「ゴルトベルク」変奏曲を聴く
先日のテレビ番組に刺激されて、久しぶりにグールド晩年のゴルトベルク変奏曲全曲をじっくり聴いた。
アリアのテンポは非常にゆっくりだ。グールドのつぶやきや鼻歌が聞こえる部分では、一緒に聴いていた長男も驚いていた。
先日の番組の作品解説により、30の変奏が、3グループに分かれるということに気づかされて改めてそのグループ分けに注意しながら聴いてみた。現在演奏されている変奏番号が何番かということは、最初のアリアの番号1をプレーヤーに表示されるindex番号から引くことで当然分かる。その番号の数を3で割り、その余りの数で第1グループ、2、3グループと分類すると分かるわけだが、音楽を聴きながらその単純な計算をするのが結構面倒で、第1グループが性格的な舞曲(メヌエット、ジーグ)など、第2が技巧的な音楽、第3が1度ずつ音程がずれていくカノンのグループと暗算するのは結構難しかった。特に、第3グループの変奏は、index番号4のものが、1度のカノンとなり、7のものが2度のカノンなるのだが、今演奏されているのが何度のカノンかと考えるのはちょっとした頭の体操だった。たとえば、index 28 は、(28-1)÷3=9 で余り0なので、第3グループ(カノンのグループ)となり、商が9なので9度のカノンとなる。書けば単純なのだが、音楽を聴きながらだと、混乱してしまう。お恥ずかしい話だ。それでも、このように整然と曲が作られているのがわかったので、3度のカノンだと主題の3度上で追いかけ主題が提示されるのが分かる気がするし、2度や4度、7度だとよく不協和にならずに作曲できたものだと感心するなど面白さがわかるように思う。
また、そのテレビ番組で、変奏が30のため、第16変奏から後半になるというようなことを言っていたかは忘れたが、第16変奏は、管弦楽組曲の序曲と同様のフランス風舞曲になっており、これまで意識しなかったが、この曲はまさに後半の始まりを告げる序曲の趣が強い。
それにしても、私も妻もそうだが、このゴルトベルク変奏曲は、演奏には難しい曲だろうが、比較的に短い特徴的な変奏が次々に登場するためか、何度も聴いているうちに、それぞれの変奏がいつの間にか記憶に刻まれやすいようで、つい演奏を聴きながら指が動いたり、鼻歌を歌ったりしてしまう。そのために余計、伝説とは異なり、「眠れなくなる」覚醒作用のある曲なのだということがあるような気がする。
なお、今晩の「名曲探偵」は、23:00 クラシックミステリー名曲探偵アマデウス “交響曲第6番 悲愴”~遺された楽譜の謎 とのことだ。
« 北京オリンピック聖火リレー 長野 | トップページ | 小澤/SKO ブラームス 交響曲第4番(1989年) »
「ディスク音楽04 独奏」カテゴリの記事
- 小学館 モーツァルト全集のCDを夏の帰省時に持ち帰った(2014.09.02)
- マリア・ティーポのバッハ「ゴルトベルク変奏曲」(2014.06.24)
- ヴォイジャー(ボイジャー)のゴールデンレコード(2013.09.16)
- グレン・グールドの1981年ゴルトベルク変奏曲の録音と映像の微妙な違い?(2013.06.24)
- 年末に届いた "LIVING STEREO 60 CD COLLECTION"(2013.01.04)
コメント