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2008年3月13日 (木)

デ・ラローチャのアルベニス『スペインの歌』など

Albeniz_de_larrocha イサーク・アルベニス(1860.05.29-1909.05.18) 

 ピアノ曲集 

 アリシア・デ・ラローチャ(ピアノ)

 EMI CLASSICS CDM 7 64523 2 (EMI ODEON, S.A. MADRID (ESPANA)

  〔1959年頃の初出〕


今日もショパンはお休み。

元々は、アルベニスの有名な『入江のざわめき』あたりを聴きたくて買ったもの。裏面の曲目一覧はスペイン語なので、『入江のざわめき』が収録されていないことはわからなかった。(確か、1990年代に長野の中古盤店『アンサンブル』で購入したものだと思う。)ちなみに、イエペス編曲・ギター演奏だが、『入江のざわめき』は後日入手。スペインの歌の第1曲『アストゥーリアス』のイエペス編曲・演奏も収録されている。

(新星堂の輸入・販売品の背表紙に曲名は書かれているが)いつもお世話になっているクラシック・データ資料館で曲名を調べさせてもらった。

1. 組曲「スペインの歌(Cantos de Espana*)」Op.232,B.44(1896頃/1896出版)[p][5曲]

 (1) 前奏曲ト短調(Preludio)Op.232-1〔※出版社がアストゥーリアスと改題して「スペイン組曲第1集」に使用〕
 (2) オリエンタル ニ短調(Oriental)Op.232-2
 (3) やしの木陰変ホ長調(Bajo la palmera)Op.232-3〔※キューバOp.47-8を参照〕
 (4) コルドバ(夜想曲)ニ短調(Cordoba*)Op.232-4
 (5) セギディーリャ嬰ヘ長調(Seguidillas)Op.232-5〔※出版社がカスティーリャと改題して「スペイン組曲第1集」に使用〕

2.スペイン組曲第2集(2 suite espanola*[Suite espanola No.2*])B.32(1890以前/1889出版)[p]より 第1曲「サラゴーサ(Zaragoza)」

3.組曲「スペイン(Espana[6 hojas de album])」Op.165,B.37(1890)[p][6曲]よりマラゲーニャ ホ短調(Malaguena*)Op.165-3

4.マジョルカ嬰ヘ短調(Mallorca[Barcarola])Op.202,B.41(1891出版)[p]

5.サンブラ・グラナディーナ ニ短調(Zambra granadina[Danse orientale])B.41(1890~91頃)[p]

6.ラ・ベーガ(草原)(La Vega)B.46(1887)[p]〔※組曲「アルハンブラ宮殿」(未完)の第1曲として作曲〕

7.アスレーホス(Azulejos)B.50(1909/1911=グラナドス完成/1922出版)[p]〔第1曲「前奏曲」のみ=未完/グラナドス完成〕

1959年以前のスペイン録音ということで、音質はちょっと悪い。ヒスノイズはタップリで、音割れもする。しかし、1923年の生まれのデ・ラローチャは当時30歳代で、そのピアノ演奏は生き生きとしており、ピアノの音色の美しさや明晰な解釈、レガートの美しさなどは味わうことができる。いわゆる本場物の最たるものだと思う。なかなか聴く機会のないアルベニスのピアノ曲をまとめて聴けるのはありがたい。中ではアストゥーリアスとマラゲーニャがギター的な同音連打を多用していて面白い(上記のイエペスのアストゥーリアスのギター編曲は、調性を変えているが、原曲が本当にギター的な発想で書かれたことが如実にわかるような気がする)。ラ・ヴェーガは一曲で13分を越える大曲。スペイン音楽的な語法は使われているが、転調の多い音楽はそれまでの曲とは趣を異にするようだ。

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コメント

ここにも一度書いたことがあるかもしれませんが、ラローチャが後年テルデックに録音したスペイン曲集LPボックスは愛聴盤です。

それはスタインウェーの録音としても素晴らしいです。

スペイン音楽的な語法においても「趣を異にする」のが、まさにこの作曲家の魅力かもしれませんね。

pfaelzerweinさん、いつもコメントありがとうございます。デ・ラローチャ(ペダンティックにデを付けております、以前の記事では省略しましたが)のテルデック録音でボックスのLPがあるんですね。

このEMIの選集には入っていないスペイン組曲全曲や、組曲「イベリア」などの名作を是非聴いてみたいです。この古いEMI録音は、演奏は素晴らしいのですが、音質を堪能するというわけにはいかないので、デッカ盤は数種類出ていて、日本でも入手が容易なようで、機会があれば購入したいと思っています。

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