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2008年1月21日 (月)

西本晃二『モーツァルトはオペラ 歌芝居としての魅力をさぐる』

先に、モーツァルトオペラの往年の名録音集を入手し、ようやく難関『コシ・ファン・トゥッテ』へのとっかかりができたばかりだが、その後、下記の本が目に留まり求めてみた。

参考: 2007年8月 8日 (水) モーツァルト 生誕200年記念の名録音による4大オペラ全曲集 10CDボックスセット

参考:2007年11月16日 (金) 『コシ・ファン・トゥッテ』をようやく全曲聴けた

この本は、ローマの日本文化会館館長なども歴任し、バーンスタイン関係の訳書もあり音楽にも造詣の深いフランス語・イタリア語学者の西本氏が、モーツァルトのオペラについて深く語ったものだ。

特に、音楽面の素晴らしさに屋上屋を架すよりも、自分の専門のイタリア語におけるリブレットへの深い知識により、「歌芝居」としてのオペラを取り扱ったもので、これまでこのような本があったのか知らないが非常に興味深い。2006年に初版が発売されたばかりのもので、一応モーツァルト生誕250年を機に出版されたもののようだ。

どこも面白いのだが、特にp.25で、三大オペラ「フィガロ」「ドン・ジョヴァンニ」「魔笛」「コシ」の中では、フィガロを最も完成したものであり、<<それに四大傑作として付け足す「コシ」は一般的ではく、少し分かり難い>>と喝破しているのは、わが意を得たりといった感じだった。

また、文学作品としてのオペラリブレット「魔笛」についての言及は、先のランドンの指摘と同様、興味深いものがあった。 どれほど話題になった本なのか知らないが、大変面白かった。

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