イル・ジャルディーノ・アルモニコのブランデンブルク協奏曲
エアチェックでは、名盤の誉れ高いカール・リヒターとミュンヘン・バッハ管弦楽団、LPではパウムガルトナーとルツェルン音楽祭弦楽合奏団というモダン楽器の伝統的なアプローチの演奏を聴いていたが、CDでは、小学館の全集に含まれているゲーベルとムジカ・アンティクァ・ケルンの先鋭的なピリオド演奏、そして今回のイル・ジャルディーノ・アルモニコの少々エキセントリックなピリオド演奏と、少々両極端な鑑賞になっている。
CDの帯(というのか背当ての紙)には「衝撃のバロック・アンサンブルによる超快楽バッハ!!」という惹句が書かれている。ジョヴァンニ・アントーニーニ(トラヴェルソ、リコーダー奏者)に率いられたこのイタリアのピリオドアンサンブルは、例に漏れずヴィヴァルディの『四季』が評判を呼んだ団体らしい。
このブランデンブルク協奏曲全曲の録音は、1996年10月、12月と1997年1月で、スイスのルガーノでのもの。
第4番の第1楽章や第3楽章は、リコーダーとヴァイオリンのソロが楽しい曲だが、オブリガートのヴァイオリンのフレーズをエンリコ・オンフリという奏者は、ゲーベル並みの猛スピードで、なおかつうねるような表情をつけて演奏してりしており、本当に思い切った演奏をしている。これが単なる虚仮脅しかどうかは、何回か聴いてみなければ分からないが、初めて聴く分には面白かったことは確かだ。
ジャケットは、ご覧のように、パンクロック風?だが、「ロックのような強烈にドライブする演奏、ヨーロッパの若者の間で圧倒的な支持を受けるグループ」という宣伝文句の趣旨と同じコンセプトでデザインされたもののようだ。ただ、ロックのようなとは書かれてはいるが、バッハの音楽はさすがに強靭で、相当いじった演奏だが、型崩れは起こしてはいない。
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コメント
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はじめまして。
以前の記事を拝見致しまして、、、おじゃま致します。
実は今年12月に、エンリコ・オノフリ氏(イルジャルディーノのコンマス&独奏)として20年来活躍)が紀尾井ホールで「四季」を全曲演奏するとの情報を得ました。もしやすでにご存じかもしれませんが、以下の日本の公式ファンサイトで、詳細を見る事ができます。四季の、、、伝説ともなったレコーディングから15年がたち、当時26歳だったオノフリ氏も演奏家として最高の年齢を迎えつつあるのではないでしょうか。少なくとも私は今から公演が楽しみです
エンリコ・オノフリ ファンサイト
http://homepage3.nifty.com/enricoonofri/
投稿: diminutione | 2009年9月 9日 (水) 19:30
diminutione さん、エンリコ・オノフリ氏の来日情報をありがとうございます。
投稿: 望 岳人 | 2009年9月15日 (火) 06:54