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2008年3月 2日 (日)

メンデルスゾーン交響曲第3番『スコットランド』 クレンペラー/フィルハーモニア管 

Klemperer_mendelssohn_scotch_italia メンデルスゾーン

交響曲第3番イ短調作品56『スコットランド』

クレンペラー指揮 フィルハーモニア管弦楽団

〔1960年1月録音〕 15:11, 5:13, 9:33, 11:42


3月だから、3番の曲を聴こうなどと思い、初演カレンダーを確認してみると、

3/3/1842 メンデルスゾーンの交響曲第3番「スコットランド」が、ライプチヒ・ゲヴァントハウスで初演される。

3/3/1875 ビゼーのオペラ「カルメン」がパリのオペラ・コミック劇場で初演される。

ということで、3月3日で3番とくれば、今日はまだ3月2日だが、久しぶりにこの名盤を聴いてみたくなった。メンデルスゾーンの『スコットランド』では、音盤的にはあまり縁がなく、この名盤もここ数年で購入したもの。それまでは、カラヤン/BPOのLPのエアチェックのカセットを結構長いこと聞いていて、刷り込みとしてはそれが基準になっている。

噂としては十分聞いていたが、このクレンペラー盤を購入して初めて聴いたときは、本当に驚かされた。美しい水彩画風の風景画だがそれほど心にぐっとくるところのない作品が、急に偉大な油彩画の傑作に生まれ変わったというような、不思議な感覚を味わった。もともとこの作品がそのようなものを内包していたと言うことはあるのだろうが、多くの指揮者のアプローチは、「美しい風景画」的にさらっと演奏することが多いように感じる。しかし、クレンペラーは、この作品をより深いメッセージを語りかけるものとして扱っているのか、その指揮が抉り出したのか分からないが、そのような作品として、伝わってくる。

重々しくゆったりと演奏するだけでは、単に不自然になるだけだと思うので、その加減が難しいのだろうと思うが、このクレンペラーの演奏・録音はそういう意味で奇跡的なバランスの上に成り立ったユニークな演奏だと言えるのだと思う。

なお、この作品は3番の番号が付いているが、完成順としては、メンデルスゾーン最後の交響曲になるのだという。

 

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