ムソルグスキー 『展覧会の絵』(リヒテルのソフィア・ライヴ)
モデスト・ムソルグスキー(1839-1881)
組曲『展覧会の絵』(原曲のピアノ版)
スヴャトラフ・リヒテル(ピアノ)
〔1958年2月、ソフィア、ブルガリア、ライヴ録音〕
昨年の秋、手持ちの『展覧会の絵』の聞き比べの記事を投稿したが、その後、リヒテルの『展覧会の絵』を聴きたくて、このCDを購入した。
ホロヴィッツ リヒテル
1.Promenade 1:22 1:25
2.Gnomus 2:20 2:27
3.Promenade 0:49 0:45
4.Il vecchio castello 3:49 4:50(4+5)
5.Promenade 0:28
6.Tuileries 1:06 0:57
7.Bydlo 2:36 2:15
8.Promenade 0:36 0:33
9. Ballet des poussins dans leur coques 1:17 1:09
10.Samuel Golednberg und Schumuyle 2:18 1:42
11.Limoges- Le marche 1:17 1:17
12.Catacombae(Sepulchrum romanum) 1:17 3:52(12+13)
13.Con mortuis in lingua mortua 2:21
14.La cabane sur des pattes de poule 3:30 2:51
15.La grande porte de Kiev 4:28 4:57
Wikipediaによると1958年といえば、西側デビューが1960年というので、まだソ連の鉄のカーテンに閉ざされた状態だったはずだが、このライヴ録音は西側でも発売されたのだという。よくもこのような状態の録音が残されたものだと思う。マルPマークによれば、初発売は、フォノグラム・フランスにより1959年だった。
リヒテルのソフィア・ライヴは、録音年代は比較的古く残念ながらモノ録音になっている。冒頭のプロムナードの最初の方で確かにミスタッチがありリヒテルの動揺が聞き取れるが、それほど気になるほどのものではない。音質も、ホロヴィッツのヒストリー録音に比べると格段に聞きやすい。
ただ、この評価の高いライヴ録音を聴いてもそれほど面白さを感じないのは、自分のこの曲への熱中度が相当低くなったためだろうか。高校時代には、オーマンディとフィラデルフィア管の演奏をよく聞き、どの曲も耳なじみではあるのだが。
中では、最初からフォルテでピアノが壊れるのではと思うほどガンガン鳴らす『ビドロ』は、荒っぽいが燃焼度が高い演奏だと思う。この曲あたりから、リヒテルも興に乗ってきたように聞こえる。
ライヴということもあり、全体に洗練された演奏ではなく、ロシア的な豪快さと神経質さが綯い交ぜになったものだが、ピアノ表現の幅広さを象徴するような演奏でもある。バーバ・ヤーガは猛烈な演奏。キエフの大門は、とろどころ苦しいが、ヴィルトゥオーゾの面目躍如だ。最後にはピアノの調律がずれたようにも聞こえるほど。
なお、このパノラマシリーズには、ジュリーニ/CSOのラヴェル版の『展覧会の絵』、若きマゼールとBPO(1959年)による『はげ山の一夜』、ヤルヴィ指揮ファスベンダー(Ms)による歌曲集『死の歌と踊り』、、プレトニョフによる『ホヴァンシチナ』前奏曲(モスクワ河の夜明け)、アバド/ヴィーン国立歌劇場による『ペルシャの女奴隷たちの踊り』、ヴィシネフスカヤ(S)とマルケヴィチによる『6つの歌曲』、カラヤン/VPO、ギャウロフ等による『ボリス・ゴドゥノフ』の抜粋が収められている。
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