J.S.バッハ 『クリスマス・オラトリオ』(ガーディナー)を聴く(5of6)
Weihnachts Oratorium BWV248 (クリスマスオラトリオ)
指揮:ジョン・エリオット・ガーディナー
管弦楽:イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
合唱:モンテヴェルディ合唱団
アルジェンタ(S),ホールトン(S),プリングル(S),フォン・オッター(Ms),ブロッホヴィッツ(T),ジョンソン(T),ベアー(B)
1987年1月、ロンドンでの録音(場所は不詳)
第1部 降誕節 第1祝日(12月25日)用 全9曲
第2部 降誕節 第2祝日(12月26日)用 全14曲
第3部 降誕節 第3祝日(12月27日)用 全13曲
第4部 新年(1月1日 キリストの割礼と命名記念日)用 全7曲
第5部 新年後の主日(日曜日:1月2日から5日の間の日曜日に限る)用 全11曲
第6部 主顕節(顕現節 1月6日)用 全11曲
第5部 新年後の主日(日曜日:1月2日から5日の間の日曜日に限る)用 全11曲(通し番号では第43曲から第53曲)
2008年の新年後の日曜日は1月6日なので、バッハの指定通り 「新年後の主日(日曜日:1月2日から5日の間の日曜日に限る)用」とすると、今年は演奏されないことになるのだが、前回書いた通り1/5(土)に聴き始めたが所用で中断し、日曜日に第1曲から聞きなおした。
1.合唱:栄光あれと、神よ、汝に歌わん
2.福音史家:イエス、ユダヤのベツレヘムにて
3.合唱とレチタティーヴォ(アルト):この度生まれたまえるユダヤ人の王は-その君をわが胸のうちに求めよ!
4.コラール:汝の光輝はすべての闇を呑み
5.アリア(バス):わが暗き五感をも照らし
6.福音史家:ヘロデ王これを聞きてうろたえおののく
7.レチタティーヴォ(アルト):いかなれば汝らはうろたえおののくか?
8.福音史家:王、民の祭司長ら、ならびに律法学者らをみな集めて
9.三重唱(ソプラノ、アルト、テノール):ああ、その時はいつ現るるや?
10.レチタティーヴォ(アルト):いと尊きわが君はすでに統べ治めたもう
11.コラール:かかる心の部屋は、美わしき王侯の広間にあらずして
この第5部は、#3つのイ長調が主調ということだ。バロック時代には、調の選定には様々な寓意があったようだが、第4部の穏やかなヘ長調からは相当の気分転換であるが、第1部のニ長調の属調なので、非常に近い近親調のようだ。
第1曲(通し番号では第43番)は、オーボエとオーボエ・ダモーレを加えた弦楽合奏による浮き立つような伴奏を背景に、同じく合唱が浮き立つ喜びを明るく歌い、神の栄光を讃える。
第2曲、第3曲は、東方の三博士(マギ)の訪問を歌う。アルトのレチタティーヴォが印象に残る。(この2曲はマタイ伝による)
第4曲のコラールはイ長調だが、慎ましやかな表情である。
第5曲のバスのアリアは、オーボエ・ダモーレの甘いソロオブリガート付き。イ長調の平行短調 嬰ヘ短調による。この演奏では、通奏低音のファゴットが用いられれ、オーボエ・ダモーレとファゴットがバスの歌唱を包むようだ。
第6曲から第8曲は、ヘロデ王がイエスの誕生を知りうろたえおののく様を語る。
第9曲は、珍しいソプラノ、テノール、アルトによる三重唱アリアで、ヴァイオリンのソロオブリガートが付く。ロ短調(全体の主調ニ長調の平行短調)なのだが、全体的に明るい雰囲気の曲想になっている。イエスを待ち焦がれる気持ちが表されているためだろうか?
第10曲アルトのレチタティーヴォに続き、第11曲のイ長調のコラールによって閉じられる。
約10年ほど前に邦訳が出版され話題になった小説「聖書」新約篇(ウォルター・ワンゲリン、徳間書店)が手元にあるが、イエスの誕生はP.43-P.55あたりに描かれており、それをこの第5部を聞いた後に読んでみた。
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