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2007年10月19日 (金)

任天堂DS用 『文学全集』

しばらく、任天堂DSのゲームからは離れていたが、先日Wiiのリモコンのジャケットの無料配布の注文の際に任天堂のホームページを眺めていたら、DS用のソフトで、青空文庫に収納されている著作権切れ(パブリックドメイン)の日本文学の名作100冊が収録されたものが発売予定となっていた。

昨日電気店に立ち寄ってみたら「任天堂 DS文学全集」が平積みになっていた。値段は店頭販売で約2500円。パッケージには収録作品一覧はないが、ホームページで確認できるので要らないのだろう。既に読んだことのあるものも多いが、文学史で名前だけ知っていて実際に読んだことのないものが結構ある。田山花袋の『蒲団』、有島武郎、岡本かの子、尾崎紅葉の『金色夜叉』、織田作之助の『夫婦善哉』、折口信夫『死者の書』、菊池寛、国木田独歩、幸田露伴、小林多喜二、坂口安吾、高山樗牛、武田麟太郎、徳田秋声、徳富蘆花、二葉亭四迷『浮雲』、宮本百合子、横光利一など。もちろん、芥川、漱石、藤村、鴎外、賢治、太宰などの人気作品も多く入っている。(任天堂 公式サイト 収録作品一覧

DS自体、厚手の文庫本よりも少し重いが、持ちやすく、バックライトのおかげで少し薄暗い場所でも読めるので、実用に耐えそうだ。また、老眼用に大きい文字サイズも選べたりする。その他Wi-Fi経由でのダウンロードや通信機能もあったり、BGMなどの瑣末な設定もある。

これまでいろいろ電子ブックが発売されてきたようだが、この普及したゲーム機で容易に読書ができるのは画期的かも知れない。100冊そろっても大きさは変らないのが電子媒体の凄さだ。これで様々なソフトが発売されれば、なかなかだと思う。希望は、賢治全集、漱石全集、シャーロックホームズ全集、シェークスピア全集など、かつて相当大きい版型の全一冊シリーズで出たものがソフト化されれば、すぐにでも買うだろう。

なお、いろいろパラパラ(という擬音が本当にスピーカーから出る!)とめくってみたが、現在、漱石の『草枕』を再読している。あのグレン・グールドの座右の書(ベッドサイドの書?)として音楽ファンにはつとに知られるようになった随筆風小説で、初読のときは退屈だったが、東洋人にして西洋文化を知悉した知識人による東洋的な芸術論として読むときグールドの興味関心に少しでも触れられたような気がして感興が高まるように思う。

P.S. 自分の過去記事で、パブリック・ドメインについての違和感 などと少し偉そうなことを書いてはあるが、最近、パブリック・ドメインの商品を経済的な理由もあり、購入したり、利用したりすることが増えているのは、内心忸怩たる思いだ(^_^;)

(追記:2008/03/14 amazon 個人情報問題で、「Amazonレビューに初投稿してみた。折角だから、Amazon アソシエイトに参加してみた。」については削除、参加保留としている。)

追記:DS Wi-Fiコネクションのトライ

2007/10/28 追加ダウンロードできる作品をみてみたところ、漱石の『夢十夜』や岡本綺堂の『半七捕物帳一』などが含まれていた。このDSをWi-Fiによって無線アクセスポイントにつなぐのは、http://ja.wikipedia.org/wiki/ニンテンドーWi-Fiコネクション のセキュリティの問題の解説によって、使用暗号が旧式(これはDS本体の仕様上の問題でファームウェアの更新で解決できないらしい)だということを知っていたので、躊躇っていたのだが、いったん接続してダウンロードした後、すぐに設定をもどせばいいと考えて実行してみた。

簡単に設定できるアクセスポイントなので、『文学全集』に入っているコネクションガイドブックを参照しながらトライすると、ものの数分で接続でき、早速現在ダウンロード可能なブックをこれも数分でDSに収めることができ、また感想をアップロードし、ランキングもダウンロードできた。総合ランキング1位は『銀河鉄道の夜』、2位『我が輩は猫である』、3位『ごん狐』。その他感想別ランキングでは 痛快部門 1位『蝿男』。感慨深い部門は、『トロッコ』などと参照ができるようになった。

その後、PCで暗号設定を確認すると 確かに WEPに変更されていた。すぐにPCの設定をより強力な暗号に変更し、接続し直し、またWiiも一応接続し直したが、それに30分ほどかかった。

もっともこんな面倒なことをせずとも、DSステーションが設置してある電器や玩具の量販店に持って行けば設定なしにネット接続できるそうなので、今後必要があれば、これを使ってみようと思う。

追記:2007/10/30 Wii リモコンジャケットが1週間ほど前に届いた。早速装着して使ってみたが、これまでのリモコンの太さ・重さに馴れていたので、少々使い勝手が違う。うっかり落としたり、ぶつけたりしたときの保護としては有用だろうが、小学生の手には少し太く重くなりすぎたのではないかと思う。評判はどうなのだろうか?

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