J.C.バッハの3つの五重奏曲、六重奏曲
先日読んだ『反音楽史』が特に再評価を求めていたのが、ロンドンのバッハ、ヨハン・クリスティアン・バッハ(ジョン・クリスチャン・バック)だった。
W.A.モーツァルトの伝記には、ロンドンで幼少の頃多大な影響を受け、後年パリでも再会を喜んだという、他の音楽家には非常に厳しかったモーツァルトが、尊敬した数少ない音楽家の一人だったことが書かれており、当時相当の人気と影響力のあった音楽家だったらしいが、『反音楽史』によると特にドイツ人の手では、彼の評伝もものされていないのだという。
彼の最も著名な作品は、モーツァルトにも影響を与えた交響曲だと思うが、たまたま『反音楽史』を入手する前にこのCDを入手しており、知らずに聴いたときより読んでから聴いた方が感慨が新たなものになるように思う。
前期古典派として、バロックとヴィーン古典派の橋渡し的な役割を果たし、深みはないが、和声的な音楽がよく書けているということが言われるが、なるほどこれらの4曲には、深みには乏しいが、音色の多彩さや分かりやすく親しみやすい楽想などそれなりに魅力的なものだ。
フルート、オーボエ、ヴァイオリン、チェロ、チェンバロのための五重奏曲ニ長調Op.22-1
オーボエ、2つのホルン、ヴァイオリン、チェロ、フォルテピアノのための六重奏曲ハ長調
フルート、オーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラ、通奏低音のための五重奏曲ニ長調Op11-6
フルート、オーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラ、通奏低音のための五重奏曲ハ長調Op11-1
演奏は、トレヴァー・ピノックのキーボード、イングリッシュ・コンサートのソリストたち(ヴァイオリンのスタンデイジなど)による。
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