ヘンデル Dixit Dominus, ヴィヴァルディ Gloria (BBC music付録CD)
演奏者は、ディエゴ・ファゾリス Diego Fasolis 指揮の ルガーノ・スイス放送合唱団 Swiss Radio Chorus of Lugano と イ・バロッキスティ I Barocchisti
Soprano は、レーナ・ルーテンス Lena Lootens, ロベルタ・インヴェニッツイ Roberta Invenizzi, Altoは グロリア・バンディテッリGloria Banditelli, Tenorはマルコ・ビーズリー Marco Beasley, Bassは アントニオ・アベーテ Antonio Abete という人たち。イタリア系が多いようだが、Beasley などは姓からはアングロ・サクソン系だろうか。スイスは、ヨーロッパの坩堝(パッチワーク)なのがこのソリストからも想像される。
これは、1999年当時できたてというわけではなく、1995年12月12日、ミラノの教会(Basillica di San Simpliciano)でライブ録音されたもの。
ヘンデルの宗教曲は、一応オペラの一種でもあるオラトリオ『メサイア』で親しいが、ラテン語の祈祷文に付けたモテット(というのだろうか?)のような曲は、これが初めて聴いたもの。
また、ヴィヴァルディは、最近読んだ音楽史の本でも、膨大な器楽による協奏曲のほかに、多数のオペラを作り、またこのような宗教曲も多く書いたのだという。
ヘンデルの音楽は、平明なバロック後期の音楽というよりも、対位法を駆使した短調の緊張感のある音楽になっている。
一方、ヴィヴァルディの方は、沸き立つような明快なGloriaで開始される主調は長調の音楽であり、トランペットの明るい響きが、彼の活躍したヴェネツィアの生活を彷彿とさせるようだ。ただし、第2楽章(楽段)の Et in terra paxのように偶数楽章は、悲しげな短調も用いられており、全体的にメリハリのある音楽を聴くことができる。ヴィヴァルディは本当に多作だったようだが、作品の質がそれなりに高いのは驚異的だ。
探したところ、BBC music Magazine December 1999 が出てきた。レコード芸術誌よりずっと薄く各記事も短いが、結構読み応えがある。まだ、この頃は過去の名演のバジェットプライス洪水を迎えていない頃だったと思うので、1999年1年の新譜の推薦など結構の数が挙げられていて興味深い。
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