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2007年11月21日 (水)

レヴァイン/VPOのモーツァルト交響曲第25,29,31番

Levinemozartnr253931 先日のロビンス・ランドンの『モーツァルト』とベーム/VPOの『コシ』によって、一時的に耳がモーツァルト志向になったようで、これまで積んでおいたCDをいくつか聴き始めた。

このCDは、ジェームズ・レヴァインがヴィーン・フィルとモーツァルトの交響曲全集を1980年代に作った(結局完成したのだろうか?)中からの抜粋で、若きモーツァルトの傑作2曲と、パリでの交響曲が収録されている。

それほど期待せずに聴いてみたが、どうやらヴァイオリンを古典的な対抗(両翼)配置にしているようだ。いわゆるピリオド・アプローチでは対抗配置は普通だが、モダンオケでこれらのめまぐるしい曲調の3曲で、第2ヴァイオリンが右から聞こえるのはなかなか珍しいように思う。

小ト短調と呼ばれる第25番K.183は、ランドンによるとハイドンの疾風怒涛に影響を受けての作品だという。ブルーノ・ヴァルターなどは非常にロマンチックなアプローチでこの曲を演奏していたが、シュトルム・ウント・ドラングは、ロマン主義の先駆けでもあるそうなので、その意味であのような劇的なアプローチはありなのだと思う。第29番K.201は、モーツァルトがヴィーンに移住した後でも、よくコンサートに掛けたものだというが、彼自身相当この曲に自信を持ち、気に入っていたのだろう。第2楽章と終楽章が少々生硬な感じがするが、中では第1楽章のデリケートな息吹はまさに青春の象徴のようで、このレヴァインの指揮はなかなかいい。同じヴィーンフィルを指揮したケルテスのものも非常にいい演奏だが、モダンオケのものとしては甲乙付けがたいと思えた。

第31番はパリ交響曲と呼ばれているが、2種類ある第2楽章のどちらが最終版なのか、ランドンによれば今でも決着を見ていないのだという。これは、ベームとベルリン・フィルのCDの演奏が特にフィナーレの第3楽章のテンポがゆっくりで驚かされたのだが、レヴァイン盤は、ベーム盤の5:19に対して3:39と非常に快速な演奏になっている。それでも聞き比べると、無骨そうに思われるベーム盤は意外にも優美な風情があり、面白い。

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