今日の新聞のWIKIPEDIA記事
以前 2006年7月27日 (木)の記事 WIKIPEDIAを読むだけでなく などという記事を書き、その頃からWIKIPEDIAの編集に参加して、結構長続きしている。主に、クラシック音楽関係、郷土関係についての項目を編集している。
今日の朝日新聞の社会面に、WIKIPEDIAに関する特集記事が出ており、中で某新聞社がWIKIPEDIAの記事をマルマル無断引用したとか、米国ではWIKIPEDIAの信頼性に問題があるため新聞社が記者にその記事への引用を禁止したりするなど、洋の東西でマスコミもいろいろな意味でWIKIPEDIAの存在を無視できなくなっているようだ(asahi.comではこの記事はみつからなかった)。
確かにウィキペディアの記事は玉石混淆で、ムラも多く、いわゆる権威ある書籍の百科事典や各種事典と比べるとまだまだだと思う。例えば、遺跡の解説記事など、自分がオリジナル(といっても様々な典拠を読んで自分の知識となったものを書いたものなので、どこからが引用でどこからがオリジナルか分からないのだが丸写しは盗作として削除される)に作成したものでも、例えば平凡社の地名事典や市町村誌などを参照してみると、そのレベルの違いに愕然とすることがある。また、編集合戦による記事の流動や、価値観や思想的に対立のある項目での編集保護、荒らしに見られるように匿名性(半分以上が未登録編集者だという)に基づくあまり良心的でない書き込みも散見される。また、官公庁や企業が自分が関係する項目に関してウォッチしており、その意向にそぐわないような解説や項目などを削除するという行為が、実際にWIKIPEDIAがどのドメインから編集されたのかを追跡するアプリケーションによっても確認されるなど、「中立的な観点」を逸脱するような事例も報告されている。
しかし、インターネット上の百科事典の利点も数多く、世界的な事項などは、日本語の記述内容では不足だったりする場合には、自分でも少しは読み書きできる英語版(さすがにもっとも充実している)をすぐに参照できたり、内部リンクにより、次から次へと連想と同じように項目をたどれたり、最新項目がすぐにフォローアップされていたりするのは便利この上ない。また、いわゆるオーセンティックな百科事典には取り上げられないサブカルチャー分野の項目が充実しているのもネットの住人の興味関心ゆえだろう。
衆愚の記念碑になるのか、人類の叡智の金字塔になるのかは分からないが、これからも見守っていきたいと思う。
なお、COCOLOGのエンコードUTF-8とWikipediaの相性が原因なのか、相当前からWIKIPEDIAの日本語の項目名をこの本文でリンク作成しようとすると、いわゆる文字化けでリンクができなくなる現象が発生し解決できなかったが、同様の悩みを持っていた人がいたようで、思い立って「WIKIPEDIA ココログ リンク 文字化け」で検索したら trendleader ウィキペディアの和文キーワードのリンク方法 という記事が見つかりおかげさまで何とか解決できた。
実例: http://ja.wikipedia.org/wiki/ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
このリンクの中にhttp://ja.wikipedia.org/wiki/交響曲第5番 (ベートーヴェン) があり、その中にNASAの木星及び深宇宙探査機ヴォイジャーが宇宙人へのメッセージとして搭載していったゴールデンレコード(Golden Record)の記事があったが、内部リンクがWikipedia内の該当記事とリンクされていなかったのを編集してみた。以前からどんな録音が積まれていったのか興味があり、FCLAで話題になったこともあったが当時は参加者のほとんどが分からずじまいだった。しかしいまやWIKIPEDIAでも、そこからつながるNASAのサイトでも容易に調べることができるようになっている。これは有用な知識の蓄積の例だろう。
追記:2007/9/9
9/8(土)朝日新聞朝刊の一面の左側、特集記事などが載るところに、上で書いた官庁によるWikipediaの記事の書き換えについて書かれていた。朝日新聞お得意の官庁批判が主で、企業によるものは特に触れられていなかったようだ。一応独自に取材したようで、厚生労働省、社会保険庁による某代議士批判を、社会保険庁の年金隠し、横領問題と絡めて批判していた。
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