傷ついたCDの修復に成功した
2006年10月28日 (土) モーツァルトの弦楽四重奏曲 ABQ の記事を書いたが、これは、(最近まったく更新していない)ホームページに載せてある以前から大切にしているCDだ。
☆弦楽四重奏曲集 アルバンベルクQ (TELDEC 72P2-2803/6) 4枚組み 1976年から1978年録音
第14番 ト長調 K.387 (ハイドンセット第1番、通称「春」)
第15番 ニ短調 K.421(417b) (同第2番)
第16番 変ホ長調 K.428(421b)(同第3番)
第17番 変ロ長調 K.458(同第4番、通称「狩り」)
第18番 イ長調 K.464 (同第5番) 第1楽章終盤と第2楽章初めがCDの擦り傷のため再生できず。
第19番 ハ長調 K.465(同第6番、通称「不協和音」)
第20番 ニ長調 K.499(通称「ホフマイスター」)
第21番 ニ長調 K.575(プロシャ王第1番)
第22番 変ロ長調 K.589 (プロシャ王第2番)
第23番 ヘ長調 K.590 (プロシャ王第3番)
もう数年前だが、上記の赤のメモのようにCDケースを開けるときにうっかりストッパーから外れていたCDが落下してしまったため、その勢いで円周方向に擦り傷がついてしまい、音飛びや繰り返し状態になってしまい、ここずっとその部分を聞くことができなくなっていた。そのCDを試しにスキャナーでスキャンしてみたのが、下記の写真。
この写真の中心部から左上方の約45度、記録部の内側の端から約5分の1ほどのところにある薄い傷だ。ちょうど第1楽章の最後と第2楽章の初めにかかっていて、第1、第2がほぼ同じ動機で始められるユニークなこの曲をしばらく聴けないままだった。
今日、近所のショッピングセンターに理髪と買い物に行ったついでに、電気店をウロウロしていたら、ディスク売り場のところに「ディスクの救いの星」なることが謳われた左下のEUPA TWI-DR02 Disk Repair & Cleaner が売られており、CDレギュラープライス一枚強の値段だったので、ものはためしと購入してみた。帰宅して確認したら中国製だったので、どうかとも思ったが、日本語表記で結構丁寧な日本仕様?包装でもあるので、まずは試しにと、この大事なディスクをセットしてみた(最悪、そのCDだけ単売ものを買おうかと思った)。
商品紹介のコメントではあまりいい評価が付けられていないが、使い方もそれほど難しくなく、幸い初期不良もなかった。
結果といえば、1度のリペア作業では効果なし。手近なポータブルCDプレーヤーではまだ音飛び状態。
次に、思い切って研磨してみたところ、派手に研磨模様がつきはしたが、ポータブルCDプレーヤーでは以前より音飛びが少なくなっている。(後で思ったが、ポータブルやDVDプレーヤーの方がエラー補正機能が、据え置きのオーディオ専用CDプレーヤーや、PCのCDドライブより優れているようだった。)
もういちどリペアしたらもう少し改善し、さらに研磨したところ、ポータブルプレーヤーでは完全に再生できるようになっていた。
これで大丈夫だろうと、バックアップを取る為にPCでiTunesやMediaPlayerで読み込ませると、傷のエラーのためか?PCがダンマリ状態になってしまう。これを据え置きCDプレーヤーに掛けてみるとやはり音飛びがする。DVDプレーヤーで試したら、きちんとトレースしたのだが。
そこで3回目の研磨をし(相当の研磨跡がついた)とリペア(特殊な液体を塗る)をして、表面についたカスをクリーニングをしたところ、今度はPCでもきちんと読め、据え置きプレーヤーでも問題なく再生できるようになってくれた。
実は、第18番 イ長調 K.464 (同第5番)と第19番 ハ長調 K.465(同第6番、通称「不協和音」)のカップリングは、この後期四重奏曲集セットを買う前に単独で持っていたのだが、このセットを買ったのを機に友人(現在は遠方に住んでいる)にプレゼントした経緯もあり、特にこのイ長調の曲が派手さはないが好きだったので、聴けないのは長年の胸の痞えだったのだった。これがようやく改善できたので非常にうれしかった。
追記:そういえば今日1月27日は、モーツァルトの252回目の誕生日にあたる日だ。快晴だが、外は寒いし、家族の用事があり丸の内の凍結マンモスのリューバを見に行くこともできないので、ゆっくりと自宅で蘇ったK.464を聴いてみようと思う。ちなみに解説書によると、このイ長調はベートーヴェンが好んだ曲だったという。専門的には全楽章の主題的な統一が見事なのだという。またベートーヴェンは、このほかK.466のニ短調のピアノ協奏曲を自分でも愛奏してカデンツァまで残したのだった。
追記:2013/10/20
イ長調 K.464の生演奏を聴かれたという narkejpさんの山形弦楽四重奏団第49回定期演奏会でハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンを聴く 2013年10月20日 にトラックバックを送らせてもらった。
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コメント
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私も入手困難で高価になったオペラの一枚が傷ついて仕舞って聞けません。様々な御呪いを試みて更に表面が悪くなっています。
この手の研磨機にも興味があるのです。最終的にケミカルも塗布したようで、研磨機商品によって若干の差もありそうですね。また請負業者などもあることをネットで知ったのですが、その投資額やその効果を考えるとどうしても躊躇します。貴重な体験記録で大変参考になります。
聞けないとなると余計に気になりますよね。何はともあれ、先ずはK.464 をお楽しみください。
投稿: pfaelzerwein | 2008年1月27日 (日) 17:18
pfaelzerweinさん、今晩は。(現在そちらとは時差8時間ですから 今日は ですね。)
この傷は表面についた薄いものですが、これまで普通のクリーニングを何度繰り返してもまったく効果がなかったものです。私も一時期はエラー補正研磨の専門業者のサイトも調べたりしましたが、大体免責範囲が広く取られている(修復できなくても文句は言えない)のと費用の面で躊躇しておりました。
ケミカル(リペア液)の塗布は、本来は微細な傷を修復するためのもので、これで大概直るように書かれていたのですが、それでだめな場合は、いわゆる目の細かい紙やすり上のアタッチメント2個で表面を薄く研磨し、さらにリペア液をつけて磨き、最後にクリーニングするという方式で、それを繰り返す必要があるようです。
たまたま私の場合は、今回はうまく行き、PCでもバックアップデータを取れたのでラッキーでしたし、まだ廃盤ではないようなのでいざとなれば購入新品を購入してしまおうと思っていたのですが、入手困難な貴重な廃盤などでもし専門業者に依頼されるならば、傷の状態をあらかじめスキャナーなどで画像化してアドバイスを受けるのも手かも知れないですね。
さて、このTELDEC録音はその後のEMI録音よりも切れ込みが鋭いので、我が家のステレオでは臨場感たっぷりにK464を聴くことができました。
投稿: 望 岳人 | 2008年1月27日 (日) 18:32