バレンボイムのベートーヴェン ピアノソナタ集(EMI)
ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調 作品13『悲愴』
9:35/5:51/4:48 〔1966年9月19日、アビーロード・スタジオ〕
ピアノ・ソナタ 第14番 嬰ハ短調 作品27の2『月光』
7:05/2:25/7:40 〔1966年9月19日,28日、同上〕
ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調 作品57『熱情』
10:36/8:04/5:25〔1966年9月28日、29日、同上〕
昨日は、梅雨入り後とは言え、久々の初夏の晴れ間に恵まれ、子ども達の小学校の春季運動会が無事挙行された。学校2学期制の余波が次第に学校行事の時期に及ぶようで、昨年は校舎の耐震工事のために5月開催とのことだったが、今年も夏休み明けではなく、この時期の開催になった。
北緯35度のこの付近では、夏至の南中高度は78.4度にもなるため日差しが非常に強く、おかげで腕時計の後がくっきり白く模様になるほど日焼けしてしまったが、子どもは、熱中病になることもなく、踊りに駆けっこに、騎馬戦に、児童会の役割にと大忙しだった。
さて、梅雨時になると、何故かベートーヴェンのピアノソナタが聴きたくなるのだが、どうしてだろう。
2007年6月 1日 (金)バレンボイムの弾くベートーヴェン『月光』『熱情』『ヴァルトシュタイン』は、1980年代のDG録音で、タインミングは、『月光』 6:38/2:13/7:42 と『熱情』10:36/7:37/8:13。
このEMI録音は、それより前のまだ若かりし頃(1942年生まれのバレンボイムなので、20代前半)の録音。EMI「新・名曲の世界73」として分売されており、目に留まったので、比較の興味から購入して聴いてみた。
三大ソナタだけがベートーヴェンのソナタのすべてではないことは十分承知だが、やはりこの三曲は、その形式の多彩さ、内容の深さ、ピアニステイックな魅力等で、何度聴いても飽きない作品だと思う。
さて、先日、ブレンデルの1970年代の録音で、この三曲を聴き、それ以前にもゲルバー、R.ゼルキン、ホロヴィッツ、グールド、アシュケナージの「三大ソナタ集」やシュナーベル、グルダの全集でも聴き比べを楽しんできたが、若きバレンボイムのこの録音も十分楽しめるものだった。
下記が新旧の所要時間の比較。
月光の旧盤の7分台は相当遅い部類。また、熱情の第2楽章は、旧盤も新盤も非常に遅い部類。バレンボイムのandante は、通常のadagio的なテンポ感覚なのは、モーツァルトのピアノ協奏曲第21番の第2楽章でも感じたことを以前にも書いたが、顕著な特徴のように思う。『熱情』の終楽章は、破綻を恐れず突き進み、大変な迫力で弾き切っており爽快でもある。
『悲愴』は、若きロマンティスト、バレンボイムの面目躍如の演奏で、愛すべきものだと思う。
ピアノ・ソナタ 第14番 嬰ハ短調 作品27の2『月光』
旧 7:05/2:25/7:40〔1966〕
新 6:38/2:13/7:42〔1983〕
ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調 作品57『熱情』
旧 10:36/8:04/5:25〔1966〕
新 10:36/7:37/8:13(展開部と再現部のリピートあり)〔1981〕
p.s. 同じ頃(1966、1967年)のグールドの録音は、まさに破天荒のテンポ設定。
ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調 作品13『悲愴』
6:04/4:43/3:45 (バレンボイム旧盤 9:35/5:51/4:48)
ピアノ・ソナタ 第14番 嬰ハ短調 作品27の2『月光』
4:10/1:40/4:59 (同上 7:05/2:25/7:40)
ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調 作品57『熱情』
15:01/11:08/5:24 (同上 10:36/8:04/5:25)
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