上橋菜穂子のファンタジーが面白い
現在、NHK BS2(BS11)で毎週土曜日の午前8時5分から『精霊の守り人』のアニメーションが放映されているが、この原作者 上橋菜穂子の『守り人』シリーズは、児童文学の世界では2000年頃から相当話題になっていたものらしい。作者は、立教大学で文化人類学を学び、現在大学にも籍を置いている女性作家で、ル・グゥィンを連想させるような経歴の持ち主だ。
昨年あたりから妻が図書館で本を借りてきたが、その頃は興味がなく、手にとることはなかった。しかしアニメーションがあまりにも面白いので、原作も読みたいと思っていたところ、新潮文庫から今年になって『守り人』シリーズの1,2が発刊されて容易に入手できるようになっており、最近読み始めた。
第1巻『聖霊の守り人』、第2巻『闇の守り人』を一挙に読んでしまった。
日本でのファンタジーの嚆矢ともいうべき『誰も知らない小さな国』を始め、ファンタジー小説は、児童文学分野で出版されることが多く、最初は子どもが手にとって楽しむのだが、次第にその読者層を大人にも広げていくという形をとることが多いようだ。上橋菜穂子の場合も同じで、児童文学に分類され、最初はちょうどその年代の子どもがいるような大人しかそれに触れることはないが、次第にクチコミなどで評判が広まり、人気が出てくるようだ。
彼女の作品は最近図書館での予約待ちではなかなか読めないほどになっており、妻が『獣の奏者』という新作ハードカバー(講談社)を2巻購入してきたので、読んでみたが、これも守り人シリーズ同様、アジア、特にチベットなどを想像させるような地域を舞台にしており、非常に読み応えのあるものだった。
子ども向きファンタジーなどと言っている人にも是非勧めたいものだ。
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