キーシンのラフマニノフ3番-録音の音量レベルの低いCDの鑑賞
のだめスペシャル第2夜のラフマニノフの3番コンチェルトのフィナーレが面白かったので、これまであまり感心していなかったキーシンと小澤/ボストン響のRCA録音(ライヴ)を少し音量をあげて聞きなおしてみたところ、ライヴとは思えない精度があり熱気も感じる演奏だという風に印象が変った。
このCDは、小澤の他のボストン録音と同様、どうも録音時の音量レベル設定が低すぎたもののようで、通常のボリューム位置で聴くと、音響のよくないホールの2階席のはるか彼方で聞いているような遠い音に聞こえてしまい、これまでずっと敬遠していたのだった。ところが、同じく録音のあまり良くないとされるテンシュテット/ロンドンフィルのマーラー(スタジオ録音)もボリュームを通常よりも上げて聴くことでまったく違う印象になるということを読み、同様な録音の今回は相当ボリューム位置を上げて聞いてみようと思っており、今回そのようにして聞いてみた。
このラフマニノフの3番CDは、CDの批評記事などでは結構評判の高いもので、また実演時の評判も高いものだったようだ(フィナーレ後の盛大な拍手は演出の可能性もあるとは思うが)。それが、これまでは自分の耳には寝惚けたような演奏にしか聞けずにいて、少々いらだたしいものだった。フィルアップのキーシンのリサイタル録音はずっと鮮明に録音されているのにと思ったものだ。相当のdBの差だと思う。
ボリュームを上げるだけでこんなに違って聞こえるとは思わなかった。ただ、いつドカンという耳を聾する音がするかビクビクものだったことは確かだが。
物凄く細かい音符が散りばめられたこの音楽は、意外にロマンチック(というようりセンチメンタル)なメロディーの宝庫であることも分かった。オケの音は少し軽めに録られているようだったが、キーシンのピアノの達者なことや小澤の指揮するオケでの木管がぴったりとピアノに寄り添うところなどぞくぞくするようだった。フィナーレも力演で、ビシっと決まったエンディングだった。 このほか小澤盤では、ロストロとのドヴォルザークも音量レベルが低いので、これも少し持ち上げて聞いてみようと思う。
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