小澤/BSO の ラヴェル オーケストラ曲集
小澤征爾のラヴェルのオーケストラ曲集は、確か米国籍の日本文学研究者ドナルド・キーン氏がその当時絶賛していたような記憶がある。
ドナルド・キーン氏と言えば、大学に入学直後、仙台市内の歯科医師会館?とかいうホールで講演会があり、級友と聴きに行った記憶が今蘇ってきた。確か三島由紀夫との交友や現代日本文学の話題が主で、当然クラシック音楽のことは講演の話題には出なかったような気がする。
キーン氏が、小澤/BSOの録音では確か『シェエラザード』も誉めていた。当時の『レコード芸術』誌に、「風姿花伝」のようなタイトルで、エッセイを連載していたのだった。そこで題材になっていたのだと思う。
さて、この小澤/ボストンのラヴェルだが、曲目は 『ボレロ』『スペイン狂詩曲』『ラ・ヴァルス』『亡き王女のためのパヴァーヌ』『クープランの墓』が収録されている。就任当初の小澤の初期のプロジェクトは、ラヴェルとベルリオーズだったと思うが、ラヴェルはこのほかにも数曲録音されており、立派な選集でLP発売されていた。(ところで、ほとんどドビュッシーの録音がないように思うのだが、どうしてだろう。)
FM放送で、この『ボレロ』は聴いたことがあったが、他の曲は今回が初めて聴いた。全体として、1974,5年の録音にしては、くっきりした明瞭な録音で、小澤の録音にしては比較的近接マイクで取られているように思う。そのためか楽器の存在感が明確で、ラヴェルの精密なオーケストレーションの妙技が、小澤/ボストンの明快な演奏によってたっぷりと味わうことができた。音色も精彩があり、なかなか優れものの演奏・録音だと感じた。
クリュイタンス/パリ音楽院管によるラヴェルはオーセンティックな名演として知られ、以前からCDでよく聴いてきたが、むしろその演奏・録音よりも、この小澤盤は、私にとっては面白いかも知れない。
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