ルプー のブラームス ピアノ作品集
2つのラプソディー 作品79
3つの間奏曲 作品117
6つの小品 作品118
4つの小品 作品119
ラドゥ・ルプー(ピアノ)
〔1970年11月、1975年7月 キングズウェイホール、ロンドン〕
ラドゥ・ルプーというピアニストをまともに聴いたのは、昨年10月のシューマンとグリーグの協奏曲のディスクだったが、いまさらながらだが大変感心した。その好印象があったので、中古盤で出ていたブラームスの晩年のピアノ曲集を買ってみた(これは、レーゼルの全集で欲しかったものだったがレーゼル盤は今のところ未入手)。
晩年のピアノ小品集というと思い浮かぶのが、グールドの晩年の録音だが、FM放送で流されたのを聞いた程度のかすかな記憶しかなくディスクでは持っていないし、また、今井信子のヴィオラによるブラームスのヴィオラ・ソナタの余白に、ヴィオラ・ソナタでピアノを務めているハリス・ゴールドシュミットというピアニストが、独奏で間奏曲など数曲を録音しているものを所有しているが、これはピアノの音色が独特で(ハイあがり?)あまり好印象がなく、これまで晩年の渋い小品集にはあまり馴染みになる機会がなかった。
ところが、ルプーのこの小品集は、ブラームスらしくない「色気」というか、枯れた音楽ではなくみずみずしい音楽になっており、感心した。まったく晩年のブラームスというイメージはない。このような演奏がブラームスの真価と言えるかは難しいところだが、楽しめる晩年のブラームスというのは、なかなか達成困難な課題だと思うので、それをクリアしたこの演奏はそういう意味でも価値があるのではなかろうか?
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私は、ペーター・レーゼルとゲルハルト・オピッツ盤、両方あります。2007年、2人のリサイタルに行き、大変感動したり、興奮したりしました。
今や、2人ともドイツを代表するピアニストになったので、両方お勧めします。4月29日から5月7日までブラームスを聴き比べていました。どちらも甲乙つけがたい演奏です。
ドイツ・シャルプラッテンは、キングレコードからハイパーリマスタリング盤で出ますから、そちらでお求めになることをお勧めします。
今年もペーター・レーゼルとゲルハルト・オピッツが来日します。ぜひ、お聴き逃しなく。
投稿: 畑山千恵子 | 2008年1月 9日 (水) 20:06
畑山千恵子さん、初めまして。拙ブログにコメントありがとうございます。
レーゼルは、昨年廉価盤のBOXセットが限定発売になり、クラシックのblogでも話題になりました。私は買いそびれてしまったのですが、どの録音も水準の高いものだったようです。私の所有しているブラームスの独奏曲集は作品35までですが、どれも充実した音楽を聴くことができ、楽しませてもらっています。オピッツについては、ケンプの弟子として知るのみで音盤は聴いたことはないのですが、数年前のベートーヴェンを弾くのテレビ講師でその一端に触れました。音楽は世界の共通語とはいいますが、言葉の違いと同じように微妙なニュアンスの違いがそれぞれの楽派によってあるように思います。もちろん個性がそれを覆うことがあるとは思いますが。それゆえ、ドイツの伝統を伝える二人のピアニストのブラームスは私にとっても興味深く思います。
あまりリサイタルには足を運ぶことがないのですが、来日を注目したいと思っております。情報ありがとうございました。
投稿: 望 岳人 | 2008年1月 9日 (水) 21:22