どもはそれほど花には興味がないようで、中年、熟年層の来場者が多かったようだ。

写真は、奇跡のようなヒマラヤに咲く青いケシの花の実物。その他、奇想天外だとか、ラフレシアだとか、バオバブだとか珍しい植物も展示されており、それなりに面白い展示だった。肝心の「青いバラ」だが、このケシの碧空の色に染まったかのような色ではなく、「紫のバラ」というほうがふさわしい色だった。それでも、花自体の色素によりそのような色が出せたのは画期的だという。(このバラは撮影禁止)。 

その他、源氏物語絵巻を再現した展示20070429057 では、十二単などの衣装の文様などにいかに多くの植物が使われていたかがよく分かる。この後見た日本館では現在の栽培種の様々な菊が野菊から品種改良された系統が金魚の系統と並んで展示されていたが、花展では、サクラソウが江戸時代に品種改良ブームとなるほどもてはやされていたことを知り驚いた。(人間の力が加わると、猫でも犬でも無数というほどの多彩な種類が作られるように多くの生物が短期間に品種「改良」される。生物の遺伝というものが結構不安定なものであることを知る。人類でも「品種改良」ではないが、日本人の鎌倉時代の長頭化、江戸時代以来の短頭化の現象も遺伝・適応のすばやさの表れの一つだろうか。)

公式BLOGはこれ。また、公式サイトはこれ

第二展示は、植物学者カール・フォン・リンネ(1807-1878)の特別展。(ここはすべて写真撮影禁止。)リンネがスウェーデン人ということを初めて知った。フォンという前置詞からはドイツ系だと思っていたのだが。なお、リンネの弟子の一人は、江戸時代?の日本を訪れており、日本の植物を多く報告しているという。(シーボルトも1796-1866なので、ほぼ同時代人)。写真展は、多くの花の雄蕊と雌蕊をエロス・生殖的観点から拡大したもの。美麗なものが多かったが、少々息苦しい。

20070429100_1 写真: 本館(現「日本館」のフーコーの振り子)。

本館(日本館と名前を変え、これまでの新館は、地球館に変更になった)は、この4月17日に工事が完了し再公開が始まったばかりだということで、従来と展示内容は大幅に変わり、最新の展示によって日本列島の生物や地質などの様子が概観できるようになっていた。建物は、昭和3年当時の古いままで、趣のある建築だが、展示内容は、最新鋭の展示物により結構見ごたえがあった。特に人類関係の展示が興味深く、旧石器、縄文、弥生、中世、近世のリアルな生活様式や服装を伝える人形(実物大モデル)はあまりに迫真的で少々気味が悪いほどだった。

この後、「地球館」をそれぞれが、自分の興味に応じて一時間ほど見物して、5時までたっぷりと楽しむことができた。

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